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サッカー指導者として飛躍(浦和市立高校)時代16—ブラジル珍道中12

ブラジル14日目、午前中にキックの練習。それまでの日本では、インステップキックは真っ直ぐ助走して真っ直ぐ振るのが主流だった。オフトが日本に来て、「日本人のキックは立ち足がボールに近すぎる」と言っていたが、ブラジル人コーチのキックの見本は、立ち足がボールから遠く、斜め45°に足を入れてボールをヒットしていた。後に『Brazilian Soccer』という本にknee(膝)とfoot(足)との距離がボールと立ち足の距離と書かれていて「我が意を得たり」と思った。それまで、様々なサッカー入門書に「真っ直ぐに入って真っ直ぐ振る」と書かれていると、足のサイズが28cmでそれはあり得ないと思っていたし、「立ち足とボールの距離は20cmとか30cm」と書かれていると、脚の長さは人によって違うのになぜ同じ距離なんだと思っていた。

浦和市立高校時代は、よくネットで海外のサッカーのビデオや本を注文していたが、ブラジルのサッカーのトレーニンングのビデオを1万円以上払って注文したら、アントラーズの選手にジーコが指導しているNHK BSの番組のビデオだったこともある。今では考えられないが。

カルリーニョスコーチは「日本人はキックする時に手が動かないから、テニスボールを持たせて、手に意識が行くようにした方がいい」と言っていた。ちょっと前に、中西哲生さんが久保建英少年や永里優季選手にテニスボール(よりちょっと大きめ)を持たせてキックをする練習をさせている動画を見て、同じだと思った。

練習後、近所の女の子たち(おそらく12歳前後)が生徒たちにサインを求めて来た。カルリーニョスコーチは「ブラジルは教育のレベルが低く、仕事がないから、あのくらいの年齢の女の子が売春をするから気をつけるように生徒たちに伝えろ」と言ってきたので、私は「その心配はしなくて大丈夫」と答えた。ちなみに私にも彼女たちはサインを求めてきた。生徒らに「先生、なんて書いたんですか?」と聞かれ、「木村拓哉」と答えた。

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