トレーニング用語④ 

第4回は外旋(がいせん)
外旋(がいせん)とは、外側(そとがわ)に回(まわ)ること、反対(はんたい)に内側(うちがわ)に回(まわ)ることを内旋(ないせん)といいます。
お相撲(すもう)さんが突っ張り(つっぱり)の稽古(けいこ)をするときは壁(かべ)ではなく、柱(はしら)に向(む)かって行(おこな)います。これを鉄砲(てっぽう)といいます。平(たいら)な壁(かべ)ではなく、柱(はしら)に向(む)けて行(おこな)うことにより、自然(しぜん)と親指(おやゆび)が上に向き、上腕(じょうわん。力こぶができるところ)が外旋(がいせん)します。外旋(がいせん)は強(つよ)さを生みます。
同じように、サッカーにおいて球際(たまぎわ)で相手選手(あいてせんしゅ)に手を合(あ)わせる際(さい)に親指(おやゆび)を下に向けて相手のカラダに手のひらを当てるよりも、親指(おやゆび)を上に向けて相手に手の甲(こう)を当てる方(ほう)が強(つよ)くなります。上腕(じょうわん)が外旋(がいせん)するからです。上腕(じょうわん)を外旋(がいせん)すると、胸(むね)が開(ひら)きます。いい選手(せんしゅ)は、みんな姿勢(しせい)がいいですよね。
また、お相撲(すもう)さんが前に出る際(さい)には、必(かなら)ず足先(あしさき)と膝(ひざ)が外を向いています、つまり、股関節(こかんせつ)が外旋(がいせん)しています(神の手作業療法士さんは「相撲のように歴史のあるスポーツのカラダの使い方は経験から学んだものだけど、科学的・運動力学的に理にかなっている」と話していた)。
世界的(せかいてき)に有名(ゆうめい)な陸上(りくじょう)短距離(たんきょり)や長距離(ちょうきょり)の選手(せんしゅ)の走っているときの写真(しゃしん)を見ると、地面(じめん)に接(せっ)している足の先(さき)と膝(ひざ)は、やや外(そと)を向(む)いています。股関節(こかんせつ)外旋(がいせん)です。
また、ジダンがボールを切返(きりかえ)すときの写真(しゃしん)を見ると、軸足(じくあし)が外旋(がいせん)しているのがよくわかります。
このように外旋(がいせん)は内旋(ないせん)よりも大きな力を出しますが、もう一つ大きな役割(やくわり)があります。人間(にんげん)の身体(からだ)は外旋(がいせん)方向(ほうこう)に重心(じゅうしん)が移動(いどう)しやすくできています。イチロー選手が盗塁(とうるい)する際(さい)に、右股関節(みぎこかんせつ)が外旋(がいせん)していたとのことです。
堀之内塾長がレッズの選手時代に柱谷(はしらたに)コーチに「反転(はんてん)するときに、肩(かた)を最初(さいしょ)に動かさずに、腰(こし)を動かせ」とアドバイスされたそうです。「腰を動かす」と自然(しぜん)と回(まわ)ろうとする方の股関節(こかんせつ)が外旋(がいせん)します。的確(てきかく)なアドバイスですよね。
では、また。

いいなと思ったら応援しよう!