2024年6月25日(火) ゴッドハンドOTリハビリ⑥
ふくT:T
妻: P
ゴッドハンドOTさん: G
T:油断して転ばせてしまいました。
G:色々失敗して覚えていくものですから。
G:前回話したカタカタというのはクローヌスと言います。
T:クローヌスは脳の影響でおきるのですか?
G:そう。
T:緊張したりして手が小刻みに震えるのもクローヌスの一種ですか?
G:そうですね。筋肉にグッと力が入って収縮してしまう。
G:緊張の高い筋肉を見つけて緩めている。
G:肩胛骨は浮遊していて、鎖骨と肩鎖関節で繋がっているんですけど、横方向に繋がっているので、肩胛骨を垂直方向には支えてないんですよね。肩胛骨はぶら下がっていて重さがかかっているんです。肩胛骨の1番上から首に繋がっている筋肉。頸椎から肩胛骨をぶら下げている筋肉。ここに緊張がある。
T:肩胛骨がぐにゃぐにゃに動く子と動かない子の差は何が違うのですか?
G:肩胛骨の自由度があって上肢が動くのですけど、肩胛骨は筋肉で色んな方向に引っ張られている。もしくは、一部の筋肉がグッと引っ張っている。肩胛骨の周りの筋肉を柔軟に動かせるといい。
T:それはトレーニングでなんとかなるものなのですか?
G:トレーニングで動かせる。
G:肩胛骨は回旋する。回旋が出にくい方にセットしてしまっている。こうなると手が上がりにくい状態。
G:ここをほぐすと引っ張られている肩胛骨が下に来る。
G:菱形筋の動きが硬いんです。ここをほぐすと。
P:痛気持ちいい。
G:思ったより菱形筋の緊張が高かった。
G:筋肉って、引っ張るとゴムみたいに伸びる。引っ張ると緊張して、緩めると緩む。ゴムがくっついているパーツ自体を近づければゴムは緩む。菱形筋を緩めて触ってやる。さっきより緩んでいるから痛くない。
T:触るのは緩んでいる時に触るのが基本なのですか?
G:張っている時に触ると痛いんです。緩めたいんです。緊張を落としたいので。ピンと張っているゴムを動かしても意味がなくて、ゴムの中の繊維に動きを入れたいんです。ピンと張ってしまっていると繊維が張ってしまって動きを出しにくいんです。筋肉は何層も束になっている立体的な構造なので、緩めて周りの筋繊維から少しずつ動かしてやる。ゴムが柔らかくなるとゴムが緩むんで、パーツ(筋肉が付いている骨?)を動かしながら、ゴムの長さを長くしたり縮めたりする。そうするとゴムの長さとか、ゴムとゴムが繋がっている骨の動き(肋骨の上を肩胛骨が動いていく)が脳に入って行く。肩胛骨が動いている、筋肉がちゃんと伸び縮みしている情報が脳に入ると緩めていく。
G:今、どういう風に脳が反応しているのか見ながら(ここは意味がわからない)やる。そうするとさっきより肩胛骨が上下に動いてくる。
G:打ったりして痛い思いをすると筋肉は縮むんです(転倒させてしまって痛い思いをさせたから縮んでしまった!)。固定しようとするので。
T:それは打った直後でなくても固定しようとするんですか?
G:そうですね。過剰な刺激が入らないように、多少入るのは仕方がないんですが。
T:先生に教わった足首を持って回したり揺らした後に腿裏のストレッチをしたら柔らかくなりました。
G:繋がっていますからね。
T:(G先生が妻の手の指を持って曲げ伸ばしや回しているのを見て)その指を回しているのも同じ理屈なのですか?
G:そうですね。感覚を入れて。関節自体が硬くなっている。可動域制限が出ているから曲がらない。筋肉がというよりも関節がここで止まってしまう。
T:脳が命令を出せなくなっているということなのですか?
G:これはメカです。
T:メカとは?
G:錆びついてしまっている。関節を動かしていないと錆びつくんです。
T:自分で動かせないからだんだんと錆びついてしまうのですね。
G:そう。
T:じゃあ、時間がある時に錆びついた指を動かしてあげた方がいいんですか?
G:動く範囲でやるくらいでいい。錆びついて動かないのに無理矢理やるとボキっと折れる。錆びついたところのサビを少しずつ取っていく。そうすると動くようになる。
G:本来は関節液というオイルがあるから自分で動かしていれば動く。オイルが今は潤滑してない。
G:ちょっと指を動かしてみて。いま指の反射が出たんです。指を動かす筋肉の情報が脳に入った。指を曲げる筋肉に電気が入った。
G:曲げるイメージして!
※妻、曲げようと力を入れている表情。
G:関節が固まってきてしまうと、なかなか動かないが、ちょっとでも自分で動かせることができるといい。
G:時々腹筋に力を入れてますよね。
G:上肢を動かすには大胸筋と三角筋が必要なのですが。
T:大胸筋の方が三角筋より動かし易いのですか?
G:大胸筋はイメージとしては体幹筋なんです。
T:体幹筋?
G:背筋とか腹筋とか。
G:腹筋は、背骨の方の神経が来ている。
T:それは腹直筋とかインナーマッスルとか両方ですか?
G:そう。上肢を動かす筋肉は脳からダイレクトに上肢を動かす専用の神経。体幹の筋肉は、脳からの神経が交差するんですよね。でも、一部の神経は交差せず真っ直ぐ降りている。左の脳の神経が右に8割、でも、左にも2割ほど来ている。だから右脳がやられていても左の腹筋に力が入る。でも、上肢への神経は、左の脳の神経が10割右へ行くので右脳がやられている場合、左手は動かない。体幹は両側性なんです。
T:両側性?
G:手はいい方と悪い方がはっきりしている。でも、腹筋は両方ちゃんと動く。
T:要するに片方の脳が機能していなくても腹筋は両方動くのですね。
G:腹筋は20%が同側性に入って行くから。今回、右脳が壊れているけど、左脳からの20%が左腹筋に下りている。
T:その20%の腹筋と大胸筋は近いから大胸筋を使った手の動きはやり易いのですか?
G:そう。
T:でも三角筋はちょっと離れてあるからダメなんですね。
G:三角筋は上肢の方の専門の神経が使われる。
G:大胸筋は胸骨の方に付いている。
G:三角筋に電気が行かなければ動かない手の動きが少し出てきている。
T:それは右脳から命令が行っているということ?
G:行っている。予備の回路が繋がっている。やられてない生きている回路が復旧している。
T:一部の電源の電力量がアップすれば動くのですか?
G:そう。
※ここで少しだが、左手指を自力で曲げてみせる、
T:発電所自体が大きくなるというよりも、発電所の数が増えるのですか?
G:そう。動かせる予備を動かすようにしている。
T:これって筋肉よりも脳が疲れるの?
P:分かんない。
G:眠くなるでしょ。
T:眠くなる?
G:眠くなる。脳を使うと眠くなる。難しい話を聞いていると眠くなるのと一緒。脳が一所懸命働いている。仕事してるんですよ。脳で工事が進んで眠くなる。糖を使っているので。
T:ということはリハビリ直後に糖を摂取した方がいいのですか?
G:そうですね。ただ、糖は肝臓にいっぱいあるので。急に取り入れる必要はない。血糖値が下がると肝臓の倉庫からすぐに出してくれる。24時間分くらい常時ある。肝臓の糖備蓄を減らさないように食事を摂る。
T:マラソン大会で20キロ地点でパタっと足が動かなくなった経験があるのですが、あれが肝臓の糖が枯渇したということですよね。
G:肝臓の糖の備蓄がなくなったということですよね。スプリンターなんかは肝臓の糖というより血中の糖だけで走る。マラソンなんかの長期戦の場合、糖新生(体内にグリコーゲンが不足した状況で長く走り続けていたり、トレーニング後に何も補給しなかったりすると、体はその代わりとして筋肉のアミノ酸を分解し、エネルギー源のグルコースを生産して補おうとする。これを「糖新生」という)を使って、色んな場所から糖を持って来る。脂肪から糖を作ったりする。