Jリーグ審判
バルセロナで活躍している教え子の同期は人材の宝庫で、現在、日本サッカー協会審判部で働いている男がいる。彼は理系で、成績優秀だった。当時、浦和カップの結果や順位表は数学の先生であるサッカー部の顧問がExcelではなく、Lotus123というソフトを使って作っていた。彼が異動し、私がその仕事を引き継いだのだが、英語教師の私はパソコンが苦手で途方にくれていた。そんな私がマニュアルを読みながら必死に彼に指示を出し、仕事を手伝ってもらっていたのだが、私が毎回マニュアルを確認しながらでないとできない仕事を、彼はいとも簡単にこなしていた。
私は彼に「君は優秀だから、筑波大学に進学し、大学院で勉強しながら日本サッカー協会の仕事を手伝って、将来は協会で働くのはどう?」と話しかけたら、素直な彼は「はい」と答えた。そして、その通り、筑波大学に現役で合格し(センター試験で84%)、蹴球部で過ごし、その後、JFAに就職し、審判部で働く傍ら、Jリーグの主審も経験した。
J1の試合で彼が審判、そして、選手として、その横に同じく教え子である浦和レッズ堀之内聖が並んでいる姿を見た時は涙が出た。