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堀之内聖と私⑩

1年生でのリーグ開幕戦vs早稲田大学は、なんと3-1で勝利した。その後も勝ち続け、破竹の4連勝を果たしたところで「先生、僕は優勝するつもりでいるのに、周りにいる先輩たちは『これで下との入替戦はないだろう』と喜んでいるんです」と電話があった。堀之内聖以外、この時にリーグ優勝するとは誰も考えていなかったようだ。

私は、当時、学芸大サッカー部の公式戦をほぼ全試合、西が丘サッカー場(現在の味の素フィールド西が丘)に観戦に行っていた。毎試合、手すりの付いた最後方の立ち見席にいらっしゃっていた落合さん(当時はレッズのスカウト、現在はハートフルクラブのキャプテン。堀之内とは浦和市立高校の先輩後輩の関係)に挨拶し「浦和レッズでホリを取ってくれるのかな?」と微かな期待を抱いていた。時には茨城県の古河で試合が開催されることもあったが、そんな時でも落合さんはお見えだった。私もまるで堀之内聖の追っかけのように、時間が許される限り観戦に行き、そして気づいたことをアドバイスしていた。

堀之内聖が加わった東京学芸大サッカー部は、彼の1年目にして見事2部リーグで優勝し、1部リーグ最下位の日本体育大学との入替戦に臨んだ。その試合で相手のキープレーヤーの坂本(浦和東高校が全国大会に初出場したときのエースで、後にジェフでJリーガーとして大活躍)を堀之内が完封し1-0で勝利し、学芸大は見事1部リーグ昇格を決めた。堀之内はベストイレブンに選ばれ、関東大学選抜入りも果たした。次年度は、いよいよ筑波大学と同じリーグで戦うことになった。

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