2024年11月16日(土) ゴッドハンドOTリハビリ17
ふくT:T
妻: P
ゴッドハンドOTさん: G
P:骨がくっつき始めていると先生に言われた。転んだ時よりもさらにヒビが広がってはいない。とはいえ、ピッタリくっついているわけでもない。
G:一昨日から足も見始めています。体重をかけられるようになってきたので。足首の背屈がなかなかできないけど、一昨日よりはマシになったね。これならタオル1枚挟めば着くかもしれないね。
G:少し寝てると、足首の背屈ができなくなっちゃいますよね。
T:立つことが大事なんですか?
G:そう。立つことが大事。寝ていると自然と底屈になっちゃうから。立つことで体重が乗ると、脚の裏側が伸びて。そうすると体幹も伸びる。
G:腓腹筋の内側が短い。
T:腓腹筋の内側を触られると痛いの?
P:うん
G:すごく痛いと言うわけではないんだけれども、確実に何かに当たっている感じがすると思う。
P:骨が痛いのではなく、脚全体がぴっと痛い。
T:腓腹筋自体が痛いのではなくて、脚全体が痛いの?
P:響いて全体が痛い気がする。
G:筋膜でつながっているので、全体が痛くなる。「ここが緊張が高いぞ」と感覚情報を脳に入れている。
T:腓腹筋が硬いと情報を脳に入れると、そこと繋がっている筋膜も硬いという情報が入るのですか?
G:筋膜の下に腓腹筋があるので、腓腹筋を動かせば筋膜も引っ張られて動く。ソーセージの皮と中身みたいなイメージ。皮を通して中を押す感じ。
T:筋膜はカラダ全体を覆っているのですか?
G:全体ではないです。筋膜も連結があるんです。
G:足首の背屈が出ないと。腓腹筋が短いと膝が曲がってしまう。膝が曲がって、つま先立ちになる。踵を着けたとしても膝が曲がる。膝が伸びて踵が着くように。
T:膝が伸びて踵が着くのが理想ということですが、9月頃と比べてどうなんですか?
G:9月は、歩いているときはほぼ着いていました(数ヶ月前に戻ってしまった?)。でも、このくらいの時間(寝ている時間)だったら戻せる。1年も2年もだと厳しいけど。そもそも体重をかけないことには始まらない。
P:19日には体重の1/2かけられると先生に言われた。今は16キロまで体重をかけていいんだけど、なかなか16キロまで体重を乗せられない。
T:何で16キロまで乗せられないの?
P:カラダを傾ければできるけど、足だけで荷重をかけるのは怖さもある。
T:身体操作的よりも恐怖が大きいんだ。
P:どうしてもカラダが斜めになっちゃう。
G:左脚の脚長が右脚より短いから、かけようがない。
T:右脚の方が膝が伸びて脚の長さが長いから、左脚の方に体重をかけるのが難しいと。
G:左脚の膝が伸展して足関節に背屈が入って、左足に乗せられると脳が思えば乗る。乗せられないと脳が判断している可能性が高い。
T:乗せられないと脳が判断している。無意識に?膝が伸びて足首が背屈して左足に乗せられると脳が無意識に判断すると乗せられる?
G:そう。大丈夫となれば左足に乗って右足が出る。歩いてたんだから左に全体重を乗せられていたわけでしょ。
P:そうですね。
G:たとえ手の方で力を借りていたとはいえ。「乗せられる」と思えば乗せられる。力の問題というよりは脳の問題。乗せられる環境を足に作れるかどうか。
T:山の急斜面の下り坂を怖いと思ったらできないけど、「行ける」と思えれば行けちゃうんですね。
G:スキーでもこの斜面行けると思えば行ける。「ちょっとやばいかも?」となったらできない。
T:確かに。そう思った瞬間に転びますよね。いかに「これは行けない」という感覚を潰して行くかが大事なんですね。
G:そこはもう経験なんですけど、ある瞬間に「行ける」と思うことがある。
T:そうなんですよね。突然できる瞬間が訪れるんですよね。
T:塩ビ管の上に板を乗せて、その上に乗らせると、すぐにできる子がいるんですが、そういう子は恐れずにやれてしまう子なのでしょうか?
G:すぐできる子って小脳の学習が早いんですよね。バランス反応。
T:小脳の学習を早くするためには、小さい頃にいろんなスポーツや遊びをやったほうが良いのですか?
G:それは間違いない。いろんな身体活動。あと、全身活動、でんぐり返しとか、前転、後転、側転とか(元日本代表の福西さんは体操をやっていたとか)。
T:ベルマーレの10番は小さい頃にお父さんがいろんなことをさせたそうですが、それが彼の運動神経の良さに繋がっているのですね。小脳の学習が早いことを運動神経がいいと言うのですね。
G:バランス能力が高い。
G:長母趾屈筋(ふくらはぎの深層筋膜の下、腓骨の後面にある強力な筋肉。足底に繋がりスプリング靭帯の表層を通り、長趾屈筋の腱の深部へと進む)というバネが、体重をかけていないと縮んだままになる。
T:そこをほぐすと伸びてくるのですか?
G:スキーの板がたわんでいるのが接地するのと一緒。スキー板を押して、押した反動で返ってくる。それを推進力にして行く。歩くのも同じ。
T:以前、オランダのサッカーコーチの講演を聞いたことがあるんですが、旧ユーゴのサッカー選手は、スキーで足裏感覚を磨くと言っていました。その時は何を言っているのかわかんなかったんですが、今おっしゃったようなことなんですね。東欧のブラジルと言って、旧ユーゴの選手はみんな上手だった。
G:スキーやります?
T:私は学生時代、トントンスキーと言われまして、紙相撲のような格好で滑っていると馬鹿にされていました。今やればできると思うのですが、当時は筋力でなんとかしようとしていたんです。今だったら理屈も分かり、そういったカラダの使い方ができると思うので。
G:スキーは深いんです。
T:サッカーで無駄な力を入れずにやっていた奴はスキーの上達も早かったけど、サッカーが不恰好な私はスキーも不恰好でした。何が違うのかと当時思っていた。
G:そういうのを無意識に感じるんですよね。
P:膝の後ろも痛いのはなんで?
G:ここも短い。膝窩筋(しっかきん)だね。膝の屈曲に作用する。伸展すると張る。短い筋肉だけどやっておかないと。
G:PTは荷重かけて立たせて終わりというのが多い。でも、そのベース作りをやっておかないとね。PT(妻が一番信頼しているPTさん)とは具体的に相談しているわけではなく、阿吽の呼吸なんです。PTが一番パフォーマンスが出せる準備を私がしている。PTが立たせる。自分は裏方みたいにやっている。
T:ふつう作業療法士さんてそういう感じなんですか?
G:全然しない。逆ですよね。車椅子に乗せて何か活動するということをふつうはやる。自分は何でも屋だから。PTがやってないようなマニアックなPTもやる。
T:それはPTの勉強をされたのですか?それとも自然に身についたもの?
G:自然に。何年もやっているから。手より足の方が簡単。手の方が難しい。手を動かせれば足も動かせる。うちのPTはこういうのをやらないから、私がやらないと(おかげでかなり機能が回復してきた)。
T:いろんなPTさん見てきましたけど、それぞれやり方が違いますよね。
G:いろんな考え方があるから。私は好き勝手にやっているから。「なんで生活の方やらないの」と文句言われるかもしれないけど(実際、文句言われるようになってしまったらしい。私としてはマニアック施術をやってほしいのだが)。私は半分くらいしか入れないから、そういうのは他のOTに任せて。
T:最初の頃のOTさんは、ご飯食べさせてくれたりした人というイメージ。
P:茶碗が滑らないようにしたり、いかに上手にご飯食べられるようにするとか。看護師さんに「うどん食べながら遊んでいる」と言われたけど、遊んでいるんじゃなくて、上手くフォークが使えなかった。だからOTさんがフォークが滑らないように滑り止めをつけてくれた。
G:うちのナースはしっかりしているから、その辺までやってくれる。
G:私はその時その時で一番必要なことをやる。
T:どこが痛いの?
G:内側のハムストリング。筋肉自体が硬い。緊張が高い。
T:G先生にやっていただく前はつま先が外を向いてたんですもんね。そう考えると凄い。
G:あまりにも足が、、「これで立つの!」と思った。だから足をやった。
P:旦那にマッサージしてもらった時「つま先こっち向かないの。やりづらい、この足」と言ってたよね。
T:うん、そうだね。
P:「わざとじゃないんだけどね」と言ってた。
G:だいぶ真っ直ぐになったよね。過緊張を調整して、タイヤが地面に対して真っ直ぐ接地しないと。グリップもしないし、ハンドルがあっち向いてたら真っ直ぐ進まないしね。車でいう整備みたい。
T:整備なしに走行実験だけやっても上手く行かないですもんね。
G:パフォーマンス出ないですよね。
G:長母趾屈筋のトーンが高いから反射が出る。
G:ショパール関節が動いた。この関節が動かなかった。ショパール関節とリスフラン関節と2個ある。立方骨と楔状骨(けつじょうこつ)の関節。このジョイントが動かないと。ここが緩むと背屈が出る。
T:なるほど、ありがとうございました。
P:ありがとうございました。またよろしくお願いします。