2024年7月6日(土) ゴッドハンドOTリハビリ⑧

ふくT:T
妻: P
ゴッドハンドOTさん: G
G:どうですか?生活して何かあります?
T:今朝5:30に起こされトイレに行って、右足だけで1、2で向きを変えて便座に座るんですが、リハビリパンツの中にうんちが出ちゃいました。1、2で向きを変えるのは慣れました。
G:1、2の時は手すり持っています?
T:持ってなければ無理です。
G:排便の溜める、出すは神経なんですね。肛門括約筋は二重構造になっていて、内肛門括約筋は自律神経、外肛門括約筋は手足を動かす神経と同じ。自分で止めることもできるし、自律神経の方で止めることもできる(ここはよく分からない?)。どっちかが動かないと出てこない人もいるし、腹圧が必要なんです。腹圧がないと排便できないんです。寝ている状態だと本当は排便できない。1番腹圧をかけている時に出やすい腸と肛門の角度は、和式便座の角度。あれが1番。
T:和式の方が便が出やすいんですね。
G:お腹痛くていきむ時は、洋式でも体を前のめりにするでしょ?
T:台に足乗せると便が出やすいと言われましたが、より和式の角度に近づけるからなんですね。
G:そう。しっかり足がついて前屈みになって、股関節の屈曲が十分に作れれば排便しやすい。
G:そもそも、トイレに行かないと排便できないような構造になっている。
T:寝ていると腹圧がかかりづらいというのと、内括約筋、外括約筋に力がはいらないから?
G:括約筋は寝てても座ってても、そんなに変わらない。肛門直腸角が座位の方がいい。
T:肛門と直腸の角度?
G:あとは、股関節の屈曲位が大事。腹圧のかかり方が真っ直ぐよりも、股関節屈曲位の方がかかる(これはとても貴重な話)。
T:股関節が真っ直ぐよりも屈曲位の方が腹圧はかかるんですか?
G:そう。
T:ということは、股関節伸展位よりも屈曲位にしてぶつかった方が、腹圧がかかっているから強いんですね(我が意を得たり)。※ショルダータックルするときに、相手より遠い方の足の拇指球で地面を蹴っている時にコンタクトする(股関節は伸展し腹圧がかからない。でも「行けー!負けるな!」と指導者が叫ぶと、だいたいこの姿勢でタックルする)。
G:バレーボールのサーブをレシーブする時、股関節屈曲でしょ。テニスでレシーブ受ける直前も股関節曲げるでしょ。
G:筋肉って、反っちゃうと伸びるでしょ。伸びた状態から縮むのはきついんですね。ある程度曲がった状態でないと。もちろん、曲がり過ぎちゃったらダメですけど。あんまり曲げても、伸ばし過ぎてもダメ。1番腹圧がかかりやすいのは、間違いなく、股関節が少し曲がった状態。腹斜筋もある程度屈曲位でないと。
T:走る時も、足が接地する時に股関節が伸びているよりも屈曲位の方が腹圧がかかるんですね?
G:あんまり股関節伸ばして走る人いないですよね(アニメの走り方は伸ばしているように見える)。
T:確かに。でも腿上げをしている時に接地している脚の股関節は伸びているような。そういう人結構多い気がする。
G:そうですね。
T:実際は、それでは腹圧はかからないということなんですね。
G:100m走のスタートの選手なんかは股関節屈曲してますよね。「ヨーイ」と言われて体伸び切る人いないでしょ?
T:確かに。
G:筋肉の構造としてそうなっている。
G:あと、人間って「怖い」と思ったらかがみますよね。危険を察知した時に伸びる人はいない。
T:確かに「危なーい」と声が聞こえたら屈めますね。
G:あれは、パッと前屈みになった時に腹圧が上がるからなんですよ。子どもでもそうする。
T:確かに。
G:2歳の子どものトイレトレーニングでカーテンの陰でオムツの中に便をする時、和式座りしてます。
G:男性が立って尿をするのは、前立腺の関係で座ってするよりやり易いんです。構造的なものです。
T:面白い。
T:タックルする時に、だいたい相手から遠い足の股関節を伸ばして当たるけど、股関節を曲げながら当たった方が強いということですよね?
伸ばして当たる方が踏ん張っているように見えて強いと思われがちですが、強くないということですよね?みんなそうするけど。
G:そうですね。究極のタックルは、自分は相撲だと思う。相撲の立ち合いの時の姿勢。逆に体を起こしたら負けますよね。
T:確かに、立ち合いで伸び切る力士はいないですよね?伸び切ると押し切られてしまいますもんね。
G:低い姿勢から立って、相手をいかに起こすかですよね。起こされたら負けです。そういう当たり方。小さい力士でも、潜り込んで相手を起こせば勝てる。そういう力の使い方。
T:がぶり寄りは、屈曲、屈曲ですもんね(私は相撲が強かった。自分より20キロ体重がある巨漢と高校生時に相撲をして、組んだ瞬間「こいつ、相撲を知らないな」と思った)。
G:お相撲さんが押して行くときは摺り足で股関節曲げたままですよね。決して跳ねてないですよね。
T:確かに。屈曲状態のまま前に進みますよね。
G:スポーツを観ていると、体の使い方がわかる。トイレで出ちゃうのも。
T:右足て軽くジャンプして踏みかえた時にカカト踏んで腹圧が上がって出ちゃったんですか?
G:腹圧がかかった瞬間に出てしまう。立ち上がる瞬間も腹圧がかかる。立ち上がる時は股関節の屈曲位を取るんですね。股関節屈曲位を取って、立ち上がるんですけど。屈曲位で立ち上がる時に条件が揃っちゃうんです。
T:手すり持って立ち上がる瞬間に腹圧がかかるんですね。
G:股関節屈曲しないで立つことはできないんです。立ち上がる時って、ヘッドが前に出ないと立てない。立つ瞬間におでこに指1本当てたら立てない。必ず頭が足より前に出ないと立てない。
T:伸展して立とうとしてもできない。
G:手すりを持って伸展して立つことはできる。手で引っ張る力で立つ。そうでもしないと股関節伸展では立てない。
G:であれば、トイレで失敗しない方法は自ずと出てくる。なるべく腹圧をかけないで立ち上がられせる。介助量を多めにする。
T:なるほど。本人に任せないで立ち上がる時に力を貸してあげるんですね。
G:そんなに腹圧をかけないように、こちらで引き上げるようにしてあげる。こちらの力で立ち上がらせる。そういう風にやってみると上手く行くかもしれない。
G:色々な問題点が出てくると思うので、それに対してどういう風に解決したらいいか考えるのも我々の仕事のうち。やり方によって上手く行く方法がある。今回の車椅子の変更もその一つ。帰らないと分からないことがいっぱいある。そこを外来リハビリでサポートする。外来の本来の目的。
G:ここ痛いよね。
P:痛い。
T:なんで痛いの?
G:緊張が高い。短いんです。
T:ここは腓腹筋ですか?
G:腓腹筋の内側です。足首を背屈した時にここが伸びないから背屈がまだ出ない。曲げるとクローヌス(貧乏ゆすりのようにピクピクする)が出ちゃう。緊張が高まって伸張反射が出る。反射が出るくらい敏感になっている。
T:足首が背屈しないのは腓腹筋の外側より内側のせいですか?
G:ケースバイケースです。今は内側です。なので、内側を触るとクローヌスが出る。
P:クローヌスは左脚しか出ない。
T:右脚にはならないってこと?
G:クローヌスが出る原因はここ。右足に体重を乗せるのを阻害する。できれば両足で立ってほしい。その方が体重も分散するし。バランスもいいし。でも、こういうの(クローヌス)があると、どうしても右足だけに頼らざるを得ない。
G:装具の話聞いてます?
T:装具つけて歩く練習をしました。
G:装具はあった方がいい。装具をはめる段階でカカトがつき易いように矯正しちゃうんです。矯正してカカトがつく。立ち上がる時、自動的にカカトがつくので、体重をかけ易い。伸ばす力がかかると伸びる。そういう意味で、Pさんは装具をつけた方がいい。
T:それは施設に行く時もつけっぱなしにした方がいいんですか?
G:そうですね。移乗の時もつけていた方がいい。
T:寝る時以外はずっとつける感じですか?
G:そう。寝る時以外は。完全オーダーメードで。PTの方でやりますから。医師がオーダーを出して、医療保険の方で作る。そういうプロセス。PTが進めてくれる。
G:長母趾屈筋、ここも緊張している。
T:これって足底筋ですか?
G:足底筋の一部です。長母趾屈筋。筋膜を通して腓腹筋の方と繋がっている(踵を越えていく長い筋肉)。だから、こっちが張ってくると、向こうも張ってくる。で、趾(ユビ)が曲がっちゃう。長母趾屈筋を緩めると腓腹筋も緩む。その逆も。
G:長母趾屈筋と腓腹筋の内側が連動してるんですね?片方緩めると両方緩むんですね。
G:そう。長母趾屈筋の短さが目立つ。
T:長母趾屈筋が緊張すると足関節底屈になりがちなんですか?
G:そう。
P:そこが凄く痛い。  
T:長母趾屈筋と足底筋はイコールですか?
G:足底筋の中の一つが長母趾屈筋。足趾の筋肉。虫様筋(足内在筋といって足の中で終わるやつ(いまいちよくわからない。長母趾屈筋は足内在筋ではないということか。腓腹筋の方まで繋がっているから?)というのもある。
G:この辺も緊張が高い。
T:緊張が高い筋肉を触るとクローヌスが出やすいのですか?
G:そう。緊張が高いというのは、エンジンでいうとアイドリングが高い。アイドリングが高いとちょっとアクセル踏み込んだだけで、グワンと出るでしょ?そんな感じ。
G:ここが緊張高い。
T:そこは何?
G:2趾と3趾の間の虫様筋。
P:そこ触られると足がヒクヒクする。
G:ここは緊張が高いので、アイドリングが高い状態なので、脳に間違ったデータが入っているので「これ、おかしいよ」と脳に送っている。
T:それは寝る前に素人がやってもいいものですか?
G:そうですね。上手く虫様筋のピンポイントで触れれば。
T:ピンポイントで触れないと副作用ありますか?
G:副作用はないです。
T:G先生の施術は頭が疲れるから甘いものが食べたくなるそうです。
G:そうそう。脳血管のね。頭の中の治療をしていますから。遠隔で。
T:なるほど。頭の中を遠隔で治療してるんだ。面白い。
G:脳血管リハですからね。
G:あの、痛くて反応しているわけではないですよね?
P:勝手に反応しちゃう。
G:痛くて逃げているわけではない。
P:多少は痛いよ。
G:固まっているエンジンをポンポンと突っついている(ここもよく分からない)。
P:エビの踊り食いみたい。
G:突っつかなければ大人しくしているけど、突っついた瞬間にピョンとなるでしょう。無意識に反応しているから自分で止められない。カッケと同じ。反射なんです。
P:痺れている感じ。
G:働いているようで上手く働いてないコントロールしてない筋肉。上から(脳から?)反射が返ってくるから疲れる(いまいちわからない)。


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