2024年6月22日(土) ゴッドハンドOTリハビリ⑤
ふくT:T
妻: P
ゴッドハンドOTさん: G
P:左足が震えてしまうことが多い。
G:それはクローヌスです
※足首や膝の関節がほんの少しの刺激でピクピクとリズミカルに何度も動いてしまう現象のこと。腱や筋肉が引き伸ばされる伸長刺激により、運動の抑制が効かなくなり、中枢(この場合脳)からの刺激に対し過度の反応をしてしまう。クローヌスは痙縮(けいしゅく※ 痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまう状態のこと。痙縮では、手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい、肘が曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状がみられる)が原因で起こる。
G:反射なんです。筋肉は伸ばされると縮もうとするんです。縮むと緩むんです。緩んだら重力で落ちるんです。重力で伸ばされたらまた縮むんです。
P:これを止める方法はないんですか?
G:上からぐっと押さえつける。押さえつけて10秒くらい待つと止まります。重力で落ちてっちゃうのを止めると流れが止まり反射も止まる。
P:それが最近頻繁に起こるんです。
G:痙性が高まっているんですね。
※ 体の痙性が高まると手がこわばって動きにくい、足が突っ張ってしまう、こわばって痛くなる、階段が降りにくい、体幹が反り返ってしまうなど様々な症状が起こる。痙性麻痺・痙縮は脳卒中(脳梗塞や脳出血)や脊髄損傷の後にみられることが多いが、様々な脳や脊髄の疾患でみられる。足の運動麻痺があるときに、筋肉の緊張度が高いおかげで(ふにゃふにゃ曲がってしまうことが無いので)不自由ではあるものの足が突っ張って体重を支えられるから少し移動できるという様に痙性が高い状態は神経障害がある方の日常生活上では有益な場合もある。しかし、体がこわばったり突っ張ったりして寝られない、衣服が着替えにくい、車いすに座っていられない(足が突っ張ったり、背中が反って滑り落ちそうになったり)、こわばった部位に痛みがあるなどの場合には何らかの治療を試みても良い。痙性が必要以上に高いことにより長いことこわばったり突っ張ったりして姿勢や角度が固まったままの関節は、たとえ痙縮が治療によって改善しても筋肉や腱が短くなってしまっているため、結局動かしにくいままの状態になってしまう。そうなる前に早めに何かしらの介入をしたほうが良いと考えられる。
G:痙性が高まっているということは、立ち上がったりして筋肉が頑張っている。
G:筋肉の緊張、車でいうとアイドリングなんです。アイドリングがうーんと高まっちゃっている。それが痙性が高まる。
G:立ち上がりは問題ない。
G:だいぶ背屈ができない。固くなっている。
T:私が家で足関節背屈をやった方がいいですか?それとも、素人が余計なことやらない方がいいですか?
G:やった方がいいです。こうやって足首を揺らしてやるだけでもいい。
G:腓腹筋の外側よりも内側。
T:腓腹筋には内側と外側があるんですか?
G:そうです。膝が伸びると腓腹筋の長さが足りなくなって足関節が底屈してしまう。膝が曲がっていれば背屈できる。こうやって触るとわかる。
T:足関節を背屈させるよりも腓腹筋の内側を揉む方が効果があるんですか?
G:そうですね。ここが張っているゴムだというのがわかったら、緩めてやる。
T:ちょっと底屈させてから揉んでやる。
G:くるぶしを持って踵骨を回す。
T:両くるぶしを持って回す感じですか。右回し、左回しのどちらでもいいのですか?
G:どっちでもいいです。同じように動かしていると、それが脳に刺激が行き、動かそうとしてくる。
T:何もやらないで1日過ごすのと、私が足首回してやるのでは違うのですか?
G:全然違う。トータル10分くらいでいい。
※家に帰ってから見よう見まねで足首をほぐしてみたら妻が居眠りを始めた。G先生に施術してもらっている時も寝ていた。
G:ここを持ってほぐすのもいい。
T:中足骨をほぐすんですか?
G:そう、そう。中足骨を知ってるんだ。
T:舟状骨あたりを持つんですか?
G:立方骨(りっぽうこつ)や楔状骨(けつじょうこつ)あたりを持って中足骨を回す。
※ 楔状骨:足のかかと付近にある足根骨を構成する骨の一つ。第一、第二、第三の三個からなり、後方は舟状骨に、前方は中足骨につらなる。
※足根骨: 足首・かかとを形づくる骨の総称。距骨・踵骨と舟状骨・楔状骨3個・立方骨の7個からなる。
※立方骨: 足の甲の真ん中の部分からやや外側に存在する骨。前部では小指と薬指の根元の中足骨を、後部ではかかとの骨(踵骨)と連結することにより、足の関節を形づくっている。また、立方骨は、足のアーチラインの要となる重要な骨。体重が乗ったときや歩いたときに、他の骨とともに衝撃を吸収している。もし、立方骨にゆがみが生じたら、足全体の構造が崩れてしまい、扁平足になってしまう。
G:ここを動かしてやると、足底筋も緩んでくる。
T:うちの生徒で足底筋がずっと痛いという女子がいるんですが。
G:中足骨を回してやると足底筋も緩んでくる。足首を底屈してばかりいると縮んで固まる。
T:つま先立ちで走っているのを見て、走りがマイナスになると思っている。
G:ちゃんと動かす方が先でないと。
T:昨日もつま先荷重で走っている子に「きみ、こうやってカカトつけて走れない?」と言ったのですが。
G:カカトをつけないのではなくつかないんです。本人のせいではない。
T:根本を直さないとダメなんですね。
G:元を直さないと走り方をいくら指導してもダメ。
G:全然問題ないカラダの子はいいですが、問題ある子は、そちらを先ず直してあげないと。