常歩と私 ②

初めてA先生にお会いしてから数ヶ月後、国見高校OBのNさんが浦和南高校で二軸講習会を開いて下さいました。
Nさんだけでなく、『サッカープレー革命』の著者(ちょしゃ)の五味幹男(ごみみきお)さんが動画を生徒に見せながら講義(こうぎ)をして下さいましたし、その後レッズのアカデミーでも指導されていた、当時横浜F・マリノスでフィジカルコーチをされていた池田正剛(いけだせいごう)さん(2025年、浦和レッズトップチームのハイパフォーマンスコーディネーターに就任)もいらっしゃって、とても贅沢(ぜいたく)な時を過(す)ごしました。
しかしながら、当時は、二軸動作(にじくどうさ)や膝抜(ひざぬ)きのすごさはわかったものの、私自身が見本を見せられない状態(じょうたい)でしたので、サッカー部員に二軸動作を身につけさせることはできませんでした。
1年後の2007年に入学してきた1年生に少し二軸動作らしきことが教えられるようになりました。そして、2008年の1年生に教える頃に、やっと今の二軸動作指導の原型(げんけい)らしきものができ上がってきました。
様々(さまざま)なトレーニングを試(ため)しましたが、1番効果(こうか)があったのは、土のグラウンドでフットサルシューズを使用(しよう)させたことでした。
フットサルシューズを履(は)いてターンの練習をすると、はじめはバタバタと転(ころ)んでいた部員(ぶいん)たちでしたが、だんだんと慣(な)れ、踏(ふ)んばらずに重心(じゅうしん)の移動(いどう)で動き出せるようになりました。
結果はすぐに出ました。U-16の試合で、アルディージャとレッズには勝てませんでしたが、前期リーグで0-4で大敗した埼玉栄に後期リーグでは4-2で勝利しました。
翌年、熊谷高校に異動(いどう)したため、彼らとは1年だけのつき合いでしたが、2年後には私との約束通(やくそくどお)りインターハイに出場しました。その試合を応援するため、私は奈良に行きました。
時間があったので同じ埼玉代表の浦和東高校の試合を観戦(かんせん)に行きましたが、そのとき私の目を釘付(くぎづ)けにしたのは相手の京都代表の久御山(くみやま)高校の10番でした。彼の力の抜(ぬ)けた筋力(きんりょく)に頼(たよ)らないプレーは、浦和東の筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)の選手たちを翻弄(ほんろう)していました。彼の名は森岡亮太(もりおかりょうた)その後ヴィッセル神戸の主力として活躍(かつやく)し、日本代表にも選出(せんしゅつ)された選手です。
続きは次回、ではまた。

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