高校教師からバルセロナへ⑧

ラグビーの中竹竜二氏が解説をした本、『FCバルセロナ 常勝の組織学』の発刊記念トークショーで、教え子は中竹氏に「彼ほどバルセロナに関して知見のある日本人はいない」と紹介されていた。改めて、大したものだと感心した。

喜ばしいことだが、彼は忙しいので、日本に帰国しても私と会う機会は少なくなった(^^)

彼はその後、日本サッカー協会の仕事をするようになり(ヨーロッパにいる代表選手の状況を把握して報告する仕事やヨーロッパに来た日本サッカー協会関係者のアテンド等)、東京五輪では、スペイン代表のリエゾンとしてオリンピック選手村で、スペインのスター選手たちのお世話をし、パリ五輪では、今度は日本代表のリエゾンとして仕事をした。

そして、ついにFIFAの仕事で世界中を飛び回る人になった。しかも、アーセン・ベンゲルの下で。

あの時彼が「教員辞めたいいですか?」と言って来た時、背中を押して本当に良かった(反対してもスペインに行っただろうが)。彼のスペイン行きに反対していた先生方も今の彼の活躍を耳にしたら驚くだろうに。

彼がスペインに旅立つ前に「先生と出会わなかったら、この選択肢はなかったと思います」とメールをもらった時は、こんな未来が待っているとは想像だにしなかった。スペインのチームのコーチ、あるいは代理人、そういった仕事をするのではと思っていた。

彼の今があるのは、飛び込む勇気と戦略があったからだと思う。単なる運や偶然ではない気がする。

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