サッカー指導者として飛躍(浦和市立高校)時代②
浦和市立高校サッカー部では、最初はカラダを動かしながらボールをコントロールするトレーニングをよく行っていた。
ヘキサゴンドリルといって六角形の中に立ち、両足を1辺の外に出し、また中に戻し、それを6回(1周)素早く行って、パートナーにボールを投げてもらってヘディング。次に反対周りで。それが終わったら、同じ動きで胸とラップしてキックで返す、腿トラップからキック、インサイドボレーと進む。
前転してヘディング、後転して、うつ伏せ、仰向け、側転等をして同じようにヘディング、胸トラップ、腿トラップ、インサイドボレー。
当時の試合に出られなかった浦和市立高校サッカー部の球拾い組は、これを問題なくできていたが、その後赴任した高校で同じトレーニングを行うと、そもそも前転からして不恰好で、後転はできない子が多く、側転にいたっては、ほとんどの生徒ができないなんてことが多かった。そう考えると、浦和市立高校のサッカー部員のアスリート能力が高かったのかもしれないし、もしかしたら年々サッカー部員がサッカー以外の運動ができない子が増えたのかもしれない。
ちなみに、本庄高校でサッカー部の監督をしていたJリーガー並みにサッカーが上手かった体育教師は、ハンドスプリング、バク転、側転と何をやってもキレイにできた。彼に「なぜプロサッカー選手にならなかったの?」と聞いたら「足が遅かったんですよ」と彼。私が「16歳で俺に出会っていたら人生変わっていたね」と言ったら、「本当にそうですよ。生徒が羨ましい」と言っていた。ちなみに、生徒に走り方を教えている時に、横で一緒にやっていた彼が一番質問をしてきた。上に行く人間はやる気が違う。
週数回のサッカースクール、ドリブル塾、リフティング1000回で本当に一流サッカー選手に必要なアスリート能力が身につくのか、甚だ疑問だ。
ジェフ千葉の鈴木大輔選手が浦和レッズ在籍時に話をしたことがあるが、彼は「スペインのサッカー選手は12歳までは様々なスポーツを体験し、その後サッカーに専念する。だから、スペインのチームにいた時にテニスをしたら、自分だけ下手で、みんな上手だった。自分は引退したら子供たちが様々なスポーツを体験する施設を作りたい」と話されていた。
私は指導者として様々なサッカー部員を見て来たから納得できるが、サッカーだけやればいいと思っている保護者は残念ながら多い。
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