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EOS R50とR100、だからこその機能制限
先日投稿した、キヤノンのミラーレスエントリー機「EOS R100」。
(詳細は下記記事よりどうぞ)
キヤノンでは昨年からエントリー機を投入といいながら、これでもかというくらいに更なる敷居を下げての登場。
どこまでいくのか?「Kiss」という称号はなくなるのか?などと話題になっていますが…
RFとしてのラインナップは、エントリー機としてはこれで完結になりそうな気配がしています。
先日の記事で、「EOS Kiss M2」の後継機かと思うくらいの機能比較をしました。
液晶ディスプレイのタッチ機能/バリアングルは非対応ながら、より軽量に扱えるボディとしたのはいいことだと思います。
今回は同じエントリー機、3月に発売されたEOS R50と比較しつつ、どのように制限をかけているか(絞っているか)を述べてみます。
1世代前のデバイスだけではなかった両者の違い
すでに「キヤノンオンラインショップ」においてEOS R100購入ページが公開されていますが、他のエントリー機との比較ができるようになっています。
(EOS R100/R50/R10/EOS Kiss M2のうち2機種まで比較可能)
今回のテーマであるR100とR50の比較を、各機の仕様ページより抜粋の上、比較してみました。
ちなみに「デバイス」はパソコン用語で「入出力装置全般」、CPU・メモリ・ハードディスク・SSDなどの部品を指します。
カメラの場合は、「画像処理エンジン」「イメージセンサー」といった部品が該当します。
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両者の最大の違いは、画像処理エンジン・AFシステムがR100では1世代前のものが採用されているという点。
他にも、連写速度やAF測距点の違いが非常に目立っており、R100では人物の顔・瞳のみ検出可能となっています。
ここまで機能を絞ったからこそ、ボディのみで8万円台に抑えたのはさすがキヤノンだと思います。
更に…
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この部分での大きな違いは、液晶画面。
R100ではタッチパネル/バリアングル液晶が未対応なこと。
更に、R100ではボディカラーがブラックのみなのに対し、R50ではブラックとホワイトが用意されています。
(一眼レフモデルで言うと、EOS Kiss X90とX10の違いに近いか)
両者には更に、「使用不可レンズ」という制限も多数あります。
それが以下のレンズです。(両機種の仕様ページより抜粋)
EOS R50/R100共通、使用不可レンズ
RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE
そもそもがフルサイズ高画素機のEOS R5/R5C専用のレンズとして設定されているため
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(装着機はEOS R5C)
EFシネマレンズ
そもそもシネマレンズを使う人はおられないと思いますが…
スチル撮影がメインであり、ソフト側で制限をかけているものと思われます。
EOS R100に加えられた使用不可レンズ
コントロールリングマウントアダプターEF-EOS Rの「コントロールリング」
コントロールリング機能こそがRF最大の特徴なのですが、この機能はあまり使われないと判断されたのでしょうか。
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赤枠で囲んだ部分がコントロールリング
(上側がEFマウント、下側がRFマウント)
EXTENDER RF1.4x/RF2x
マウントアダプターEF-EOS Rを介しての、EXTENDER EF1.4x/EF2xは使用可能)
EXTENDERを使っての撮影はあまりないと思いますが…
RFマウントなのに、RF用EXTENDERが使えないのがよくわかりません。
RF85mm F1.2 L USM DS
エントリー機でこのようなポートレート向けレンズを使う方はおられないでしょうが…
プロセッサが古いDIGIC8のために対応できないのでしょうか?(あくまで個人的な推測です)
おわりに
機種によって、初心者にとって余計な機能を省くのはありがたいことなのかもしれません。
敢えて機能を絞り、使いやすいように敷居を下げる。
ハード(物理的)側よりもソフト側で制限をかけられる、RFならではの機能なのでしょうね。
EFマウントの場合、フルサイズ機でAPS-C用EF-Sレンズが装着できない、物理的な仕組みがあることを考えると、技術の進歩でできたことだと思います。
とはいえ、ハード/ソフトの両面での設計は手間がかかります。
それでも、手軽にカメラを楽しめるような状況になれればいいのかな、と。
業界的にも、写真文化の発展のためにも。
お読みいただき、ありがとうございました!
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