XF56mmF1.2 Rの描写力…後継レンズ登場を前に
富士フイルムXシリーズの中で、中望遠域の単焦点レンズは多数揃えられています。
中でも、発売当初から人気だったのがこの「FUJINON XF56mmF1.2 R」。
Xシリーズ初期から、高画質化と同時に柔らかいボケ味が出せることで、
先に申しますと、新しい後継レンズが発表になりましたが、敢えてこの時期に私なりの視点で紹介します。
XF56mmF1.2 Rとは?
Xシリーズのポートレート向け単焦点レンズとして、2014年2月22日に発売。
35mm換算で85mm相当の焦点距離となっており、しかも開放F1.2とあいまって柔らかなボケを生み出すのが特徴です。
これが、Xシリーズにとって人気レンズの1本となりました。
Xシリーズの特徴の一つとして、JPEG撮って出しでも「肌色再現」は高いところ。
しかし、ポートレートは肌色だけではなく、ボケ味など背景の表現も大きく関わってきます。
Xシリーズならではの肌色再現、フィルムシミュレーション、そしてボケ味などの表現力を考えて、このレンズの購入を決めました。
※実は購入前、このレンズか派生レンズにするか、どちらにしようかと考えていました。これは別記事にて投稿します。
X-Tシリーズへの装着はバランスいい
このXF56mmF1.2 Rは、重量405g、フィルター径62mmとなっています。
ある程度の重量があるX-Tシリーズとはバランスが良く、長時間撮影しても変に疲れが出ません。
ちなみに上の写真で装着ボディのX-T2は2016年発売モデルで、ボディ内手ぶれ補正(IBIS)が搭載されていません。
しかし、ある程度の重量があるので持ち手が安定し、IBISなしでも撮影者自身でブレを抑えることができると思います。限度を超える低速シャッターは保証できませんが(汗)
レンズフードは筒型で、やや長いタイプ。
個人的には、角形にするなどオシャレ感が欲しかったところ。
風景撮影の一例
最大開放1.2で、スナップやポートレートといった撮影で効果が見えるこのレンズ。
ここでは、本レンズで撮影した風景写真の一例を紹介します。
個人的には「玉ボケ」がキレイで、ボケ味が柔らかめに出ていると思います。
気にならないレベルではありますが、玉ぼけの輪郭がややクッキリ、という感じもします。
F2〜1.6あたりでの玉ボケはやや角が出ている感じがしますが、個人的に許容範囲です。
ポートレート撮影の一例
※いずれもJPEG撮って出し(モデル様へはRAW撮影→補正のデータをお渡ししております)
※Web掲載については、事前に許可を得ております。
最短撮影距離は70センチですが、所謂「フィジカルディスタンス」を取るにはちょうどいいと思います。また、中望遠域なので最大開放にしなくても、いいボケ味を出してくれます。
ここがイマイチ
最短撮影距離が70センチで、テーブルフォトや植物撮影などではグッと寄れない
レンズフードのデザインがかなり深い丸筒型
DCモーターでAF駆動が若干遅く、動画には向かない。
(スチル撮影では支障ない程度と思っています)
しかし、これらイマイチな点を考慮しても、表現力は当時としては素晴らしいもの。あとは撮影者次第ですね。
Xシリーズ初期モデルのカメラで、思う存分風景・ポートレートを撮影することができる。素晴らしいレンズだと思います。
本レンズの後継に思うこと
9月9日(金)のYouTubeプレミアム配信「X Summit NYC 2022」にて、この後継レンズ「XF56mmF1.2 R WR」が9月29日発売予定との発表がありました。
今回紹介のレンズよりもより寄れる(最短50ccm)、モーター駆動の改良、シャープさとボケ味の向上、絞り羽根やレンズの増加などかなり良くなっているように思われます。
しかし、今回新しい第5世代デバイスのウリである「4,020万画素」の享受を受けることはできません。
しかし、個人的に大きく引き伸ばすことがないので、第4世代以前(X-T4/E4/Pro3など)でしばらく使っていこうと思っています。
個人的にはまだまだ使えますし、Xシリーズ初期ならではの絵作りの"味"を楽しみたいと思っています。
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