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キヤノンの新「EOS R7」正式発表に思うこと
5月24日、キヤノンからミラーレス一眼「EOS R7」「EOS R10」の2機種が正式発表となりました。
先に述べると、EOS Rシリーズとしては初となるAPS-Cサイズのセンサー搭載となります。
合わせて、APS-Cセンサーに対応したRF-Sレンズ2本も発表されました。
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(キヤノン公式サイトより)
装着レンズは新しいRF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
フルサイズミラーレスで一気に主導権をほぼ握ったといえるキヤノン。
ここにきて「なぜ今頃APS-C」なのか。
そしてこのR7の立ち位置はどうなのか。
今回は、目玉といえるAPS-Cセンサー搭載機の最上位機種「EOS R7」について、自分なりの考え方を述べます。
新「R7」の大きな特徴
キヤノンがRF(フルサイズミラーレス)を発表してから、特に2020年のEOS R5/R6登場時から、キヤノンとしてのミラーレスへの意気込みは並大抵ではなかったと思います。
何せ、フルサイズミラーレスでソニーにかなり遅れをとっていたわけですからね。
その一方で、APS-Cミラーレスを出すのかどうか、噂も大きかったのは事実。
これまでの一眼レフ各機種、特にAPS-C最上位機種だった「EOS 7D Mark II」の後継になるのか否か、というのも懸念の一つでした。
そこで満を持して登場したのが「R7」(と廉価版の「R10」)。
まずはR7の大きな特徴を挙げておきます。
素材はマグネシウム合金で防塵防滴対応(7D Mark IIも同様)
バリアングル&タッチパネル液晶
メカシャッターにおける連写速度の向上(最高15コマ/秒)
電子サブダイヤルとマルチコントローラーを一体化かつボディ上部に配置し、親指の移動を軽減
動画撮影のFULL HD 30fsにおける時間無制限
(60psは最大6時間または温度上昇限度まで)SDカードのダブルスロットで、UHS-IIに対応
など、7D Mark IIにはない高機能化が図られています。
一眼レフ機「7D Mark II」の後継機種、なのか?
ここからが本題。
兼ねてから「EOS 7D Mark IIの後継機なのか?」とキヤノンファンを賑わせてました。
私も色々と気にはなっていたのですが…
結論から言って大体「ノー」と言えると思います。
私は現在、業務およびプライベートにおいて、一眼レフ機「EOS 7D Mark II」を使用しています。(他にEOS 6D Mark IIも所持)
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※当方所有物
装着レンズはEF-S17-55mm F2.8 IS USM
なお、EOS 7D Mark IIについては過去に記事を投稿しております。
合わせてご覧いただければ幸いです。
で、この新EOS R7は、「7D Mark IIの後継機種か?」と個人的にはそうだと思うけど、そうではないと思うことが多いのです。
画質面では、同じAPS-C搭載機でも7D Mak IIよりも遥かに向上しているだろうし、8年も経過すればキレイさは断然R7でしょうけど。
7D Mark IIはノイジーだという声も多かったみたいですし。
※私はRAW+JPEGで撮影するため、多少は編集でカバーできると思うので…
一方で、R7が7D Mark IIの後継機種とは言えない理由もあります。
それらを以下に述べます。
単純にクラス(位置付け)が違う
今回の新しいR7は「ミドルクラスモデル」に位置付けられています。
つまり、単純に90Dの後継機種ではないのでしょうか?ということです。
2014年11月に発売された7D Mark II。
クラスの位置付けは「ハイアマチュアモデル」で、センサーサイズは違えど、当時の5D Mark IIIと同等でした。
ちなみに、初代7D(2009年発売)の場合でも、フルサイズ機「5D Mark II」の次に位置付けされた「ハイアマチュアモデル」でした。
5D系と7D系はほぼ共通のボディ(サイズ・材質・ボタン配置など)であり、この点では7D Mark IIの後継と言えるのか疑問です。
SDダブルスロットの搭載
SDカードが主流になった現在、問題ないと思います。
最近は大容量かつ高速読み書きが可能になっており、価格も安くなってきています。
7D Mark IIではUHS-Iのみの対応でしたが、UHS-II対応で更なる高速読み書きが可能になりました。
※UHS:SDカード高速読み書きの規格であるUltra High-Speedの略
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ただ、R5がCFexpress+SDのダブルスロットを考えると、クラス的にはミドルクラスで妥当だったのか…?
操作系が大きく変わっている
R7で大きく変わっているのが、操作系。
特に電子ダイヤルとマルチコントローラーで、7D Mark IIでは独立していたのが、
R7では上部に一体化されています。
前述のとおり、親指移動を抑えることで負担軽減につなげるものと思われます。
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また、7D Mark II(および5D Mark IV)にあった「測距選択レバー」が廃されています。
その他、削除やピクチャースタイルなど個々のボタンもありません。
これは、R5とは全く異なる操作体系であり、7D系または5D系からR5へ移行するよりもかなり戸惑うところです。
また、6D Mark IIや90Dも同様にサブ電子ダイヤルがありましたので(十字キーの外側)、これらから移行する人にはどうなのか、という感じです。
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また、「測距選択レバー」がなくなったことで、例えば「1点→多点」というようなボタン+ダイヤルで、切り替える面倒さが増えます。
(ちなみにレバー操作はカスタマイズ可能です)
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上の画像のとおり、上面のモードダイヤルおよび電源スイッチが左側から右側に移動されています。
また、電源スイッチは動画モード切り替えと兼ねています。
ここも、R5と比べてかなり違っているのが気になります。("シネマEOS" EOS R5Cに似た形態)
その他、ボディ前面に「AF/MFスイッチ」が新しく設けられました。
EFレンズ全てにある「AF/MFスイッチ」が一部RFレンズにはないためで、その救済措置とおもわれます。(レンズにスイッチがある場合は、レンズ側の設定を優先)
結局は試してみないとわからないが…
そうなんですよね…
写真で見ただけではわからない。一度触ってみないとわからないんですよね。
仕事目線で考えた場合にどうなんだろう、とみて思うわけなんですが…
発売は6月下旬を予定していますが、先行でキヤノンフォトハウス(銀座・大阪)では予約制ながらもハンズオン(お試し)できるようです。
最後に
今回のR7(とR10)の登場で、キヤノンのRFシステム(ミラーレス)はかなりの本気度を増したと思います。
大体カメラ価格が高騰している中、RFはかなり敷居が高かったんですから。
R5で新品だと約50万円、R6でも約30万円するんですよね。
それを考えると、どちらも20万円を切る可能性があり、これからキヤノンを始める方、一眼レフからの移行を考えている方には検討の価値はあると思います。
一部プロカメラマンさんからは、APS-Cセンサー搭載という点から、ソニー・ニコンどころか、FUJIFILM Xユーザーからの乗り換えも狙っているのではないか、という声もあります。
しかし、それは違うのではないかと思っています。
私はFUJIFILM Xユーザーでもありますので、これは言えます。
比較というか乗り換える理由がなんなのか、わかりません。
キヤノンの長年の蓄積された技術とシェア率を考えると、否定するつもりはありませんが
…
動体撮影は明らかにキヤノンの方が上です。
動画重視、または標準的な色出しがいいのであれば、文句はありません。
しかし、そもそもFUJIFILMは特に「色づくり」の観点からして違っているので、よほど色出しが嫌なのであればわかるのですが…
とにかく、キヤノンのこれからの展開には要注目です。
お読みいただき、ありがとうございました!
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