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今、なぜキアラ・ヴァレーリオを読むのか
先ほどミッシェル・オンフレを凡才に近い、と酷評、というよりは良い意味で人間的と思っているという意味での凡才に近い、と書いたのですが、
2024年のストレーガ賞(イタリアの文学賞のうちの最高の文学賞に値する)の最終候補に選ばれた作品であり、惜しくも3位で受賞を逃した作品、
ー「話す人、黙る人(仮訳)/ 原題 Chi dice e chi tace」
の産みの母のキアラ・ヴァレーリオは、
彼女が LGBTQ+ コミュニティーに属しているか否かに関係せず、今、政治的な混沌のイタリアの中、最も中道左翼で且つジェンダーフリーな作家と言えるでしょう。
彼女は、ウィキペディアにもある通り、ローマが州都のラツィオ州スカウリで生まれ、数学者として確率論でナポリのフェデリコ2世大学を卒業しています。
彼女の綴るエッセイは、まるで揃っていないルービックキューブの面を、ロジカルに整えていく。正しい場所に整理して、分類し、観察し、付箋をつける。そんな印象を持ちました。サピオセクシュアルな、あなたにはピッタリの著者です。
小説を読む時間をなかなか持てずにいる日々ですが、故ミケーラ・ムルジアとの関係性を2021年に書き溜めた小説のようなので、Apple Bookで購入予定です。
イタリア語読者の皆さんは、楽天Koboの電子ブックス版でも購入可能のようです。
追記、Audiolibroで購入しました。そしたらなんと、キアラ・ヴァレーリオ本人が本書を読み上げていますので、嬉々としております。
彼女は、RAI 3のラジオ番組・ポッドキャスト「L'isola deserta」のパーソナリティでもあります。