民主党よ、ミヤザキを忘れるな。横浜市長選で野党が大勝したから振り返りたい民主党の感染症対策。

塚地です。

横浜市長選の結果、新型コロナウイルスに対する不安を解消してくれる人こそ、選挙に勝つ、という証明になった、ということでしょうか。

こういった話は地元でないと雰囲気がわからないので、このソースだけで判断しています。

ただ、このことで野党の推す「zeroコロナ」政策が選挙で圧勝する可能性が出てきました。

今回の結果は、野党側の応援者にとって、大きな追い風となったでしょう。

(ソースとして利用していた「コペルくんwithアヤ先生」からブロックされました。彼らは労働組合関係とにらんでいます。まあ、本論にはあまり関係がありません。)

大事なのは次のこと。

「野党はコロナ対策をしっかりやってくれるのか」

塚地はコロナ対策なんて未知の領域の話はしたくないのですが、雰囲気だけでまた民主党政権に代わるのだけは嫌なのです。
雰囲気で変わった結果、泥沼でした。
たった10年でそんなことすら忘れてしまうのか。
「自民党にお灸をすえる」
その結果、日本国民が大やけどを負ったことを、もう忘れてしまうのか。

Twitterで投げかけても、皆さんの印象が薄いみたいなので、
改めて調べてみましょう。

およそ10年前、ある感染症が猛威を振るいました。

口蹄疫です。


まず、口蹄疫とは何か?

農林水産省のページです。

1. 口蹄疫とはどのような病気ですか?
口蹄疫ウイルスが原因で、偶蹄類の家畜(牛、豚、山羊、緬羊、水牛など)や野生動物(ラクダやシカなど)がかかる病気です。
 口蹄疫に感染すると、発熱したり、口の中や蹄の付け根などに水ぶくれができたりするなどの症状がみられます。
 口蹄疫にかかると、子牛や子豚では死亡することもありますが、成長した家畜では死亡率が数%程度といわれています。しかし、偶蹄類動物に対するウイルスの伝播力が非常に強いので、他の偶蹄類動物へうつさないようにするための措置が必要です。




人間にはかかりませんが、ものすごい勢いで感染させ、畜産に大きな影響を与える病気、それが口蹄疫です。

しかし、口蹄疫は、病原体の伝播力が大変強いことから、ひとたびまん延すれば、長期間にわたって畜産業の生産性を低下させ、畜産物の安定供給をおびやかし、地域社会及び地域経済に深刻な打撃を与え、国際的にも口蹄疫の「非清浄国」として信用を失う恐れがある疾病です。



現在、新型コロナウイルスに対して大騒動になっていますが、それが家畜になると「口蹄疫」と捉えるのがよいでしょうか。


口蹄疫で調べると、2000年と2010年のものがでてきます。

今回の話は2010年の話です。
正直に言うと、2000年の話は覚えていません。おそらく、畜産業にかかわる人が知っているくらいではないでしょうか。

ところで、2010年の宮崎、というと、実はあの人が絡んできます。

そのまんま東こと東国原英夫氏です。

彼の知事最後の年にこの問題が起こりました。

wikipediaによると、「東国原氏の公表が遅れたこと」が口蹄疫拡大の要因の一つ、とありますが、この点に関しては難しいところがあります。
政治家でない、タレント上がりだからということでこういった判断ミスを犯してしまいましたが、そのリスクを飲んでしまったのも宮崎県民なのです。
これが、選挙の重さです。

一方で、東国原氏は自身のキャリアを生かして、テレビ番組に出まくっていました。そうやって宮崎県のブランド向上に努めていた一面もあり、口蹄疫でのマイナス点と打ち消しあったのかな・・・とも思うと、評価がしにくいところです。

この動画は東国原氏が相当追い詰められている状況だったことを物語っています。
なかなか人がガチギレする瞬間を見ることはそうはないと思います。


宮崎県の畜産というページを見ると、口蹄疫がどういう影響を与えたのか、よくわかります。

「平成22年に発生した口蹄疫の影響等により」
この文言がずっとでてきます。


どれだけ、宮崎へ影響を与えたのでしょうか。


まず問題だった点として

・1例目で、宮崎県畜産へのダメージを恐れ、家畜保健衛生所が10日間報告を遅らせたと推測している。報告が遅れた他の公的農場の例もある。
・家畜防疫員は47人で畜産農家約250戸に一人であり、全都道府県でもっとも手薄であった(全国平均は50戸)。初期の感染状況調査は、電話で行っていた。
・県やJAの施設でも防疫が杜撰であった(10例目・豚の1例目・宮崎県畜産試験場(消毒に効果のない逆性石鹸を使い、それも抜け道あり)、13例目・JA宮崎経済連、101例目・宮崎県家畜改良事業団)。長靴・消毒槽がない民間農家や、立ち入り検査時に牛房の半分で症状が出ている大規模法人農場(7例目)があった。
・5月19日の国の対策が遅かった。
・宮崎県の種牛の特例救済は間違いであった。
・牛豚等疾病小委員会の対応や開催頻度には問題があったと考えられる。(p7)(検証委員会に当時の小委員会メンバーは入っていない)また国、県、市町村の対策や連絡体制の不備が指摘されている。



県の防疫が杜撰だった、これが一つ、国の対応が悪かった、この点が指摘されてます。

今回の話は「野党が政権を取ったら」の話ですので、これ以降は民主党がどう動いていたか、を抜き出していきたいと思います。

4月20日
都農町の和牛3頭の口蹄疫感染の疑いが確認され宮崎県が公表。農水省は「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」に基づき、赤松広隆農林水産大臣を本部長とする「口蹄疫防疫対策本部」を設置。また、宮崎県は当該農家から半径10キロを移動制限区域、半径20キロを搬出制限区域に指定し消毒ポイントを設置する等の防疫対策を開始。
4月21日
赤松農林水産大臣が規格外の野菜販売促進の為、東京都内にあるジャスコ品川シーサイド店野菜売り場を視察する。



対策委員会は作ったものの、この時点でまだ赤松大臣は通常業務を行っています。

4月22日
農林水産委員会が開かれる。
自民党の口蹄疫対策本部が口蹄疫対策について、赤松農相に33項目の申し入れを行った。

地元の声ということで、自民党は申し入れを行っています。

4月27日
東国原知事と中村幸一県議会議長、JA宮崎中央会の羽田正治会長が、赤松広隆農相らに経営安定のための予算措置、まん延防止につながる感染経路調査などを求めた。



しかし、この時点で感染はどんどん広がっていっています。

4月28日
国際連合食糧農業機関は、日本と韓国における最近の口蹄疫発生に関し、「4ヶ月に3件の発生は非常に懸念すべき事態」と指摘して、口蹄疫の脅威増加を警告。また、日本と韓国から2001年に南アフリカ、英国、欧州で起きた口蹄疫蔓延の惨事が繰り返される可能性と、その被害が数百万ドルに達する可能性に言及し、国際的監視強化を呼びかけた。(5月21日、5月26日を参照)
10例目の感染を確認。農林水産省は第2回口蹄疫防疫対策本部を開催し隣接県全域での全額国庫負担による消毒薬散布、宮崎県における迅速な殺処分等の防疫措置を支援する獣医師などの増員等を決定した。また当初の感染例から約70km離れた宮崎県えびの市でも感染が疑われる牛が確認された(9例目)ため、「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」に基づきえびの市の発生農場にも移動・搬出制限区域の設定などの防疫対策が行われた。なお、えびの市の発生農場は疫学関連農場であった。
自民党の谷垣禎一総裁が現地視察のためJA尾鈴(川南町)などを訪問。



4月30日
相次ぐ感染報告(4月30日時点で12例4369頭の報告)から、政府は支援対象地域を4県(宮崎・鹿児島・大分・熊本)全域に拡大。
自民党の口蹄疫対策本部が口蹄疫対策について、舟山康江農林水産大臣政務官と松井孝治内閣官房副長官に2度目の申し入れを行ったが、山田農林水産副大臣は「要望そのものは、既に私どもが対応していること」であり、「対策そのものは十分、でき得る限りの対策はやっていると思っております」と反論した。
自民党の浜田靖一国対副委員長が赤松農相に、国内の口蹄疫対処を優先して外遊を中止すべきだと進言(5月19日で後述)。
赤松農相がメキシコ、キューバ、コロンビアへの外遊に出発する。帰国は5月8日。福島瑞穂内閣府特命担当大臣(消費者・食品安全、少子化対策)が外遊期間中の農林水産大臣臨時代理を務めた。



国際機関から「警告」を出されたにもかかわらず、責任者は外遊へ旅立ちました。
これは塚地もよく記憶しております。

5月4日
舟山康江農林水産大臣政務官がデンマークへの外遊に出発。帰国は5月9日。



5月5日
東国原英夫宮崎県知事が非常事態に相当すると発言。



東国原知事は「これは非常事態だ」と現場でSOSを発していたにもかかわらず、責任者はどこに行ってしまったやら。

5月6日
山田農林水産副大臣は記者会見で赤松農林水産大臣が外遊先の国々と友好を深めたことを報告した。
5月7日
民主党の小沢一郎幹事長が宮崎県を訪れるが、具体的対策の提示はなかった。
5月8日
赤松農相が外遊から帰国し、栃木県佐野市で開かれた民主党の富岡芳忠衆院議員の後援会の結成式に出席するため直行した。



知事は「非常事態」と発言しながら、民主党サイドは県で何とかしろ的な態度を取ります。

5月10日
赤松農相が口蹄疫発症後の宮崎県を初めて訪問し、東国原知事、農業団体長、自治体長らと会見。赤松農相は「権限の問題ですべてを国がやれないのが宿命だが、大事なのはまず収めること。この難局は力を合わせてあたっていくしかない」、「全く問題ない。万全の態勢でやってきた」「幸いにして3キロ圏内に封じ込められている」などの認識を述べた。自民党の古川禎久衆院議員(宮崎3区)が「現場は災害。何度も農水省、官邸に対策を申し入れている。今日、回答が出ると期待して来たのではないか」と赤松農相に発言すると、無所属で民主党会派に所属する川村秀三郎衆院議員(宮崎1区)が「具体的に回答している。PRしたって駄目だ」と赤松農相を援護したため、口論となった。
5月13日
赤松農水相は東国原英夫同県知事らが、一定地域内に限り感染していない家畜を含め全頭殺処分する可能性を示唆したことに対し、「健康な家畜を殺すのはどうなのか。人の財産権を侵すことは慎重に考えないといけない」として全頭殺処分に反対の意向を示した。



恐ろしい話で、この大臣は「小利」を取ろうとしたのです。
感染を止めることはまったく頭になかった。

5月17日
政府の口蹄疫防疫対策本部の本部長を赤松農相から鳩山首相に格上げし、夕刻開催した。



上がってくる情報に危機感を募らせたのか、ここで責任者が鳩山首相に代わります。農林水産大臣とはなんだったのか。

5月18日
東国原知事が非常事態宣言を発令



現場サイドの疲弊が伝わる記事をいったんご紹介します。

 永山 県は5月1日に、自然災害以外で自衛隊に災害派遣を要請した。全国で初だった。宣言を出すことは、以前から東国原知事と話をしていた。「18日に非常事態宣言を出しましょう。宣言の文面を書きます」と進言した。17日の夜遅くまでほかの幹部と一緒に宣言文を作った。その夜は眠れなかった。地元経済に与える影響が大きいことは分かっていた。県民から多くの批判も受けた。
 -宣言による人の移動制限に加え、口蹄疫のワクチン接種後、感染していないにもかかわらず予防的に殺処分も行った。
 永山 接種をした獣医師や畜産農家には申し訳ない気持ちはあったが、被害拡大を食い止める方法として正しいと思った。一方で心配もあった。ワクチン接種は初めての上、効果がない場合、経済的被害を拡大させる恐れがあった。ぎりぎりの選択だった。
 永山 県職員を中心にした対策本部は不眠不休だった。殺処分した牛、豚を埋却するための土地探しには多くの地権者の協力を得た。埋却地では水が出ると適さない。その調査には、県の建設業関係者の力を借りた。国も現地本部を構え、全国の獣医師や自衛隊の支援を仰いだ。終息までの約4カ月間は総力戦だったと思う。



赤松大臣は簡単に「処分しろ」と言いましたが、この処分がどれだけ大変だったのか。
まず処分した動物を埋葬するために探さないといけません。
そして、手塩にかけた動物たちを殺さないといけない。
動物も相当大きい。
担当者はそうとうな地獄絵図を見ていたことでしょう。


wikipediaに戻りましょう。

5月22日
鳩山首相は赤松農相、小川首相補佐官らから、発生確認から1ヶ月以上が経った現状報告を受け、鳩山首相は「スピード感が大事だから県や地元の皆さんと協力してしっかり進めてくれ」と指示。



今更感はありますが、これはどれも大臣側が悪いと思います。

5月25日?
宮崎県がエース級の牛49頭に関して殺処分した場合多大な影響を与える恐れがあるとして特例で殺処分しないように求めていたことに対して「これはもう法律に従ってやるのが当然、まだ49頭残っていることの方がむしろおかしいと県の対応を批判した。28日に赤松に宮崎県家畜改良事業団の種牛49頭中2頭に口蹄疫の発症が発覚した際に大臣として貴重な種牛が感染した事実を把握しているのかとの記者団の質問に、「いや、知らない」と答え、「だから早く殺せって言ってるのに」と応じている場面がテレビで報道され、宮崎県の農家や知事、動画を見た国民の反発を受けた。宮崎県知事の東国原は29日に赤松の農水大臣としての態度を「いずれにしろ、49頭に関しては、残念ながら、大臣が、だから早く殺せと言ったんだと笑いながら仰ったくらいの認識しか国には無いのです。そういうところが、異常があったら報告しろと言って頂けるでしょうか? 言いません。」と自身のツイッターで述べた。



13日には「なんとか殺処分を止められないのか?」といっていた人間が宮崎のブランドをつぶせ、と命令しているのです。
これが農林水産大臣の発言なのでしょうか。

5月29日
宮崎県家畜改良事業団が延命を求めていた種牛49頭の中の2頭が発熱し口蹄疫に感染したことを、宮崎県が国に報告していなかったことが発覚。発熱は22日と26日に1頭ずつ出ていた。東国原英夫知事に報告していたが農林水産省への報告はなく県ぐるみの隠蔽工作。



この行為自体は褒められたものではないでしょう。しかし、この時点で国会では赤松大臣の不信任決議案が議論されていました。
それだけ、国と県で考え方の違いが発生していたのでしょう。

6月12日
菅直人首相、宮崎市内の畜産農家と県庁を訪問。「国家的危機との認識を持っている。政府の責任者として全力を挙げる。必要なことは人、物、金含めて対応していきたい」と強調した]。
山田大臣などが約束した特別措置法による対策費(現在約400億円)政府全額負担が、関係省庁の反対で決まらず。ワクチン接種関連費の県の1/5負担(110億円以上)が焦点となっている模様。



7月9日
宮崎県が殺処分の対象になっている種牛6頭を処分せず、県側で無償で引き取る特例措置を要求。これに対し山田農林水産大臣は「宮崎県は口蹄疫の危機意識があまりにもなさすぎる。認識の甘さが被害拡大を招いた。特例は認められない。」と厳しく批判した。
7月10日
東国原知事が山田農林水産大臣のこの発言に対し、「口蹄疫は国家的危機管理の問題であり、地方の責任だという国家がどこにあるのだろうか?口蹄疫が宮崎県に抑えられただけでも奇跡に近く、ここまで口蹄疫の感染を抑えた宮崎県民もとい隣県等の多大なる関係者に失礼ではないか?」と批判した。



8月27日
東国原宮崎県知事が終息宣言を発表



ウイルスの戦いはここで終わりました。

経済損失は約2350億とされています。

それだけでなく、観光、非常事態宣言による生活の制限、風評被害、
ひたすら消毒という生活もなかなか厳しかったと思います。

私の記憶はここで止まっていましたが、
ここでの痛い失敗を糧に、宮崎県では多くの取り組みを行い、口蹄疫前よりも強い畜産業を作ることに成功しました。

県民の悲しみが、宮崎をさらに強くした、のかもしれません。

しかし、これだけを言うと「民主党のおかげで宮崎が畜産県として成長できた」という結論になってしまいそうで怖いです。

ちなみに、共産党さん、この動画、覚えていませんか?


あなたたち、選挙で野党共闘と言ってましたね。
本当に立憲民主党に感染症対策は任せることができるのですか?
口蹄疫を叩くことができず、責任者は外遊、野党である自民党の意見は聞かない。

これ、新型コロナウイルスでも絶対に起こりますよ。
だって、反省してないですから。

これを失敗だと思っていないのでしょう。


ここまで書いてきて、
本当に不愉快な気持ちになりました。
「命より大事なものがあるのか」と言いながら、対応がコロコロ変わり、
宮崎県の産業をぶっ潰そうとした。


感染症を乗り越えた県からのコメントはなかなか心を動かされます。


処分された家畜は297,808頭になりました。

この約30万頭は政治の責任で殺されるハメになりました。

政治とは結果の世界です。
その時その時の感情で行動するため、判断を誤りがちですが、
結果的に数字をしっかり読み解くしかありません。

塚地は周りの人間の影響から、自民党寄りの考え方になってしまいます。
ですので、正しい意見とは限りません。

皆さんがお考え下さい。

「本当に立憲民主党に任せていいのか、と」

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