見出し画像

私たちがSOHOに専念することを決めた頃のお金の話

私たち夫婦は、2003年頃主人が会社を辞めて個人事業主として起業しました。
私は初めは派遣で別の仕事をしていましたが、2006年頃から専従者として主人と一緒に自分たちのビジネスに専念しています。
当時の話はこちらの記事に少し書きましたので、よろしければどうぞ。

今回は、派遣も辞めて自分達のビジネスに専念すること決めたものの、ほとんど貯金もなく、まだビジネスも軌道に乗っているとは言えない状況でのお金の話を書こうと思います。

借金はしない

私たちは起業前から「借金はしない」と決めていました。
一般的に起業するときは初期投資がかかるので、どこかから融資を受けて(借金をして)始めるというパターンが多いとは思いますが、私はお金に対して小心者なので、借金のプレッシャーに耐えられないと思いましたし、主人も借金の怖さを間近でみた経験がありましたので「借金はしない」というのが大前提でのスタートでした。

1年間収入がなかったとしてもギリギリ持ち堪えられるお金を用意する

流石に全くお金がない状態でいきなり専念というのは無謀です。
しばらくの間たとえ収入がなくてもしのげるくらいの現金は用意しておかないと、仕事に集中できなくなってしまいます。

そこで私たちは1年間収入がなくてもしのげるお金を用意しようということにしました。

まず手放せるものは全て手放しました。
一番大きいのは車です。
車を手放せば、保険や税金も含めた維持費がかからなくなります。
また、主人が独身の頃から持っていた楽器や時計、私もわずかながら持っていたアクセサリーなど売れるものは全て売りました。
当時はまだメルカリなどの便利なものはなかったので、地元の質屋さんに持ち込んだのを昨日のことのように覚えています。

このように書くと、なんだか悲しいことのように思えるかもしれませんが、この時は不思議と悲しさはなく、逆に二人で楽しんでいました。

そうやって毎月の固定費をできるかぎり抑えると同時に、現金を作って、わずかばかりのへそくりも合わせて集めたお金が約250万円。
1年間全く収入がなかったらちょっと厳しい金額ですが、この時はこれが精一杯だったので、これでスタートすることになりました。

固定収入のある仕事をGET

この頃私たちがやっていた仕事は、主人が会社員だった頃のお客様がくださる仕事でした。
私たち夫婦は二人とも起業前は広告関係(グラフィックデザイン)の仕事をしていましたので、カタログなどの印刷物や、ホームページの作成などをいただいてやっていました。

でもなかなかそれだけでは売り上げが伸び悩んでいる時に、近所で貿易関係の仕事をしている社長さんが、自分の趣味も兼ねて、輸入雑貨のネットショップを開きたいけど自分では何もわからないので手伝って欲しい、という話が私たちのところにやってきました。知り合いからの紹介という形でした。

その頃私たちは、まだネットショップでの物販の経験はなかったので、実績がない私たちにお話をくださるのはとてもありがたいことでした。

何事も最初は実績なんてありません。実績をアピールできない中で仕事をいただくハードルって結構高いと思います。
経験がないので不安な部分もありましたが、これは実績をつくるチャンスだと思って、引き受けることにしました。

仕事の内容は多岐にわたっていて、社長さんが仕入れてくる雑貨のネットショップの作成と運営、サイトの更新、商品管理、時には社長さんの本業のお手伝いもしました。
でも固定で毎月25万円いただけるお仕事だったので、本当にありがたかったです。

それを1〜2年ほど続けましたが、やはり社長さんにとっては本業ではない部分のショップだったので、本業が忙しくなるとネットショップの方の商品の仕入れなどをあまりしてもらえなくなったり、決定権は社長さんにしかないのになかなか判断をいただけなかったりすることが続きました。

そんな中で、この仕事はありがたいけれども、これでは二人で一人分の給料で雇われているのと同じだ、と思うようになりました。

それで、社長さんにお話して、その仕事は辞めさせてもらい、サイト運営をするなら自分達のサイトを作ろうということにしました。

自分達のサイトオープン

2009年。今度こそ固定収入がなくなり、自分達のサイトを作ることにしました。
そして立ち上げたのが、今も運営している代理店業のサイトです。

社長さんのところでネットショップの運営の経験を積ませてもらったことは、本当に貴重でありがたいことでした。
社長さんのネットショップを作るときに、サイトづくりについても勉強させてもらいましたし、ネットでのお客様対応も経験させてもらいました。

でも自分達のサイトを作っても、やっぱりすぐには注文は入りません。
最初に注文をもらったのは、オープンから2週間ほど経った時でした。
これでも早い方かもしれませんね。

この時は本当に嬉しかったのを覚えています。
この注文での利益はそれほど多くはなかったですが、会社員時代のツテや、知り合いの紹介などではなく、純粋に自分達が作ったサイト経由の仕事はこれが初めてだったからです。

黒字になるまでの1年半の道のり

ここからがちょっと辛い時期でしたね。
ポツポツと問い合わせや注文はもらえるものの、赤字続き。
1週間や2週間問い合わせがないということもザラにありました。
蓄えも徐々に少なくなってきます。
半年がすぎ、1年が過ぎると、どんどん不安になります。

「もうダメなんじゃないか」
「辞めてまた就職したほうがいいのかな」

そんな気持ちに何度となくなりましたが、二人で

「貯金が30万円を切るまでは頑張ろう」

と決めて、続けました。

そして1年半くらいが経ったある時、急に注文が順調に入り始めたんです。
そして初めて黒字になりました。
この時は心底ほっとしましたし、二人で手を叩いて喜びました。
それから今まで10年以上、このコロナ禍で赤字になった月もありますが、ほぼ黒字で続けて来られています。
その間、車も買い、ローンも3年で完済しました。
本当にありがたいことです。

もちろんこの状況がずっと続くとは思っていませんし、これからさらに次のステップに向けて二人で日々勉強をしている毎日です。
でも、誰にとやかく言われることもなく、二人で決めた方向に向けて頑張れることは、幸せなことだな、と思います。

起業し直後は、必ずといっていいほど、赤字の時期はある程度あるのが当たり前です。
それをどこまで頑張るか、という経済的な限界点は必ず決めておいた方がいいです。
やっていると結構厳しい状況になっても
「せっかくここまで頑張ったんだから」
ということで、なかなか辞める決心がつかないことがあります。
でも、限界点を超えてまで続けてしまうことは、おすすめしません。
痛手が大きくなってしまうからです。

逆に言えば、決めた限界点がくるまでは、気持ちが折れそうになっても続けることが必要です。
何をやってもうまくいかない、という人は、うまくいく前に辞めてしまっている、ということが多いです。
そういう時、夫婦でやっていると片方が折れそうになっても、もう片方が励ましたりして支え合えるので、やっぱりよかったと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
また笑顔でお会いしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?