ブランドは意思という話〜LayerXブランドリニューアルによせて
どうも、すべての経済活動を、デジタル化したい福島です。
創業から5周年を迎えた2023年8月1日に、LayerXはコーポレートブランドのリニューアルを発表しました。
そもそも、LayerXは「企業文化へ投資」する会社でありたいと思っています。詳しくは、昨年投稿した「企業文化に投資する」「企業文化をアップデートするをご覧いただきたいのですが、企業文化こそが会社の独自性を決めるものであることから、LayerXは徹底的に企業文化に投資をし続けています。
今回のリブランディングもまさに、企業文化をアップデートするための施策のひとつであり、LayerXが次のステージに向かうためのものであると考えています。設立5周年を前に、なぜ今、CI・VIをリニューアルしたのか、個人的な思いも含めてお話ししたいと思います。
なぜ、リニューアルを行ったのか?
ロゴやカラー、ミッションの副文を新しくしたところで、売り上げが上がるわけではないし、プロダクトが改善されるわけでもありません。恥ずかしながら、私自身も上記のような感覚を持っていました。ではLayerXは、なんのためにリニューアルを行ったのでしょうか。
リニューアルを通して、私が感じたことは、ブランドとは見せ方やアウトプットなどのテクニックや外面的な話ではなく、会社の人格や自分たちのありたい姿をどう定義するのかという内面的なものであるということです。
今後、社員が500人、1000人、1万人と増えていくなかで、共通の価値観を持ち続けることはとても難しいと感じます。たとえば、LayerXの行動指針のなかに「徳」という言葉がありますが、私が思う「徳」とマネージャーのAさんが思う「徳」、メンバーのBさんが思う「徳」は大なり小なりズレるはずです。
この「ズレ」を解消し、「私たちはこうありたい」という共通の言語、価値観を示すものがブランドであり、このことを改めて意識できたことは大きな意義となりました。
ブランドとは「どう見られたいか」ではなく「どうありたいか」
これまでのCI(コーポレート・アイデンティティ)やVI(ビジュアル・アイデンティティ)、ミッションの副文は、ブロックチェーンを軸に事業展開していた時期に作られたものでした。ピボットを経て、事業の軸や企業の人格・文化がよりはっきりとした形になってきたなかで、ブロックチェーン時代の思いや考えと、現在の組織のあり方にズレを感じるようになりました。
今回のリニューアルにおいて大切にしたことは、
・LayerXは複数の事業を立ち上げ続けること
・それをテクノロジーの力で加速させること
これら二つが「好き」だという価値観です。
上記を宣言することに加えて「LayerX」という社名に込めた「社会にX番目のレイヤーをどんどん作っていこう」という思いを表している(と感じた)アウトプットを、最終的にはほぼ直感で決めました。
リニューアルによる便益を最大限得ることを「論理的に」考えれば、別の選択肢もあったことは事実です。しかし、ブランドとは「どう見られたいか」ではなく「どうありたいか」であることを踏まえると、「論理的な意思決定」はいわゆる「凡庸な意思決定」ではないかと考えました。
リニューアルは「点」ではない
ブランド=「LayerXとしてどうありたいか」である以上、新しいロゴやコーポレートカラー、(ミッションの)副文を定めて終わりではありません。これらはあくまでも骨組みにすぎず、そこに肉付けするのは、私たち一人一人の日々の行動です。
採用活動で「LayerXってどんな会社ですか?」に対してどう答えるか
営業活動で「LayerXが目指す世界」を自分の言葉で語れるか
プロダクトを作るとき「LayerXのブランドはこうである」という意識の下、一貫した体験を作れるかetc
このような日々の小さな行動・言葉によって、ブランドは蓄積され、唯一無二の価値に変わっていきます。
LayerXは、「意図的」に企業文化をアップデートしています。それぞれの良い言動を言語化し、当たり前に昇華することが「企業文化」であるなら、「LayerX」というブランドもまた、一人一人のメンバー、そして顧客/ビジネスパートナー/株主も含めたステークホルダーの皆様とともに、日々アップデートされ、豊かに変化していくでしょう。
社会にいくつもの「LayerX」を生み出すために、私たちは変わり続けます。