今後の美容室経営で考えておくこと(備忘録)

今年もあっと言う間に半年がすぎました。

今年は年が明けてから、自分自身については特に何も変化はないですが、取り巻く環境がことごとく変化しておりまして、それについてここらでちょっと整理しておきたいなと思い、個人的な備忘録として残したいと思います。
そして、踏まえて今後の経営や経済活動に活かせればなと思います。

  • 社会保険料の増加について

2024年10月から社会保険の適用範囲が広がり、新たに扶養から外れて自身で社会保険に加入しなければならないパートさんやアルバイトさんが約20万人いるそうです。
今後はさらに適用範囲を広げ、パートやアルバイトだけでなく、個人事業主やフリーランスの方にも加入して頂くよう議論され、早ければ2026年秋に実施されることになるそうです。
これについては、年金の3号被保険者の制度を廃止しようという流れと個人事業主が加入している国民健康保険と国民年金を厚生年金に組み入れて、全ての国民を厚生年金に加入させる、という狙いがありそうです。
美容室の場合、個人事業で従業員5人未満のお店は社会保険の加入は任意となっておりますので、加入していないお店も多いと思います。
今後はこのような特例は撤廃し、全ての国民が強制加入することになる、という流れです。
これが適用されると、経営が立ち行かなくなるお店も出てくると思います。
ということはつまり、良いか悪いかは別として、美容室が再編される、フリーになる美容師が増える、美容師美容室の手取りが減る、業務委託やフリーランスの美容師さんの会計事情が変わる、などの影響が出てくることになるかと思います。

  • インフレ、物価高、円安

今、世界的に全てのものの値段が上がってます。
原因はいろいろあると思いますが、発端はコロナの蔓延でしょう。
コロナにより景気が悪くなることを恐れた各国の中央銀行はお金を刷りまくり、無尽蔵にお金をばら撒きました。これにより通貨の価値が下落。
さらに経済活動は世界中でストップ、サプライチェーンも止まり、モノの供給がストップしてしまうことで、物価が上昇してしまいました。ウッドショック、中古車の高騰などありましたね。
現在、コロナが収まり、モノの供給も正常に戻りましたが、物価は高いままです。
この状況はいつまで続くでしょうか?
円安が収まらない限り、インフレが収まることはないと思われます。
日本は2012年からの金融緩和の物価目標2%をすでに達成しているのにもかかわらず、金融緩和をやめていません。
円安が進めば輸入する原油や製造に必要な資源の価格が上がり、国民の生活に支障が出るため、日銀は国債の購入を辞めたり(緩和をやめる)、金利を上げるなどの措置をとる必要がありますが、実際はできません。
国債の購入をやめるなら消費税を上げるなどして他から財源を確保する必要がありますし、金利をあげてしまえば、国債の価格が暴落し、日本国債を多く保有している日銀が債務超過に陥ってしまい破綻するからです。
つまり、アメリカの状況次第ではありますが、インフレは収まらないし円高にもならないと私的には思っています。
美容室において、物価が上がっていくことの弊害は?
材料や薬剤、光熱費、家賃、保険料など全ての固定費や手数料があがり続けるとすれば、これらを自店のサービス料に価格転嫁できないと今後は厳しくなると思われる。

  • 株高、金利高

日銀は今は金利をあげることはしないと思うが、この先株高が続き、実質賃金の上昇が定着すれば金利を上げることになるだろう。
当然、借入の金利は上がるわけだが、住宅ローンや事業ローンを変動金利で組んでいるなら金利上昇リスクに備える必要がある。
借入金利よりも高い運用利回りを出すか、一括返済するか、どちらかになる。

  • AIの発展と美容師の価値 

美容師はAIに仕事を奪われることはないと言われているが、最近のAIの発展の早さを見ると、なんらかの形で人の手の価値を奪っていくのではないかと思えてくる。
美容師はアナログ的な仕事であるため、当事者はAIの発展を目の当たりにする機会はあまりないと思うが、油断していると突然仕事を失うことになるかもしれないので、常にアンテナを張っておく。
加えて、美容師は相対的に年齢が上がるにつれてパフォーマンスが悪くなっていく。
特に男性の場合は顕著で、40代に差し掛かったあたりから売上が落ちていき、新規も取れなくなってくる。
それでも売上を維持しようと思うなら、客単価を上げるか、自分がいなくても売上が上がる仕組みを作るかどちらかになる。
私的には客単価を上げるのは悪手。それで生き残った男性美容師をみたことない。
これまで通り、自分を過信せず、AIを活用して仕組みをブラッシュアップさせ、さらに資産所得を増やしていく。

  • 人口減少、高齢化

先日クローズアップ現代でも放送されていたが、地方では20歳〜40歳までの女性の流出に歯止めが効かなくなってきている。
子供を生む女性がいない。
これはつまり、何十年後かには地方の街は無くなることを意味する。
そんな場所で美容室の経営が簡単にいくとは思えない。
新規のオープンはもちろん、リニューアルや改装への投資も最低限にしようと思う。
その代わり、高齢化が進む地方では訪問系の需要が増すだろう。
特に美容師の場合、ヘルパーの仕事との相性もよさそう。
セーフティネットとして覚えておく。

  • お金の価値、デフレ脱却

バブル崩壊後から数年の1995年に高校を卒業し、社会に出たわけだけど、その頃から2015年までの20年間はデフレの時代だった。
ものの値段が安くなり、金利のない世界で過ごした時期が長かったせいで、今のようなインフレが来るとはまったく想像していなかった。
そして、1989年12月29日につけたバブル最高値を2024年2月22日に更新したときの衝撃は凄かった。
お金は腐るものだと知った瞬間だった。
歴史をたどれば、お金の価値よりもものの価値のほうが高くなっていくのは明白だ。
つまり、お金は得た瞬間から腐るので、何かに替えたほうがよい。
昔、母親から、迷ったら高いものから買え、と言われたことがあったが、この意味がわかった。
子供に対するマネー教育は、長い目でみればお金は腐る、ということを教えるだけでいいと思う。
お金は腐る、では美容師の技術やサービスは?
これも大抵の人は腐る。
なので、技術で得たお金は何かに変える。
今は株。

技術は腐る、という意味では今後は本当に美容師の仕事が好きな人しか、やってはいけないと思う。
というか好きな人には競争で負ける。
子供がもし自分の跡を追うなら、それも伝えることにする。


とりあえず、今考えてることはこんな所かな。
また気付いたことがあれば加筆していく。

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