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本当は食べ物の写真を撮るなんてぜんぜん好きじゃない

写真を撮ることは好きだし、料理も好きだけど、それを写真に撮るのがひどく手間に感じてしまう。
毎日食べたものや作ったものをアップしている人でも、意外とそういう人はいるのでは、と思うのだけど、どうなのだろう。

理由はとても単純。作ったら食い気で頭がいっぱいなのだ。ああだこうだと構図やピントを決めてとやるより、熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べたいから。

せめて、カメラなんて用意せずに、とりあえずスマホで15秒くらいで撮って終わりと決めている。できるだけふだんどおりに盛り付けて並べてシャッター押しておしまい。だから、後から見るとぼけぼけだったり、何を映しているのかわからないような写真もあったりして。

それでも写真に残すと、食事の風景からいろいろなことが伝わってくる。献立だけじゃない、たとえば、ワンプレートで済まそうとして無理やり大皿にいろんなおかずをところせましと並べていたり、ちょっと贅沢な気分でゆとりがあるときは、小鉢や小皿が並んで、おつけものの並べ方まで整っていたり。
そういう記録が1カ月、2ヶ月…1年、10年、ずっとずっと、と続いていくと、その分厚いデータは日常のささいな変化を残した大切な記録になるんだろう。忙しい日も、悲しい日も、嬉しい日も、ぽっかり穴が空いた日も、感謝する日も積み重なって、誰も気に留めない美しい本みたいになればいいと思う。

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