スライド01

農薬を考える 01–農薬は必要なのか

最近,ポケットマルシェさんが無農薬表記に関するアンケートを取っていたこともあり,自分の中でも「農薬」に関する興味が高まっています。というのも,表記の話とは少しそれるのですが,「農薬ってどうなの?危険なんでしょ?」といった声を身近な人からも聞くことがあります。そうした時,自分は(農家でも農薬の専門家でもないのですが)冷静に客観的に丁寧に(決して相手を上から否定したりせず)説明できるようでありたいと常々思っていました。

そこで,今回は3つのテーマ(農薬の必要性・農薬の安全性・農薬による環境負荷)について調べて可能な範囲で整理してみようと考えました。第一弾は「農薬は必要なのか」というテーマです。主観的な部分,浅学な部分も多いと自覚しているので,意見や反論など聞かせていただけたら助かります。ちなみに,真面目な文章を長く書き連ねるのはやはり読みにくいだろうと感じるので,今回からはスライドのような形で,ビジュアル的にまとめてみました。



見ていただきありがとうございました。農薬に限らず,物事の悪い側面というのは,目立ちやすいのだと思います。ですが,それが実際に世界で広まっているのは何かしらの良い面があるからであり,その良い面も含めて議論することでようやく,悪い部分というのを減らしていけるのだろうと思っています。

そもそも,「自分が何を食べるか」というのは個人の自由であり,無農薬の野菜を食べたいと考えるのも素敵なことだと思います。僕自身,大学では環境保全型農業に関する勉強をしているので,可能な限り農薬の使用量を減らすか,そのリスクを減らせたらなとは思っています。でも,そうした個人の自由な考えと,他人への攻撃を混同してしまうのはよくないと考えています。慣行農家も有機農家も,それぞれの事情や戦略や思いの中で一つの農業のやり方を選択しているのであり,本来的に優劣はなく,どちらも尊重されるべきです。消費者は農業の多様性やグラデーションを理解した上で,自分の食べたいものを選んでいけるようになっていけば良いだろうと思います。

そうは言っても安全性はどうなの?,環境汚染はどうなの?という反応ももっともだと思うので,次は「農薬の安全性」や「農薬による環境負荷」についても自分なりにまとめてみたいと考えています。ただ,難しいテーマなため,デザインも含めて書いていると結構時間がかかってしまいますね…笑

その間に,ご意見などもぜひ聞かせてください。


参考文献

・HE Han-ming, LIU Li-na, Shahzad Munir, Nawaz Haider Bashir, WANG Yi, YANG Jing, LI Cheng-yun. 2019. Crop diversity and pest management in sustainable agriculture. Journal of Integrative Agriculture, 18(9): 1945-1952.
・Popp, J., Pető, K., & Nagy, J. (2013). Pesticide productivity and food security. A review. Agronomy for sustainable development, 33(1), 243-255.
・「農薬の基礎知識 詳細:農林水産省」(最終閲覧:2020.3.9)
 https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tisiki/tisiki.html
・公益財団法人日本植物調節剤研究協会編「植調五十年史」
・社団法人日本植物防疫協会(1993)「農薬を使用しないで栽培した場合の病害虫等の被害に関する調査」

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