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宇治町と吹屋ふるさと村を結ぶ”チョイ悪おやじ” 大場 正康さん

こんにちは!
「高梁 大人の里山留学」1期生の大濵です。
私が吹屋ふるさと村に滞在中に心を動かされた場所や人についてご紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは、大場 正康(おおば まさやす)さん。 自他共に認める“チョイ悪おやじ”として、親しみやすい人柄が魅力のフキヤビトです。


30年以上にわたる地域への想い

大場さんは1955年生まれ。吹屋ふるさと村の隣町である宇治町(うじちょう)の出身で、幼少期から吹屋ふるさと村に親しみがあり、30年以上にわたり地域全体の活性化に尽力してきました。特に音楽イベントの企画運営に情熱を注ぎ、文化の発展にも大きく貢献した人物の一人です。


現在、吹屋ふるさと村を中心に4施設を運営

大場さんが本格的に吹屋ふるさと村とその周辺地域の事業に参画したのは約17年前のこと。現在は下記4施設を運営されています。

カフェ紅や
吹屋ふるさと村の入口で訪れた人々を迎える趣のあるカフェ。貴重なコレクションに飾られた店内で、重厚感のあるレコードの音楽と自然の音に耳を澄ませながら、ゆったりとした時間の流れを楽しめます。

金子や
カフェ紅やの斜め向かいに位置するこちらの建物は、レンタル可能な施設として運用中。かまどを使った炊飯やイベント開催など、地域文化を体感できるスペースとして、多くの人が自由なアイデアで活用しています。

元仲田邸くらやしき
高梁市宇治町にある歴史的建造物「元仲田邸」の酒蔵を改修した宿泊施設。風格のある佇まいと温かな人情を感じるおもてなしで訪れた人に特別な滞在体験を提供しています。

塩田焼工房シェアアトリエ S
伝統ある備中塩田焼を体験できる工房。現在は休業中ですが、2025年にシェアできるアトリエとして再オープンの準備中。


型にはまらず、変化を楽しむ

吹屋ふるさと村を散策していると、所々でユニークな発見があります。これらの多くは大場さんの遊び心によるもの。たとえば吹屋ふるさと村の入口付近にあるのは、自然の風景に突如現れる『吹屋のバナナ』という看板。

「こんなところにバナナの木?」と思いつつ視線を上に向けた先には、立派に育ったバナナの木がしっかりと実をつけていました。

 思わず立ち止まりカメラを向ける人が続出し、今やちょっとしたフォトスポットになっています。

―なぜ吹屋にバナナの木?

大場さん:元々は自宅に植えていたんです。バナナの木は結実後に枯れるのですが、根元から新しい芽が出て次世代へと移り変わる。毎年の成長と変化を見守れる楽しさがあり、なんだか自分の人生観にも合っていると感じました。またバナナの花は数か月楽しむことができるので『吹屋にひと花を咲かせたら面白いんじゃないか』と思い、数年前に植えてみました。こんなところでも立派に育つんだという意外性を表現したい思いや東京土産でおなじみ「東京ばなな」と同じように吹屋の名物にしたい気持ちもこっそりと含んでいたりして(笑)。実際に植えてみたら通りがかった皆さんが想像以上に驚き楽しんでくれている姿を見られて、自分もびっくりしています。


歴史的な街並みにとどまらない新しい個性を

ほかにもストリートピアノや「未来/過去とつながる電話ボックス」も大場さんのアイデア。周囲の伝統ある景観と調和しつつ独創性が光り、地域全体に新たな魅力をプラスしています。

筆者が滞在していた10月から11月には「カフェ紅や」の軒先に大場さん手づくりの干し柿が吊るされ、鮮やかなオレンジ色が秋の彩りを添えていました。風が冷たい日には店内の囲炉裏に炭がくべられ、パチパチと弾ける音が心地の良いBGMとして加わります。ユニークな発想と、四季折々の風景を大切にする姿勢の両方から、大場さんの地域への深い愛情が感じられます。


今後の展望を伺いました

大場さんがいま挑戦しているのは、GoogleMapのピンやリスト機能を活用した「バーチャル観光」プロジェクト。2023年秋に実施された『Pokemon Go』と地域のコラボに着想を得たほか『高梁 大人の里山留学生』にも刺激を受け(嬉しい限りです)、2024年秋から本格的に取り組んでいるそうです。

バーチャル観光が充実すると、自宅にいながら吹屋ふるさと村の景観や四季を楽しめるようになります。また実際に地域を訪れた際にも、観光案内中にマップを開いてもらうことで、これまでにはない視点で地域を堪能できます。紙媒体では難しい情報のアップデートも容易なため、観光ルートや道路状況といった情報収集の提供にも期待が高まります。

「吹屋ふるさと村を訪れたことがある人もない人も、地域での触れ合い方が楽しみ方が広がるきっかけになれば良いですね。」そう語る大場さんもワクワクした様子でした。

他のメンバーや行政とも連携を図りマップに掲載する写真やスポットの拡充に努めている最中とのことで、今後の発展がますます楽しみです。

↑ 一例。「吹屋の桜」とキーワード検索すると登録されたスポットが表示される


取材を終えて

「もんげー」と言いながら、ニカッと笑う大場さん。地域に対する熱い思いと豊富な人生経験が語るエピソードの数々に、時間を忘れて盛り上がりました。
この記事をお読みになった方が次回吹屋ふるさと村を訪れる際には、ぜひカフェ紅やの店内や周辺環境に目を向けてみてください。きっと大場さんの遊び心に溢れたこだわりが至る所に見つかり、クスっとしてしまうことでしょう。そして店の奥でタバコをふかす大場さんを見かけたら話しかけてみてください。また新たな吹屋ふるさと村の魅力の扉が開きますよ!

(インタビュー・文:大濵 萌)

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