男女が仲を深めるためには「おしりあい」が必要だ
諸君、いいですか。男女(彼氏・彼女・夫婦でも)と仲を深めたいなら、「おしりあい」をしてください。
——「おしりあい」ってなんやねん。
いいでしょう、わたくしがお答えします。
「おしりあい」とは、尻と尻をこすりあわせること、つまり「お尻合い」なのです。
……あ、ブラウザバックするのはお待ちください。
マジメな話なので、最後までご覧くださいね。
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独身の頃、私は狭いワンルームに住んでいました。
毎週末、そこに彼が泊まりに来ては、一緒にごはんを食べて、テレビを見て、狭い布団で眠っていました。
狭いワンルームに住んだことのあることならおわかりかと思いますが、キッチン・お風呂・トイレのいわゆる水回りは、大体同じ辺りに集約されていますよね。うちもそうでした。
キッチンに1人いると、もう1人がその後ろを通ろうとしても、とっても狭いのです。それぞれが平行にならないと、すれ違えないのです。そう、勘のいい人ならもうおわかりですね。
私がキッチンで晩ごはんを作っているとき、彼がその後ろを通りがかりました。
そして、尻がぶつかりました。
はい、「おしりあい」のはじまりです。
ちょ、ちょっと待ってください、帰らないでくださいね。まだ話は続きますから。
彼のプリプリした尻に、私は自分のぶよんぶよんの尻をワザとスリスリし、「これがほんとのお尻合い(知り合いとかけている)やな!ガハハ!」と言ってやりました。
するとどうでしょう、彼にはそれがかなりウケたようで。しばらくの間、「おしりあい」をしていました。
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それから数年後。
彼とは結婚し、今は一戸建てに住んでいます。
キッチンは広く、別に平行にならなくても余裕ですれ違えます。それでもなお、私たちは「おしりあい」を続けています。「おしりあいやな!」(まだ“お知り合い”とかけています。夫婦なのに)と言いながら。開発者の私だけではなく、旦那からしてくることも、もちろんあります。
でも、他人がこの現場を目撃したらどう思うでしょう?
おそらく、これを見ているだけでも「うっわ、さむっ!!ドン引きした」と思った方も多いでしょう。
私だって、他人夫婦がこんなことをしているのを目撃したら、ドン引きします。
だけど、これは、“笑い”の共創なのです。
大事なことなのでもう一度言います。“笑い”の共創なのです。
一方が提案したものを、もう一方が認めて採用する。もしくは、互いにプランを出し合って創造する。—そう、そんな“笑い”の共創が仲を深めるのです。
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私たち夫婦が共創したものは、「おしりあい」以外にもたくさんあります。
例えば、ムダに言葉を省略するお遊び。これは主に旦那がハマっているものです。
・ローストビーフ=ロービー
・ビッグリブ=ビーリブ(よくいくスーパーの店名)
・赤のれん=赤のれ(名古屋人ならおなじみ)
一般の人があまりやらないような省略の仕方で、しかもそのほとんどが一文字だけを省略するといった、実にムダな省略です。
最初は旦那がやりだしたお遊びで、私は「全然略せてへんやん!」とツッコんでいたのですが、徐々に私もウケを狙って同じようなことをし始めました。すると、それが当たり前のように定着していったという訳です。
これ以外にも、多くのものを共創してきました。ここには書き切れないほどありますが、あまりにも激寒なので割愛させていただきます。
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カップルが仲を深めるには、「思い出やヒミツを共有する」「共に過ごす時間を積み重ねることで、それが相手の一部になる」といったことも有効です。
中でも、“笑い”の共創はとても高尚なものになります。
なぜなら、自分たちが共創した“笑い”で、他人は笑えないからです。自分たちだけが笑えるからです。
これは「ヒミツを共有する」に近しいものがあるかもしれませんね。といっても、ヒミツなんて、そう簡単にできるものでもありません。
だったら、ハッピーな“笑い”を、どんどん共創しようではありませんか。笑って不幸な気分になる人はいませんから。
「いやそんなこと言われても、それってめっちゃ難しいんちゃうん?」とお思いの方!そんなことはありませんよ。まだ諦めないでください。入門編を伝授します。
・相手がウケを狙って言ったことで、なおかつ自分がウケたものをパクる
・ウケを狙ってヒットしたら、時を見計らってそれを繰り返す
めちゃくちゃ簡単でしょう?たったこれだけでいいんです。慣れてくれば、これをさらに発展させていくことも可能です。
“笑い”の共創を重ねることで、何が生まれるのか?それは、信頼です。
「こいつなら笑ってくれる」「こいつならわかってくれる」
これがいつの間にか、心と体に染みつくのです。
いいですか、仲を深めたい人がいるのなら、「おしりあい」をするんですよ。わかりましたね?
本日の講座は以上です。
サポートしていただいたお金で、旦那さんにごちそうするのが夢です。