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家でできる趣味がほしい〜イマジナリーねこ編〜(相馬 光)
前回までのあらすじ
家でできる趣味が欲しくて、PSPやペン字練習やウクレレを始めてみるも、PSPの電池が膨張。翌日なぜか相馬の親指も膨張し、趣味ができなくなってしまった。果たして相馬は趣味を見つけられるのか……?
あれから1週間経つ。
記事を公開してから色んな人に楽しんでもらったり、心配されたりした。
嬉しい限りだ。しかし、新たな趣味のご提案はなかったので、今回も自力で趣味を探す。
ちなみに親指はすっかり良くなったので、ペン字を再開している。
29ページまできた。
進歩してるかどうかはまだわからない。
この本をくれたかつての同僚が書いた新たなコメントが発見されたので載せておく。
そりゃないぜ、と思いながらも、初めて見たものを親と思う雛鳥の心境で今日も書く。
そりゃないぜと思いながら書いた「サラダ」、「ホテル」、「マナー」。
しかしペン字以外の、新たなことにもチャレンジしたい。
それでふと思いついたのがこれだ。
前回、世田谷アメ子氏の記事で書かれていた「イマジナリーねこ」だ。
公開前に記事を読んで、なぜだか心がざわついた。公開後も数名、この記事を読んでざわついたとの報告がきている。
記事の宣伝のためにTwitterに載せようとしたらこんな表示が出たので、Twitterの人たちもざわついたんだと思う。
ちなみにこれが本来のツイート。
世田谷アメ子氏からのコメント。素直に怖い。
でも正直、「イマジナリーねこ、楽しそう」と思ったのも事実だ。「やってみたい」と思った。
我が家はペット禁止のアパートなので、束の間の猫ちゃんライフを楽しめるかもしれない。
いいじゃないか。荒んだ心にペットセラピーだ。
早速やってみよう。
これを、
こうして、
こう……か?
雑に丸めた布が完成した。
素材はもっと毛のある、フワフワしたものが良いとわかった。
あと柄も動物っぽさのあるものが良いのだ。
しかしほどほどの布が見つからない。
またしても趣味ならず、なのか……?
そう思った時に、見つけた。
ネックウォーマーだ。
見た瞬間に「あっ、これだ!」と思った。
敏腕マネージャーが新たな才能の原石を見つけた時、こんな気持ちになるんじゃないか。
君はまだただのネックウォーマーだ。
だけど、僕を信じてついてくるんだ。
そうすれば、きっと君は……ステージ(座布団)で輝ける逸材(イマジナリー何か)になれるのだから……!!
動物っぽい!大きさ的にはねこというよりもっと小さい動物だ。
具体的に何っぽいだろうか。
ハリネズミだ!ハリネズミっぽい!
でも毛はやわらかい。痛くない!撫で放題だ!
ついに私もイマジナリーハリネズミを手に入れた。
さっきまで首に巻いていたものとは思えない。
それくらいちょっと動物として見てしまった。
これなら生命が宿っていないから大家さんにも怒られない。
楽しかった。時間を忘れてイマジナリーハリネズミの写真を撮っていた。
だけど、これを趣味として持続していくにはどうすればいいんだろうか。
今ハリネズミを見つけたところがこの趣味のピークな気がする。
毎日可愛がるのもアリだが、そうなると”いよいよ”な感じもする。
もしかして、また振り出しに戻った……?
という訳でまた家でできる新たな趣味を募集します。
「これなら家でできそう!」と思ったものは、実際にやってみて来週その模様をご報告いたします。
それでは。
雑に丸めた布になつくイマジナリーハリネズミ。
相馬 光(そうま ひかる)
文芸をやっている。脚本を書くことが多い。
脚本『新米姉妹のふたりごはん』
脚本協力『グッド・ドクター』、『ストロベリーナイト・サーガ』など
第29回フジテレビヤングシナリオ大賞佳作『サヨナラニッポン!』
第28回フジテレビヤングシナリオ大賞最終選考『余命60秒』
インターネットウミウシ名義で『書き出し小説大賞』と『文芸ヌー』にも書いている。