第二段 自己分析やった気にならない問題に答える

今回は前回書ききれなかった自己分析について書きたいと思います。

自己分析ってめっちゃ大変ですよね。しかも頑張ったのに、結局何がしたかったのか分からなくなることってありませんか?今回は就活生がよくつまづくポイントである自己分析について解説していきたいと思います。

なぜ自己分析はやった気にならないのか

就活生「自己分析が大事って聞いたから、とりあえず本買ったぞ!高かったけど先行投資やな。これをやったら立派な就活生になれるんやな。ページ数多いけど頑張るぞ!」

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就活生「20ページぐらいやったし、とりあえずこれでええやろ。......結局これで何が分かるん?結局、自己分析って意味ないやん!」

こんな体験ってしたことないですか?面談をしているとよく聞くエピソードです。
確かに、現状の就活は自己分析至上主義とも言われるほど自己分析が重要視されていますし、実際、自己分析はとても大事だと筆者も思います。しかし、「自己分析をとりあえずやったほうがいい」というアドバイスが先行しすぎて、自己分析をする理由を考えずに自己分析する人をよく見かけます。

頑張って自己分析したのにやった気にならない理由。それはずばり、自己分析をすること自体が目的になっているからです。自己分析とは自分の価値観やモチベーション、長所短所、価値の出し方や、合う人や集団など、自分のこと全般について言語化し、自分を知る行為です。しかし、いくら自分に対する情報をたくさん知っていても、その情報をどう生かすのかという視点がなければ価値を発揮しません。

例えば、今日の「天気は雨」という情報を知っているだけでは価値を発揮しません。しかし、出先に傘を持っていくか判断する、布団を干すか否かを判断する、運動会の決行を判断するなど目的ができることによって価値を発揮しますよね。

つまり、「なぜ自分を知るのか」という自己分析の目的を設定する必要があるのです。この目的を設定しないと、手段ではなく、自己分析をすること自体が目的になってしまい、「自分のことが分かった...けど意味あるの?」という疑問が浮かび、やった気になれない問題に陥ることになります。

これは自己分析の本ではあんまり意識されていない部分だと思っていいます。自分の知り方は教えてくれるけど、結論の出し方は教えてくれないんですよね。だから頑張って何冊かやっても遣った気にならない。本のまま自己分析するのではなく、あくまでも本はツールとして自己分析することを意識してほしいです。

自己分析をする目的

就活をする上で自己分析をする目的として筆者は2つあると考えています。(人生を豊かにするなど、自己分析をする文脈はほかにもあると思いますが、今回は就活という文脈に限って書きます。)

①会社を選ぶ基準(就活軸)を設定するため              ゴール:選考を受ける会社を決める

②選考で自分をアピールするため
ゴール:ESや面接で問われる自己PRやガクチカを作る
(志望動機は、「会社を選んだ基準」を問われているので①に該当する。)

※今回の自己分析は会社が求めていることを考慮せずに、自分出発で自己分析を行うことを前提としている。「会社に合わせた選考用・自己分析」もあるのでその方法について別の機会に書く。

それぞれの目的によって、最終的なゴールや深堀の仕方などが変わってくるので解説していきます。自分の目的のために選んで活用してください。

①会社を選ぶ基準を設定するため

自己分析をする第一の目的としては会社を選ぶ基準、いわゆる就活軸を設定するためという目的があります。なぜ会社を選ぶ基準を設定する必要があるのかについては第一段を読んでもらうとわかりやすいです。

就活は会社が就活生を選ぶというイメージがあるかもしれませんが、その前に就活生が会社を選ぶというフェーズが必ず入ります。選考も受けずに落とされる訳ないですからね。しかし、世の中には会社が270万 6 ,627社あるらしいです。(平成29年会社標本調査結果より)これを一つ一つの会社の説明を受けたり、HPを見て判断するのは不可能ですよね。(仮に1社あたり15分で済ませたとしても77.2約年かかるので終活が始まりそうです。)なので、「会社を選ぶ基準(就活軸)」が大事になってきます。

では、自己分析を使って就活軸を設定するには具体的にはどうしたらいいでしょうか?

Ⅰ)最終的にどんな項目を出したいのかを考える

Ⅱ)Aの項目が出てくる質問を作る

Ⅲ)Aで出した項目に当てはまるようにまとめる

というやり方で僕は普段面談しているのでそのやり方を紹介したいと思います。

Ⅰ)就活軸を設定するために出したい項目を考える
 まず、就活軸を設定するために自己分析で最終的に理解している状態になっておきたい項目について解説します。
例えば...
・モチベーション(どんな環境・状況で頑張れるのか)
・合う人や集団
・大切にしたい価値観
・描くキャリア
などがあります。これらを最終的なゴールとして自己分析を進めていきます。

Ⅱ)Aの項目が出てくる質問を考える
 次に、上の項目を得るために自分自身に質問をしていきます。
僕が面談で聞く基本的な質問は以下です。(大学生活を想定しています。)

・自分で認知している性格:どんな性格だと思う?どんなキャラ?
・所属する組織・サークル:なぜその組織に入った?大変なことをどうやって乗り越えた?どうして続けれたorやめた?
・友達:どんな人と仲よかった?
・バイト:なぜそのバイトを始めた?どうして続けられたorやめた?
・好きなもの・嫌いなもの:(何でもいいから)好きなもの・ことは何?
・恋愛:どんな人と合う?
・高校から変わったこと:高校から変わったことはある?
・未来:どんな生活をしたい?どんなライフプランを考えている?理想のライフスタイルは?

1時間半ぐらいの面談であればこれぐらいの質問をします。3時間コースを覚悟するのであればこれを幼少期、小学校、中学校、高校のそれぞれで聞きます。

ポイントは、行動の理由やきっかけを聞くことです。自分はなぜ頑張れたのかやなんでそんな行動を取ったのかを言語化するイメージです。

Ⅲ)Aで出した項目に当てはまるようにまとめる
 Aの段階でモチベーション、合う人や集団大切にしたい価値観、描くキャリアを知りたいと思っていましたよね。これらの項目が出るようにBの回答をまとめてみましょう。

その際には「社会人になっても再現性のありそうなものか」「会社を絞り込めるか」を満たしている項目にしましょう。社会人になっても再現性があるとは当たり前なようですが、社会人になって使えないものだとしたら基準として意味がないからです。また、会社を絞り込めるかは基準として機能しなかったら意味がないからです。例えば「誰かの役に立つ仕事」みたいな軸はほぼ全ての仕事に当てはまってしまうので基準として役立ちません。

このように、最初にどんな項目にしたいのかを考える→そのための質問を作る→もとの項目に合わせるというやり方で自己分析するとやりやすくなりますね。

②選考で自分をアピールするため

 自己分析をする目的の2つ目としては選考で自分をアピールするためがあります。これは、ESや面接で自己PRを書くときや「あなたの長所と短所を教えてください。」などと聞かれたときに使います。する理由はもちろん、選考で受かるためですよね。
これも上のABCに当てはめて考えてみましょう。

A)選考で自分をアピールするために出したい項目を考える
 選考で自己をアピールするために必要な項目なので会社にどう貢献できるかという視点で項目を考えましょう。
例えば...
・強み、弱み
・価値の出し方(どんな環境で、どんなプロセスでどんな自分の力を発揮するか)
・キャラクター
・スキル
などがあります。これらを最終的なゴールとして自己分析を進めていきます。

B)Aの項目が出てくる質問を考える
 次に、上の項目を得るために自分自身に質問をしていきます。
僕が面談で聞く基本的な質問は以下です。

・所属する組織・サークル:どんな役割、ポジション、キャラクター?1番成果を出したことは?大変なことをどうやって乗り越えた??
・バイト:どんな役割、ポジション、キャラクター?大変なことをどうやって乗り越えた??どうして綴られたorやめた?
・周りからどんな人だと言われるか
・1番成果を出したこと(大学or人生):どうやって成果を出した?
・1番挫折したこと(大学or人生で):どうやって挫折を乗り越えた?

ポイントは、自分が組織でどんな価値を発揮できるのかを説明できるようになることです。自分はなぜ頑張れたのかやなんでそんな行動を取ったのかを言語化するイメージです。

C)Aで出した項目に当てはまるようにまとめる
 Aの段階で強み、弱み、価値の出し方、キャラクター、スキルを知りたいと思っていましたよね。これらの項目が出るようにBの回答をまとめてみましょう。

まとめ

 ここまで2つの目的別の自己分析の方法について書きました。画像でまとめておきますね。

スクリーンショット (97)

この方法で自己分析することで就活で活きる自己分析ができると思います。
就活頑張ってください!