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いつか見た夢
gigi閉店で私にできること
2023/5月某日
gigiの閉店は急に決まった。私が知ったのはGW直後だった。
みんなだいたいそんな感じだった。
そこからいろんな人間がgigiのためにできることをした。
ある人はイベントを企画し、ある人はチャリティステッカーを販売し、ある人は毎日通ってお金を落とした。
私にできることは何か・・・考えてたらはるねの成人式撮影を閃いた。
17周年のgigi、20周年成人のはるね。
彼女の人生はgigiと共にあった。
彼女に提案したら快諾してくれたので、急ぎ日程を決めて衣装屋と美容師のスケジュールを押さえて取り掛かった。
彼女のことを昔から知るカメラマンは他にもいただろうが、5/21のタイミングで名乗り出る人もいなかったので僭越ながら私がやらせてもらおうと思った。
撮影は、5/29の昼にやることになった。
私の最初で最後のgigiでのイベントだった。
はるね 成人式撮影
5/28の岩谷さんの還暦祝いイベントを終えた5/29
gigiは終焉を迎え、皆が5/31の退去に向けて気持ちを切り替えて片付けを始めていた。順治さんは前夜も遅くまでいたというのに朝8:00過ぎから片付けを開始してた。
私は、10:30にgigiではるねと待ち合わせをしていた。到着するとすでに片付けはだいぶ進んでいた。
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合流して友人の美容室へ連れて行きそこで着付けしてもらった。
無事着付けを終えてgigiに戻りヘアメイクを開始した。
しかし、我々が美容室に行ってる間にメイク道具が片付けに巻き込まれてどこかの段ボールに入ってしまっていた。捜索したり、諦めて買い出したりと難航した。しまいにははるねが鼻血が止まらなくなった。晴れ姿を見に来たJET嬢に心配されながらまずは止血を優先した。
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しばらくして鼻血も無事止まった。12:00開始予定の撮影は、13:30からスタートとなった。
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いつか見た夢
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数年前か、数ヶ月前か、思い出せないがある夢をみた。
それを上の写真のシーンを見た瞬間強烈に思い出した。
あまりにも酷似していた。
特に着物のはるねとオセロ、雑多な部屋
どう考えても以前夢で見たことのある光景だった。
その時の夢で誰かが言ったこの言葉がずっと残っていた。
「所詮お膳立てされたものしか撮れない」
あるがままの現場を記録する。なるべく手をつけずどこまでも客観的に見て撮る。それが私みたいな現場を記録する写真家の矜持だ
と、かつては思っていた。
だから上記の言葉の意味は大いに理解できる。理解できるのだが、この夢での言い方はどちらかというとネガティブな言い方だったと記憶している。
所詮お前は、クリエイトしてるわけではない。
被写体がお膳立てした現場を撮るにすぎない。
そこに写真家の想像力など、まして個性などない
みたいな感じの意味と捉えていた。
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しかし、現実はどうだ。この撮影は私が企画したものだ。
そう、このお膳は私がこさえたものだ。
いつか見た夢のあの言葉、ここに来て覆したのだ。
なんとも不思議な気分だった。
このオセロの場面を撮りながらなんとも言えない気持ちが駆け巡った。
どう解釈しようか半日ほど考えた。
これはきっと成長なのだろう。
夢を見たかつての私には、この現場を作り上げる実力は備わっていなかった。
そこから私なりに一番大事なことを修練して積み上げて会得したことで、やっとこの現場を作り上げることができたのだ。
デジャブを感じたことは人生で何回かあるが、もう忘れた。
しかし、今回のことは忘れたくないので記載しておく
何をみても何かを思い出していたい
はるね、撮らせてくれてありがとう
順治さん、今までgigiをやってくれてありがとうございました。
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