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若者が福祉を語る⑤新年早々親子の絆が試される『アルコール依存症』

明けましておめでとうございます🌅
2025年、始まりました。今年は巳年です。

1月6日より私も仕事始めとなりました。新年早々バタバタ。9連休明けの福祉職、「あれがないこれがない、出来ない。飯がない。病院に行きたい。」色んな電話から幕を開けました。

頼むからお金の使い方には気をつけてくれ、と思いながら対応しておりました。正直怒涛です。

SUPER EIGHTの二十祭のことも書けませんでした。残念。
大阪でオーラスを終えたそうです。異例の4時間越え。本当にエイトには感謝することばかりです。まあその話は後ほど。

年始のディズニーシー


皆様お正月はどのようにお過ごしになられましたか?
休みなんてなかった方もいらっしゃるでしょう。本当にありがとうございます、お疲れ様です。
連休をお過ごしされた方はゆっくり日頃の疲れを癒せましたでしょうか。

私は旅行先でトラブルがあり最悪な正月の幕開けでしたが、後日ディズニーシーに行って参りました。
それからグランメゾン東京を一気見して、グランメゾンパリに漕ぎ着けました。そんな1月前半。

そして後半に差し掛かったある日。
ある1人の高齢者の女性が私の元を訪ねてきました。

『息子がアルコール依存症で家の前で雨の中倒れていた。息子を引っ張れない高齢の私はどうしたら良いでしょうか。』

自宅で親子2人暮らし、息子はアルコール依存症の無職40代、母要支援2の70代。母の年金で暮らす毎日。夫は半年前に他界。

アルコール依存症で前々から病院には通っており、飲まない時は全然問題ないそうなんですが、飲んでしまうと歯止めが効かず色んなところで飲み明かしては倒れ、近所の方から連絡があったり警察から連絡があったり。入院しても出たいと出てきてしまい、入退院を繰り返す日々。

私は世帯分離して生活保護視野、更生施設への入所を提案しました。

でもお母様は言うのです。

『あんなんでも息子ですから……可愛いんです。可愛がりすぎました。私は車もないもので、息子が施設に行ってしまったらもう会えないのではないかと思ってしまうんです。私も弱い母親です。駄目ですよね。』

弱い、そうでしょうか。
でも、事実息子様はそのお母様に甘えてしまっているのだからやはり弱いのでしょうか。

強く背中を押して、『アルコール依存が治るまで戻ってくるんじゃないよ!』と言うべきでしょうか。
でもその間にもし、自分が死んでしまったら?旦那様が亡くなり、敏感なようです。

多分、お母様を助けたい思いでの理論でいけば、私のお教えしたことは正解だったと思います。

息子様と世帯分離をして、お金を切り離す。息子様は生活保護を受給して、お母様はご自身の年金で暮らす。そして施設に入り、生活を安定させる。

だけどお母様は言うんです。

『息子と離れたくない。あんなんでも可愛いんです。でも倒れている息子を引っ張り上げられない。引っ張るのも甘えですよね。頑張って治してほしいとも思いましたが、そうすると私の気持ちが辛くなる。だからもうやめました。せめて自力で家の中に入れって言いました。ただそれだけしか言えなかったんです。怒っても無駄だから。』

感情論が入ってしまっては、どうすることも出来ませんでした。

福祉には色んな役割があります。

買い物に行ったり排泄入浴介助などするヘルパー、介護、生涯サービス計画策定をするケアマネや相談支援専門員、生活保護や介護保険に携わる福祉事務所、地域福祉や在宅福祉にてサロンの支援や日常生活自立支援事業を行う社協、裁判所からの審判を得て本人の代理人となる成年後見人、介護ベッドや杖のレンタルを行う福祉用具の事業所、障害サービスの就労事業所、介護、障害の施設職員などなど。

一例を挙げましたが、まだまだ。
福祉の業界には沢山の支援者がいます。

ですが、一時的な支援ではなく継続的な支援がほとんどです。
アルコール依存症の方を引っ張り上げるためだけに派遣されることはないです。

福祉に携わる者は『家族』ではないのです。

お辛いお母様にこんなこと言うのもどうかと思います。だから当然目の前では言えません。
ただ、残念ながらこれが事実です。

おそらく私たちがこの家族に出来ることは今はありません。
お母様が動けなくなり、子供を残して逝くことに不安を覚えてからなら出来ることがあるでしょう。

そのためただ話を聞くだけの相談になってしまいました。ご足労いただいたお母様には本当に申し訳ないです。

ですが最後。
『話を聞いてくれてありがとう。この状況を福祉の人が知っていてくれるだけでも違うわよね。』

そう言ってくださいました。

解決策は見出せないかもしれません。
正解はあっても、感情が優先されることもあります。

それでも、話を聞くだけでも。
少しでも、相談者の方のお気持ちが軽くなるのならあの時間は無駄ではなかったのではないでしょうか。

どうかこの先、解決の糸口が見つかりますよう。

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