thrill me & stock market
4/14(土)のジュルネ成福回観劇。待ってたよ!!!!
2019年版を観劇した時はクオリティの高さにおっかなびっくり。特に53歳成河レイが怖すぎて、背筋が凍りっぱなし。なんだか、おどろおどろしいものを見てしまった。福士リチャードというキャラクターの掴み所が無さすぎて、なんだかよくわからない人だったな。という感想を抱き、震えが止まらないーと思いながら帰路についたのを昨日のことのように覚えています。
2021年版におどろおどろしさは一切無く、肩の力を抜いてリラックスしながら観劇できました。心地のよい疲労感を感じながら劇場を出られる幸せを噛み締めながら帰路へ。19歳を演じている二人の疾走感と53歳成河レイの酔生夢死。成河レイはあざと可愛く進化していたし、福士リチャードは感情の起伏が激しくなっていて、承認欲求がとても強い人に。
父親から蔑ろにされていることに心を乱す福士リチャードと「もう我慢できないどうか僕の方へ」と、リチャードを強く求める成河レイ。福士リチャードにとって成河レイは、ぽっかり開いた心の穴を埋めてくれるような、寒い時に温めてくれるような、そんな人なのではないのかなぁ。でも福士リチャードは成河レイが暑苦しく感じたり、成河レイの深淵に飲み込まれそうになったら離れる。みたいな感じなのかも…。
「♪死にたくない」のシーン以外でも、リチャードの弱さや脆さが浮き出て見えるアプローチに変更したことによって、幼少期のレイに、自分がリチャードを支えなくてはならない使命感が生まれて、それが年月を経てクソデカ独占欲に変化していったからこんな事件が起きてしまったのかなぁと見受けられました。
そして観劇をしていて驚いたことがありました。
「♪死にたくない」のリチャード…
決算跨ぎ失敗したときの私(深読みみ)みたいじゃない…???
深読みみは前回のスリルミーから今回のスリルミーまでの2年半、積極的に株式市場に参加していました。動機といえばそれは演劇と共に生きてゆくため〜。
四半期ごとに発表される決算の良し悪しで、会社の株価が修正される(大きく下落-上昇する)イベントがあります。
昨年度の第2四半期の決算で私はDX銘柄をメインにポートフォリオを組んでいたのですが、予想に反する決算を叩き出す会社が多くて、毎晩「♪死にたくない」のリチャードみたいな感じでした。
コロナ禍。リモートワーク。市場はDXに追い風。手当たり次第DX銘柄を漁っていました。ただ、DXブームとはいえ、昨年度の業績と比べて実際の業績が上向いたのは、ほんの一部の会社だけでした。ブームブームと煽られ膨れ上がった株価は一気に下落。私は貧乏くじを引きまくっていたのです。これがバブルか!!ちくしょー!!!希望は売るもの!!!
スったもんだありましたが!
せっかく新しい視点で物語を見つめることができたので!!
今回も!!! l‘m trying to think!!!!
スリルミーは1924年にネイサン・レオポルドとリチャード・ローブが起こした殺人事件をモデルに制作されたミュージカル。
殺人事件の判決は終身刑+懲役99年。リチャードは1936年刑務所内で囚人により刺殺される。ネイサンは1958年に仮釈放が認められて出所。
2003年に初演が上演され、2005年にオフブロードウェイで上演。
事件を起こしたネイサンとリチャードの年齢は19歳。懲役はLife Plus 99 Years
二つの数字をそのまま組み合わせると1999という数字が浮かび上がることや、
スリルミーのレイ(ネイサン)が自分の眼鏡を故意に落としたように、市場にも、故意に株価を上げたり落としたりして、市場参加者を巻き込みながらぼろ儲けしている人が居ること。
これらを踏まえると、1999年に頂点に達したドットコムバブルと2000年に起きたバブル崩壊を経験した客席の投資家たちに強く支持されたのではないかと考えられます。
2003年はナスダックどん底の年。そんな一番暗い年に、世界大恐慌周辺の時代の話を掘り返すということと、ニーチェの永劫回帰という思想を持ち出すということは、市場は再生し、より強固なものになるというメッセージをはらみ、客席に希望の光をもたらしたことに他ならないと感じました。
レオポルドとローブ事件当時の時代背景がわかり易いコラム→米国株式市場に「黄金の20年代」が再び到来したのか
1918年〜1921年のスペイン風邪パンデミックを克服したアメリカは、グレートギャツビーなどで描かれる黄金の20年代へ突入。
犯罪を犯したことで、1929年世界大恐慌や1939年〜1945年第二次世界大戦中を自国が用意したシェルターの中で、自国から最低限の生活と命を保障された人たちがいたということが浮き彫りに。
スリルミー時系列のダウチャートを参照すると、保釈されたネイサンは黄金の20年代の後半から33年間獄中で過ごすことにより、不景気をうまく回避していることがわかります。なんという強運。コロナ禍初頭にアメリカで暴動(窓を割って何か盗む)を起こした人の中には、これを狙っていた人もいたのでは...?
劇中殺人の標的になったのは10歳くらいの子供。実際の事件で殺害されたのは16歳。
これは10年の周期で起こる比較的小規模な金融危機にすり合わせているのでしょうか?
劇中に出てくるニーチェの思想、永劫回帰を株式市場に当てはめる。
ある瞬間と同じ瞬間を永劫に繰り返すという表現は、移動平均線とローソクチャートの動きや、オニールの成長株発掘法や同氏の空売りのパターン、出来高の増減による株価の変動、金融危機が起こるまでの道程など、様々な要素にぴったりと当てはまります。市場は長いスパンでも、短いスパンでも、ひたすらに同じ運動を繰り返しているのです。
これらのことからスリルミーとは、好景気のあとに巡ってくる不景気という資本主義社会が患う病と、それに対する向き合い方について色濃く書かれている作品なのではないかと思います。不景気の間、どのように市場と向き合う(空売りで参戦する/ナンピンし続ける/市場が落ち着くまで市場から離れる)のかは自分の投資スタイル次第。
歴史の中に埋もれてしまった事実は今や私のもの〜!
ところで日本の市場は?今後どうなのか。
1989年の大納会で日経平均3万8957円44銭を記録してから屍超えて拓いた約30年。本日(4/15)の終値は2万9642円。
アノマリーはあれど、世界基準の投資ファンダメンタルに後押しされると悲観的に構えるほうが難しいような気がしました。
10年後、20年後を見通して投資活動をすることや、自分の成功体験も失敗体験も忘れないこと、常に自分と対峙することの重要性を教えてくれるスリルミー。
人生の岐路に立つたびに思い出したい。このノートを書いていて、私にとってスリルミーはとても大切な演目なのだなぁと深く実感しました。
これからも末永くスリルミーの再演を!
よろしくお願いいたします!!!!