【Vol.13】みんなが気軽に相談できる場所づくりを|飯島章太さん in 横瀬
皆さんこんにちは。新しい働き方LABの3期生として活動している、ライターのふかとみです。
6月から、LIFULLさんが全国に展開するワーケーション施設、LivingAnywhere Commons(以下:LAC)に滞在し、そこで出会う人の話を聞いていく中で、自分の働き方にどんな影響があるかを調べています。
8月は、LAC横瀬(埼玉。秩父のとなり)に行ってまいりました。
LAC横瀬でお会いしたじまさん
LAC横瀬に到着した際、きょろきょろしていた私にあたたかく声をかけてくださり、拠点内を案内してくださったのが、飯島章太さん(以下:じまさん)でした。
最初はLAC横瀬のユーザーだったじまさん。現在は横瀬の近くに住まいを移されたそうです。
そんなじまさんの働き方や、移住に至った経緯などをお聞きしました!
今の働き方・暮らし方
-- 今はどのような働き方をされているのでしょうか?
今は、ライターのお仕事と、横瀬町にある1棟貸しの宿のエリアマネジャーをやらせてもらっています。
エリアマネジャーの仕事としては、宿のチェックイン・チェックアウトの対応などをしていて、その仕事が落ち着いたらライターの仕事をして、という感じです。
-- おもしろい組み合わせですね!横瀬で仕事を見つけるまでの経緯をお聞きしてもいいですか?
はい。
もともとは、ライターの仕事をメインでやっていました。
2022年6月頃、東京の企業さんからお仕事のお誘いを受けていたのですが、同じタイミングで地域おこしにかかわるお仕事のお誘いも受けていて、それもいいなと思ったので、まずは横瀬に来てみました。
ライター以外に地域でできることはないかな?と悩んでいたときに、LACや隣のArea898(エリアはちきゅうはち)に関わっている田端さん・大野さんに「移住を考えているんですが、何かできることないですか?」と相談して、お仕事を紹介していただき、そこで半年ほどお手伝いさせていただきました。
それ以外にも、ご高齢の方からのスマホの相談や、秩父の地域のニュースを記事にする仕事など、いろんな仕事をさせてもらいましたね。
そんな中、2022年12月くらいに、LACの施設管理等もやっている杉本さんと知り合って、事業を大きくしていく予定だから人手が欲しいという話を聞きまして。それがエリアマネジャーの仕事でした。
-- 地域の方といろんな仕事をされる中で、今の仕事に出会ったんですね。
LACとの出会い
-- LACと出会ったきっかけを教えてください!
2021年11月くらいに「地域創造合宿」という、地域の事業所から話を聞いて、その事業所にプレゼンをする合宿に参加しました。その時の宿泊拠点がLAC伊豆下田だったんです。
ちょうどそのタイミングでフリーランスになると決めていたので、個人的にもLACを使ってみよう!と。
もともと児童相談所などで子どもと関わる仕事をしていて、今の自分のスキルをどういうふうに生かせるかを探したくて、いろんな地域に行ってみたいなと思っていたので、LACを使い始めました。
主に伊豆下田(静岡)、田川(福岡)、石巻(宮城)、会津磐梯(福島)、ひたちなか(茨城)…などに行きましたね。
いろいろ回っている中で、LACの運営の方に、「今度横瀬で子どもの居場所(=NAZELAB:ナゼラボ)ができるから、行ってみたら?」って教えてもらって。全然考えてなかったんですけど、「じゃあ行ってみるか」って2022年6月下旬位に来てみたんです。それが横瀬に来たきっかけでもありますね。
-- LACユーザーとして来たのち、住まいを移したのはどんな理由があったんでしょうか?
そうですね…。
いろんな仕事を任せてもらえるようになったこともありますが、こういう拠点があるのが珍しいなって思ったんです。地域の人、行政の人、LACの人がいて、交流できて。
まあ、言ってしまえば少しざわざわするじゃないですか(笑)。雑談も多かったし。
でも、それが良かったんですよね。
当時2021~2022年でコロナの影響が多くて、対面で出来ることも少なかったし、オンラインでやることも多かったので。LACのような、現地で何かできる場が貴重だったんですよ。
こういう場所が日常的にあるんだ、っていうのがよかったです。
あとは、横瀬は地域としてもおもしろかったんですよね。
もともと大学~大学院では地域研究などをしていたので、武甲山が象徴とされる横瀬は、自分にとってはリアルな場所だったんです。
高度経済成長の中で武甲山が削り取られていって、その中で産業が生まれて。同時に複雑な思いをする人もいて、明らかに白黒つけられない場所でもある。
でも、それがあることによって都市が生かされていたり、作られていったりするっていうのが、地方と都市の関係性をよく表してるし、その中で地域も作られている存在でもある、というのが、等身大のように感じられました。
もともと私は千葉県の柏市出身なんですが、人口も何十万といて、地域性はあるんですが、なかなか感じにくいなと思っていて。
でも、横瀬町は人口8千人以下の町で、自分がどういう場所にいるのか、ということが自分のいた地域と比べて身近に感じられたし、等身大でいられる場所だなと思ったんです。そういう地域のリアルも感じられて、おもしろいなと。
LACという場と、地域のおもしろさ、災害の有無など、色々な要素が重なって、横瀬に住むのもいいなあって思ったんです。
じまさんの挑戦
-- LAC横瀬のキッチンには、じまさんが淹れてくれたコーヒー「じまコーヒー」がありますよね?あれ、とってもいいなと思って。美味しくいただいています!
ありがとうございます!
-- どういった経緯で「じまコーヒー」は生まれたんでしょうか?
もともと、自分がコーヒー好きだったので淹れていたんですよ。そのうち、他の方も飲むかな?と思ったので、「淹れときますわ」ってやってたら、あんな感じになって(笑)。
LAC横瀬にいるボードゲームデザイナーのスイタ氏さんが、その様子を見て名刺代わりのコースターを作ってくれて、現在の形に落ち着きました。
コーヒーもそうですが、ああいうのがあると交流になるんですよね。LACの宿泊者もそうだし、地域から来る人、コミュニティスペースを使っている方とも交流のきっかけになったりとか。
昨日お話した方は、そこでコーヒーを飲んでて、「私も飲んでみました」って話しかけてくれたりして、気軽な交流のきっかけになるなって。
最初はそこまで想像していなかったんですが、今はコーヒーを通して自分自身が交流の場所を作れたらいいなと思っています。
-- 私もコーヒーを頂いたときにじまさんに話しかけるきっかけができて助かりました…。ありがたいです。
それとは別に、「ただ話きく人」という看板も見かけるのですが、これもじまさんの発案ですか?
そうですね!
大体私はコミュニティスペースにいるので、気軽に話しかけてくださったらありがたいな~と思って看板を出してみました。
最終的につなげたいなと思っているのは、みんなが気軽に相談できる場所づくりですね。
実はもともと児童相談所の職員や、こども電話相談のボランティアなどを長くやっていて、子どもたちや福祉関係のお仕事をされている方と一緒に勉強会をしていたんです。
そうすると、例えば転職もそうだし、この先どうしようとか、メンタル的なこととか、相談を受けることがあったんですよね。
その時は基本的にはオンラインだったんですが、もともと関係性をつくっていたから色々話してもらえたこともあったので、そういう場所が地域でもできたらいいなあと思っていたんですよ。
もちろん、地域でもそれぞれ課題はあるし、ヤングケアラー※もそうなんですけど、子どもたちは子どもたちで大変で、抱えている問題や悩みもあります。
だから、堅苦しく「相談」じゃなく、気軽に「話しましょ」「交流しましょ」っていう意味を込めて、やっていますね。
将来的にはもう少し福祉関係の方たちが気軽に話してくれて、実際に専門機関につなげられるなら、つなげていきたいなと思っていて。そこを見据えてやってみようと。
ヤングケアラーの勉強会も、少しずつ続けていきたいなと思っています。
-- たしかに、「相談」とかしこまっているよりも、少しラフに話せる場所がいつでもある、というのは気持ち的に楽になりますね。
じまさんのおおらかさもあって、地域の方が気軽に話せる場所になりそうです。
これからLAC横瀬へ来る方へ
-- じまさんにとって、LACとはどんな場所か教えてください。
いろんな意味がありますね。
仕事場でもあるし、普通に休みの日でもここにいるし。人と交流する場所っていうのもあるし、ご飯を食べる場所でもあるし。
交流の場であり、生活の場でもあるという感じです。
-- LAC横瀬に来る方に、横瀬町をどう楽しんでほしいですか?
横瀬町は大々的な観光地というよりは、日常生活する人や暮らす場所が多いところです。
なので、逆に言えば、ここに来た方が 「あ、こういうところいいな」とか、そういうのを自分で見つけ出せるような場所でもあるんですよね。
観光ルートなどに縛られずに、自由に気の向くまま見つけられる場所なんです。
そういう意味では、自分がやりたいことだとか、「こういうとこいいな」とか、逆に「こういうとこはちょっと合わないな」みたいな、自分に合う・合わないとかが見つけられるんじゃないかなと思います。
じまさんのこれから
-- じまさんが今後目指す姿や、働き方を教えてください!
仕事もしつつ、今やっている非営利活動(ただ話きく人・ヤングケアラーの勉強会など)もやりつつ、うまくバランスを整えながらやっていきたいですね。
非営利活動だけでは生活が難しかったり、制約があったりするので、営利活動を少しずつ伸ばしつつ、それと同時に非営利活動も伸びていく、みたいな形にできたらなって思っています。
そういった活動を通して、みんなが気軽に交流できる場所、相談できる場所づくりをしていきたいですね。
インタビューを終えて
自分のやりたいことを実現するために、いろんなチャレンジをしているじまさん。
じまコーヒーも、ただ話きく人も、ヤングケアラーの勉強会も、すべて無償の活動だけど、LAC横瀬に関わる人たちの交流の場として、すでに根付き始めている様子が伝わってきました。
じまさんのあたたかい人柄と、相手を否定せず聞いてくれる姿勢が、みんなの「話しやすさ」を作っているのだと思います。
また、収入の柱を別でしっかり持つことによって、自分がやりたいボランティアなども安心してできる。
必ずしも、「やりたいことだけでマネタイズしなくてもいいんだな」と、改めて考えさせられました。
***
インタビューにご協力いただいたじまさん、本当にありがとうございました!
いつ話しかけてもにこにこ優しく対応してくださるじまさん。とても話しかけやすく、安心できる存在だなと感じました。
LACがさらにたくさんの方と気軽に相談できる場になりますように。応援しています。
▼じまさんが2022年にLACのアワードを受賞されたときの記事はこちらから
▼LAC横瀬でのインタビュー!スイタ氏さんの記事もぜひ
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます^^読んでいただけることへの感謝の気持ちを忘れずに、丁寧に言葉を綴っていきたいです。どこかでお会いしたらぜひお話を聞かせてください!