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令和6年度補正予算案の概要

政府は令和6年度の補正予算案を発表しました。

今回は、この補正予算案の中でも、特に 中小企業の皆様に関係の深い内容 に絞って解説していきます。

令和6年度補正予算案の概要
(経済産業省)

経済産業省関係令和6年度補正予算案のポイント(PDF形式:1,039KB)

この資料は、令和6年度補正予算案のうち、経済産業省関係の概算額4.4兆円(うちGX関連0.5兆円)の内訳を示したものです。

日本経済・地方経済の成長物価高の克服国民の安全・安心の確保の3つの柱から構成され、それぞれ中小企業支援、地方創生、デジタル化投資、エネルギー対策、防災・減災、経済安全保障といった具体的な施策が盛り込まれています。

特に、GX(グリーン・トランスフォーメーション)関連への投資が大きく、再生可能エネルギー、蓄電池、省エネルギー化などが重点項目となっています。




令和6年度補正予算の重点課題


令和6年度補正予算は、日本経済の成長物価高の克服、そして国民の安全・安心の確保という3つの課題に重点を置いています。
各課題への具体的な取り組みは以下の通りです。

1. 日本経済・地方経済の成長

予算規模は2.8兆円で、GX関連は3,400億円です。

◯賃上げ環境の整備 (5,114億円):
中小企業の生産性向上や中堅・中小企業の成長投資を支援します。
中小企業の生産性向上を促進するため、ものづくり補助金、IT導入補助金などを活用します。
中堅・中小企業の大規模投資を促進し、地方における持続的な賃上げを目指します。

◯新たな地方創生施策の展開 (736億円):
地域の移動課題への対応や物流効率化、大阪・関西万博の推進などを支援します。
自動運転サービスの開発・実証支援やデジタルライフライン整備の加速化に取り組みます。
物流2024年問題への対応として、複数企業が連携する物流効率化を支援します。

◯投資立国の実現 (2兆2,614億円):
半導体・AI等のデジタル投資、再エネ・蓄電池等のGX促進、量子・宇宙・バイオ等の成長分野への投資促進などに取り組みます。

ポスト5G情報通信システムや先端半導体の開発・実証、国内生産拠点の確保を支援します。

このほか、以下の取り組みを行います。
・再エネ導入拡大、地熱資源開発、エネルギー安定供給確保、CCS事業の普及・拡大など、GX関連投資。
・量子コンピュータ、宇宙開発、再生医療等の成長分野への投資。
・スタートアップ支援、地域大学を核とした産業集積の形成など、イノベーション。
・介護、医療、デジタル分野の人材育成や社会課題解決サービス開発を支援。
・重要鉱物のサプライチェーン多角化・安定化、経済安全保障の確保などを支援。
・グローバルサウス諸国との連携強化、対内直接投資促進など。

2. 物価高の克服

予算規模は1.6兆円程度で、GX関連は2,000億円です。

◯足元の物価高に対するきめ細かい対応 (1兆3,518億円):
燃料油価格激変緩和対策や電気・ガス料金負担軽減支援などを実施します。ガソリンなどの燃料油の卸価格抑制を通して、小売価格の急騰抑制を図ります。
家庭の電力使用量の最も大きい冬期の電気・ガス代を支援します。

◯エネルギーコスト上昇に強い経済対策の実現 (2,724億円):
省エネルギー投資促進やクリーンエネルギー自動車の普及などを支援します。
省エネ性能の高い設備への更新や、中小企業への省エネ診断などを支援します。
家庭における高効率給湯器の導入を支援します。
電気自動車や燃料電池自動車の購入費補助、充電・充てんインフラ整備などを支援します。

3. 国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保

予算規模は1,800億円程度です。

◯自然災害からの復旧・復興 (679億円):
福島第一原発の廃炉・処理水風評等対策、能登半島地震復旧支援などに取り組みます。
ALPS処理水の海洋放出の影響を受けた水産業への支援や、風評被害対策を強化します。
福島第一原発の廃炉・汚染水・処理水対策に関する研究開発を支援します。
能登半島地震や過去の災害で被害を受けた地域の中小企業等の復旧を支援します。

◯防災・減災及び国土強靱化の推進 (194億円):
サービスステーションネットワークの維持・強化、災害時の燃料備蓄推進などに取り組みます。
災害対応能力強化や経営力強化など、SSネットワークの維持・強化を支援します。
避難所等におけるLPガスタンクや自家用発電設備の導入を支援します。
災害時にも対応可能な天然ガス利用設備の導入を支援します。

◯外交・安全保障環境の変化への対応 (955億円):
グローバルサウス未来志向型共創、重要物資サプライチェーン強靱化、重要経済安保情報保護活用法の施行に向けた支援などに取り組みます。
グローバルサウス諸国との連携強化や、重要物資サプライチェーンの強靱化を支援します。
経済安全保障の確保に向けた情報保全体制構築を支援します。

上記の3つの課題への取り組みを通じて、令和6年度補正予算は、日本経済の持続的な成長と国民生活の安定を目指しています。


令和6年度補正予算を踏まえた中小企業の取り組み


1. 賃上げを実現し、人材確保につなげよう!

今回の補正予算案では、 中小企業の賃上げを後押しする施策 が充実しています。

◯中小企業生産性革命推進事業:
ものづくり補助金、IT導入補助金など、生産性向上に役立つ補助金が用意されています。
これらの補助金を活用して、業務効率化や新製品開発を進め、 「稼ぐ力」 を強化しましょう。

◯中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金:
設備投資や人材育成など、 成長につながる大規模な投資 を行う際に活用できる補助金です。
積極的に投資を行い、事業を拡大することで、賃上げの原資を確保しましょう。

2. 事業環境の変化に対応し、経営を安定化させよう!

エネルギー価格や物価の高騰、最低賃金の引上げなど、中小企業を取り巻く事業環境は厳しさを増しています。
補正予算案では、こうした 変化に対応するための支援策 も用意されています。

◯事業環境変化対応型支援事業:
専門家による相談や、各種支援施策の情報提供などを受けられます。
経営上の悩みや課題 を解決するために、積極的に活用しましょう。

◯中小企業活性化・事業承継総合支援事業:
財務上の問題を抱える企業への支援や、後継者不在の企業に対する事業承継の支援など、 企業の存続 をサポートする施策です。

3. デジタル化、省エネ化を進め、未来に備えよう!

デジタル化や省エネ化は、これからの時代を生き抜くための重要なキーワードです。
補正予算案では、これらの分野においても、 中小企業を支援する施策 が盛り込まれています。

◯IT導入補助金:
業務のデジタル化を促進するための補助金です。
業務効率化や顧客満足度向上 につなげましょう。

◯省エネ補助金:
省エネ性能の高い設備への更新を支援する補助金です。
エネルギーコスト削減 に取り組み、環境にも配慮した経営を目指しましょう。

4. 補助金申請や情報収集は、専門機関に相談しよう!

これらの補助金制度は、申請手続きが複雑な場合もあります。
商工会議所や中小企業支援センターなど、専門機関に相談 することで、スムーズに申請を進めることができます。


令和6年度補正予算案は、中小企業にとって大きなチャンスです。

ぜひ、この機会を活かして、事業の成長、経営の安定化、そして未来への備えを進めていきましょう!

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