桜木NightProm~2nd night~
2023年9月25日(月) KT Zepp Yokohama にて
開催された私立恵比寿中学メンバー桜木心菜
18歳の誕生日を記念したソロライブの感想です。
< set list >
OP.Boss Bitch / Doja Cat
01. バタフライエフェクト
02. ミスター / KARA
03. Queencard / (G)I-DLE
04. ハレンチ / ちゃんみな
05. キャンディロッガー
06. 17 / 椎名林檎
07. ココ☆ナツ -ZZ ver- / ももいろクローバーZ
08. MISSION SURVIVOR
<encore>
en01. 気分上々↑↑ / mihimaruGT
en02. 制服"報連相"ファンク
en03. サドンデス
en04. PLAYBACK
< 本編前編 > ダンサブルな曲と「好き」曲の詰め込み
OPのBoss Bitchを除けば、8曲の披露となった。
1曲目はバタフライエフェクト。
100%ebismで固定曲だったこともあり直近の
耳馴染みが強く一緒に踊りやすい曲からの入り。
直前のスタコミュ配信でも
「桜木NightPromで一緒に踊ってくれる人が
たくさんいると嬉しい」
といったような事を言っていた通りの選曲となったし、
なにより、ONE LOVE ONE HEARTより
サポートダンサーとして参加してくれた
元DAN⇆JYOメンバーの
RUNO IIZUKA (飯塚瑠乃)
I-CHI (イーチ)
YUNA YAJIMA (矢嶋由菜)
3人のダンスとパワーによっていつもの
10人のバタフライエフェクトとなんら遜色のない
迫力を伴い、かつアイドルらしさを少し削った
強めのインパクトを残すパフォーマンスとなり、
1曲目にふさわしいライブを勢いづける1曲となったと。
2曲目からはカバー曲を3連続で。
いわゆる「心菜さんらしさ」の詰まったブロック。
ガールズK-POP輸入の大きな立役者(と思う)KARAの
キャッチーなナンバーは普段K-POPを聞かない
自分でも歌詞やリズムがよみがえるメジャーな曲で
ブロックの1発目にふさわしく、
QueencardはTikTokの音源としても大活躍でサビの
「I'm a 퀸카」のところは勝手にリズムが刻まれる。
「ハレンチ / ちゃんみな」は去年の「Fxxker」に続いて
2年連続2度目のちゃんみな。
個人的には初めて聞いたけど結構気に入ってしまって
結構聞いている。
どの曲も心菜さんの「好き!」が詰まっているので、
歌いなれているのかダンスと歌がしっかり連動していたし、
歌い方のキレがとても良く、リズムを刻みながら
目に焼き付けるのに必死だった。
ONE LOVE ONE HEARTの3人はQueencardまでで
退場となったが、ダンスの合間での心菜さんとの
アイコンタクトや連動、連携はさすがだなと思ったし、
3人ともかっこいいダンスとかわいい表情で
DAN⇆JYO時代から見ていた人にとってはたまらない
時間だったことは間違いない。
「昔一緒に戦った仲間が集って共闘する」熱い展開を
その場で披露してくれてると思うと「バックダンサー」とは
呼びたくない感覚すら覚えてしまった。
心菜さんの生誕祭に花を添えてくれてありがとう。素敵でした。
< 本編MC~中編 > 18歳の抱負と17歳の振り返り
ここでMCを挟んで、18歳の目標に
「免許取ってベンツ乗る」と。
これは兼ねてより繰り返してきた目標なので特に驚く事もないが、
旧Twitterで隙あらば「ベンツ買ってあげる」とか
つぶやいている人間からすると免許取られたらいよいよか。となる。(ならない。)
続く言葉として
「18歳は自分の将来を考えるうえで、
悩みも多くなるし不安もある。やりたいと思ったことを
しっかりと身に着けていかなきゃいけない。」(意訳)
という抱負も話してくれたり
「エビ中として頑張っていきたい」という嬉しい言葉も聞けた。
歌に戻って「キャンディロッガー」
17歳の生誕祭でも披露した曲なので、もちろん去年のイメージもちらつく。
ただ一瞬ちらつく去年の良かったイメージを一瞬で
上書きするほど、歌唱力、表情、表現力、煽りすべてに
おいて1段も2段も上った感覚だった。
思わず一緒に踊りたくなるし、ラップパートはとてもかっこいい。
個人的には1番終わりの
「後先なんて関係ない 色々やってやらかしちゃえ
しどろもどろになったって 舌をペロっと出して
Oops!I'm sorry!」のところなんてとても彼女らしい歌詞だと思う。
さて、終演後のSNSを見てても一緒に飲んだ人たちからも
一番反響が大きかった印象の「17 / 椎名林檎」
全編英語歌詞で17歳の自分と重ねて歌う「挑戦の曲」
閉鎖的な環境や日常から飛びたしたい感情と
その中で「変わってる」といわれる自分を
「受け入れてほしい自分」と「人と違っていたい自分」を
表現した曲なのかなって軽々しくとらえていますが、
心菜さんはこの曲のどこに自分を重ね、なにを「挑戦」としたのか。
昨年のNightPromでは17歳の自分になぞらえて「17歳/森高千里」を
選曲してはいたものの、正直これはただ17歳というタイトルだけに
なぞらえたものだったと感じていて、本来であれば18歳を迎えた今年は
18歳や成人となることをなぞらえる曲はいくらでもあった。
その中で、MCで18歳の抱負を口にしたうえで
この1年の自分を振り返りながら「17」という曲に重ねて
歌い上げた彼女の想いはあの空間、情景から大いに
伝わってきたんじゃないかなと思う。
これを生で見れて良かった。
余談ですが、椎名林檎の最もリスペクトしているところは、
小林賢太郎(ラーメンズ)との対談の時に発した
「音楽って価格が一律じゃないですか。
1曲ごとに値段が変わらない。
だからこそ私は、同じこの価格にこの品質を
ぶっこみたいと思って1曲1曲作っている」
みたいな言葉。
この対談以外にも話してるエピソードだったら申し訳ないのと、
少しニュアンス違ったらあれですが。
数年前にテレビで見た内容だけどずっと残っている。
< 本編後編 > ファンとの距離を詰める2曲
本編ラスト2曲はココ☆ナツ-ZZ ver-とMISSION SURVIVOR.
あまりスターダストの他グループの曲を好き!って話とか聞かないけど
去年もキミとセカイをやっていたり、ももクロ曲を今年も。
やはりスターダストの曲は受けがいいのか、これまであまり
フリコピをやっていなかったお客さんたちもこの曲のサビでは
楽しそうに踊っていた印象。
もちろん、心菜さんの名前とのかけ合わせもあったでしょうが、
こういうみんなが盛り上がれるスターダストの曲をもってきて
くれるのは素晴らしいし、盛り上がる一因になったのは間違いない。
(最高のレス込み)
さて、続いてのMISSION SURVIVORでは心菜さんがステージを下りて
フロアを闊歩する試み。ぐるりと1階フロアをまわり、
参加してくれたファンのみんなとの交流をしてくれた。
自分はといえばこの曲は完全に踊り曲なので、
ステージを下りて後ろの方に歩いていく心菜さんを
見届けた以降は、ただただステップ踏みながら
踊り狂う最高の曲となりましたが、盛り上がりも
最高潮となった本編最後の曲で1階後方までしっかりと
自分を届けてくれて席が少し遠くても
最後まで楽しんでもらえるようにという気遣いは
ファンとの距離感を近く楽しくしてくれるいつもの彼女らしさを
強く感じたし、本編の締めとして素晴らしい形だったなと感じた。
< encore01 > 藤井の乱
前述の「17」と同じかそれ以上に注目された
mihimaruGT 気分上々↑↑ feat.Yuichi Fujii
撮影可能曲だったこともあり、藤井さんが呼び込まれた瞬間は
皆の大爆笑とカメラが一斉にそっちを向く感じ、非常に楽しかった。
藤井さんをこういう形でステージに引きずり込めるのは
今残ってるメンバーだと心菜さんだけなんだろうなと思うし、
悪い意味での区別や遠慮をせず、「楽しそう!」って思ったことを
実際に見てる我々側が「楽しい!」と思えるように形づくって
披露しくれる心菜さんのこれはやっぱりセンスと人間性なんだろうなと。
「やりたい!」「楽しそう!」みたいな内輪ネタは往々にして
無計画に披露されて中途半端な内輪ネタになることも多いので、
選曲、見せ方、アンコール1発目に持ち込む度胸、撮影可にした事
全部ひっくるめて評価されるべきだと思う。
気分上々↑↑自体、人を選ばないアゲ曲だし最高の1曲目だった。ノれた。
最後に一言求められた藤井さん
「これからますますイイ女になっちゃうんじゃないのぅ!」
万雷の拍手。
< encore02,03 > 大人として大事な報連相と生き残る力
藤井さん退場後、SNSの使い方が上手ではない
藤井さんに対するメッセージ性の強い曲として
報連相ファンクが披露された。
(違う。)
サビは皆で一緒に踊るかと思いきや心菜さんが
ズラして踊っていたのでこっちは適当にいつも通り
踊って遊んでいた楽しい。
続いてサドンデス。
トライアングルプラネットで怪盗少女に奪われた
歌いだしをしっかりと取り戻し勢いをつけて
ダンスバトルに挑むも一番に負ける心菜さん。
2階席も勝手に負けさせたうえで、生誕祭に
集まってくれたみんなへのメッセージを送りつつ曲終盤へ。
心菜さんが入る前から
「連れてってもらうんじゃなくて きっと 連れてゆくからさ」
という歌詞は本当に好きだったんだけど、心菜さんが歌うこの言葉は
とにかく力強くて、本当に引っ張って行ってくれるんだろうなって
キラキラ先頭を走って前を向く心菜さんを感じてこの日2度目の涙がでた。
本当にこの子のエネルギー、パワーはすごい。
< encore04. > PLAYBACK
2022年中吉発売インストアイベント「中吉が一番」@錦糸町with莉子ちゃん
の時に「PLAYBACKが好き。ライブでやりたい。」
と発言していて、ここでようやく実現した。
メロディラインや歌詞からも明るい希望にあふれる曲ではないが、
ダンスの軽やかさやそれを歌うエビ中の姿が今を憂いながらも前を向かせて
くれる曲として自分の中では2016年の思い出の曲として残っている。
もがきながら前に進んでいくという意味では「17」と
少し重なるかもしれないし、それを受けてこれからの
18歳の自分を重ねるにはふさわしい選曲なのかもしれない。
夢を言葉にして、前を向いて歩ける姿に対して
「大人になっても そう 君のままでいて」
とファンは想いを乗せるし、
軽やかに飛び上がってするするとどこかへ行ってしまいそうな心菜さんに
「願わくば 今はそばにいて」
と手を伸ばしたくなる。
そんな存在だなって聞きながら感じて、涙が止まらなかったし
「アイムサーチング アイムサーチング
共にこの想い あたためてゆくから」
の歌詞の通りに「共に」をファンと一緒にと考えてくれていたら
こんなにうれしいことはない。
一緒に「この先の光みにいこう」と思うし、
心から「君に幸あれ 天高く 昇れ」である。
本人の意思がどこにあるかはわからないけど、
これ以上ない、最後の曲だったと思う。
< 締めの言葉 > 今日一番楽しかった人~⁉
ステージを去る前の挨拶で「今日一番楽しかった人~⁉」と
言葉を投げかけた心菜さん。
この言葉、実は自分が現場に通うのに一番大事にしている言葉で
現場で嫌な思いをしたり、変な人を見かける事もあるかも
しれないけど、このマインドを持っていれば
「ははっ、俺の方が楽しんでるから全然OK」とか
「変な奴いたけど気にならないくらい最高の時間だったな!」
って自分も保てるし、常に笑顔でステージにいる推しと
向き合えるから最高だと思ってます。
やっぱり推しには最高に楽しんでる笑顔を届けたい。
心菜さんのマインドに少し自分が近づけてるかなって
思えてうれしかった瞬間でした。
< 終わりに > 17歳から18歳の心菜さんを見て思う事
ライブパフォーマンスについては言わずもがな。
この1年での成長は計り知れない。
もちろん勝手についてきたものではない。
苦手だと思い込んで今まで蓋をしてきた歌を先輩と指導者に
恵まれて、道を見つけかけてきているんじゃないかと思う。
今回の2nd nightでさすがに確信した。
心菜さんには感情全開で歌いぶつけてくる曲が似合う。
歌唱力だけでない、気持ちをぶつける力が彼女にはある。
少し系統は違うけど、柏木ひなたがそうだったように。
不器用な子なんだろうけど、迷わず伝えるとなったら
他のメンバーに負けることがない力を持っている。
ファミえん後にキネオさんが深夜のスペースで言っていた
「低学年ズはこれまでのエビ中と一緒に歩いてないからこそ
出せる言葉があるし、無謀なこともやりたいと言える」
みたいな言葉、本当にその通りだと思ったし、低学年ズが
思ってても遠慮して言えないことを率先して発言し続ける事を
意識してか無意識にかやり続けてきたこの1年が今の彼女を
彩っているんだろうなと思う。
ダンスについてももちろん、今回ONE LOVE ONE HEARTの3人と
共演したことでまたモチベーションも上がってそうだし、
自分を表現する得意ジャンルとしてもっと前に
出てきて欲しいと思ったりもする。
そして今回のライブで一番感じたのは
17歳が思ったより心菜さんにとって苦悩の1年だったのかもしれない
という事。
「17」を選曲したことも、PLAYBACKにつながったことも、
ファンの前にはあまり見せない、もやもやした感情や挫折も
柏木ひなたの卒業発表から後輩えまゆなのオーディション、加入、
武者修行を通じて低学年ズがチームとなる一方でebismでも
感じる10人でチームとなることの難しさ。
えまゆなのスキルの高さに突き上げられながら、
自信を失ったりする日々もあったのかなと想像すればするほど
今回の2nd nightを終始笑顔でハイパフォーマンスで完遂した姿に
本当に心菜さんの強さを感じるし、ただ「連れてってもらう」
「ついていく」だけじゃなくて、少しでも一緒に走りたいなと
改めて強く思った。
これまであんまり「このライブが一番!」みたいな順番付けは
できない人だったんだけど、ちょっとこれは…と思わせるには十分な
9月25日でした。
やっぱり心菜さんしか見れないな。
最高だよ。ありがとう。