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「モノノ怪」退魔の剣について

先日、ゆる民俗学ラジオで獅子舞についてのことを話されていて、知らない知識について「なるほどー」と聞いていた時に、獅子舞では「歯打ち」と呼ばれるものがある事を知りました。

weblio国語辞典などで調べてみると、東北地方の獅子舞で見られる、獅子の歯を鳴らして厄除けを祈る行為のようです。

私は学が無く住んでいる地域も街中に畑がポツンポツンと少し見られる田舎なのか都会なのか微妙な場所なのでそういうものと縁がありませんでした。

しかし、ラジオを視聴して知識を得たことで私は思いました。
「これ、退魔の剣と同じじゃね?」と…
知っている人は知っているのかもですが
私は知識が繋がったこと自体に面白味を感じました。

詳しく知らない方に向けて、
退魔の剣とは、最近劇場版が上映された
「モノノ怪」と呼ばれるテレビアニメシリーズに出てくるアイテムです。
(モノノ怪についての詳しくはYouTubeなどに
ある解説動画をご覧ください。)

何故私がそう思ったのか理由は2つあり、
1つ目の理由として「獅子舞の歯打ち」と「退魔の剣の演出」が似ているからです。
モノノ怪を見ている方はご存知かもしれませんが、事件を解決するために
主人公である薬売りはモノノ怪の「形・真・理」を探り暴いて行きますが、
その時々に退魔の剣の柄頭にある異形の顔が
歯をカチンと鳴らす演出があります。
その際に鳴らした音は、要約すると魔を祓う役割りがあると公式YouTubeとTwitterで明かされました。


この形式は獅子舞の歯打ちと一緒であり、獅子舞でも音で魔を祓う、または魔を飲み込み食べてしまうといった呪術的意味合いがあります。
子供の頭に齧るのも、この流れを汲んでいるからですね。
モノノ怪では、飲み込むというより音の要素が強いようです。

柄頭の頭をよく見てみると獅子舞に使われる
獅子頭によく似ていて、TV版は鬼のようにも
見えますが(pixiv辞典では赤鬼の様と記載)、
赤い肌・白い体毛・角・白い綺麗に並んだ歯
など獅子頭の要素があると分かります。

詳しく言うとTV版は日本独自に発展してきた
獅子頭に近く、劇場版は獅子舞の本場である
インドや中国の獅子頭の要素が強いと
思いました。(色彩豊かなところなど)

以上が私が似ていると思った1つ目の理由です

2つ目の理由として、退魔の剣が使われる場所と状況です。(若干こじつけっぽいですが)

TVシリーズより前の
「怪 〜ayakashi〜」の化け猫では、
武家である坂井家の当主の娘である真央の
輿入れ(結婚)の日という状況でした。
劇場版では、大餅曳と言われる安産祈願を願う日という状況でした。

どちらも共通するのは祝い事のある、
晴れの日ということです。

私は、これは角付けの流れを汲んでいるのではないのかな思いました。
角付けとは正月などの晴れの日に、人家や店の門の前で芸をする事でお祝いをして代わりに
金銭を受け取る祝言人(ほがいびと)の芸能に由来する習俗です。
演出の都合上、門の前で話が続くことはありませんがモノノ怪を斬り祓う際の舞踊に似た剣撃をすることもモノノ怪が獅子舞の要素を含んでいるからかだと私は思いました。

ついでに語るとモノノ怪はまれびと信仰のヨウ素も含まれると思いました。詳しくは無いので間違えて認識しているかもしれませんが、
外から来た者(まれびと)が
新しい物や概念(ここではモノノ怪の存在)
を持ってきて元からある秩序に入り、福や災いを持ち込むトリックスター的な話。

ついでのついでに、化け猫も唐傘もどちらも「門」を意識しているなーと思いました。

以上が私の考える「獅子舞」と「退魔の剣」が
似ている理由です。
ここまで書いてみんな思っていることだったら恥ずかしいですが、こういう知識が繋がる部分やアカデミックな知識が含まれる部分がある
「モノノ怪」、ぜひ友人や知り合いに進めてみてください。