一倉は「どんな優れた商品でも、斜陽化することは避けられない。」と言っている。
最初に優れた商品(サービス)を販売すること自体も非常に困難なことですが、その商品が斜陽化するにあたり新しい商品を開発し続けることも困難なことです。
そんなことを言っていてもしょうがないです。
新しい商品開発を実現するリソース、つまり
・事業継続のための利益
・顧客の(秘めた)要望
を蓄積し続けることが大切なのです。
偉そうなことを言っていますが、私の町工場では全く斜陽化した産業から抜け出すことができていません。
30年前に確立された加工技術と専用機で、同じような部品群を作り続けている、そんな中小企業事業者の方は多いのではないでしょうか。
その結果として、数量が減少する、単価が上げられない、つまり斜陽化しているのです。
もちろん、斜陽化した産業の中で残存者利益を獲得する戦略も必要ですが、未来事業を繰り広げ、ポートフォリオを整えることがさらに大切です。
言うは易し、行うは難し。
私も町工場の未来事業を作り上げていきます。
出典「一倉定の経営心得」(日本経営合理化協会出版、1999)