友達に会いたい①ー帯同家族とコロナー
2020.10.17
日本人の多いアパートに住んでいた私
主人の海外赴任に帯同して住んでいた国。
治安の面と、日本人学校への通学の都合などの理由から、日本人の住むアパート(実際は高層マンションですが、この国では「アパート」と呼びます。)は限られていました。私が住んでいたアパートも、四十階建くらいのアパートで構成されていましたが、日本人の比率がとても高かったです。
日本人学校まで、バスで40分くらいかかるため、子どもたちはバス通学でした。日本人学校で契約したバスが来るのですが、うちのアパートに停まる大型バスは、4台。一つのバスで25人くらいは乗れたと思うので、全部で100人程度の日本人の子どもが住んでいた計算になります。
現に、うちの子の学年だけでも、アパート内に同級生は10人以上いました。
子どもがたくさんいれば、その分、ママたちもたくさんいる。
子どもの見送りやお迎えでロビーに降りれば、毎日他のママさんに会え、自然と友達ができました。
初めての海外生活。
言葉も分からない中で、日本語で話せる相手がいるというのはとても心強いし、帯同で来たことへの悩み、子育ての悩み・・・帯同生活にとって、同じアパートの友人は、かけがえのないものでした。
「海外に住むんだから、現地の知り合いを作って、現地の生活を楽しまないと」
そう思う方もいるでしょう。
でも。同じ環境で悩みを話せる相手は、私にとっては、なくてはならない存在でした。
急に、避難帰国が決まる友人たち
海外駐在帯同家族にとっての3月といえば、本帰国になった友人を見送る月。毎年、3分の1以上の人たちが、任期を終えて、帰国します。
ママと子どもたちも「送別会ラッシュ」で、お別れのアルバムやプレゼントを用意し、送別会を開きます。
とても寂しいけれど、毎日忙しくて、楽しくて、異国での出逢いに心から感謝できる・・・そんな月です。
それが、2020年の3月は、違いました。
赴任していた国でも、コロナが流行してきて、会社によっては、「帯同家族に対して、日本への一時帰国命令」が出始めたんです。
東京でも、赴任国でも「ロックダウンするかも」の噂が流れ始めます。
「ロックダウンされたら、飛行機は飛ぶんだろうか。」
「日本に帰れるんだろうか。」
「こんな時にロックダウンされて、子どもや私が病気になったらどうしたらいいの」
不安がつきまといます。
赴任していた国は、日本のように徐々に作っていくのではなく、「明日からモールを含む商業施設を閉鎖します」といったように、一日で状況が一転してしまう国。
ロックダウンもあり得る。日本人が、自国に帰れないこともあり得る。
また、貧富の差が激しい国なので、ロックダウンされて失業者があふれたら、暴動が起こる可能性もありうる。
会社からの帰国指示が出て、3月末に本帰国が決まっていた友人よりも先に日本へ向かう母子たち。
本帰国が決まっている人たちも、「飛行機が飛ばなくなったら困るから」と、当初の予定よりも帰国を早めていきます。
ー続きますー