ファッション系メディアのそれぞれの強みを比較してみた!
こちらのnoteではファッション業界の最新ニュースを1週間に5本程度解説し、その先に起こり得る事や豆知識を盛り込んでご提供いたします。
先週のピックアップニュースは下記の通りです。
・ファッション系メディアのそれぞれの強みを比較してみた!
・意外と流行らなかったインフルエンサー系のサービス
・製品の付加価値を上げる優れたコンテンツとは
・H&Mの現状をちょっとだけ分析
・ECモールは利益率が低いのか?
ファッション系メディアのそれぞれの強みを比較してみた!
ファッションメディア事業を一任できる編集長候補を探しています!
現在運営しております「FUKROO」と、6月よりスタートした世界の才能を届けるファッションメデイア「F-magazine」の指揮をとっていただける編集長クラスを募集します。採用次第すぐに予算と裁量を与えて動いていただきます!
FUKROOというファッションメディアはご存知でしょうか?ニュース記事のURLを入力して「HOOK」というボタンを押せば記事がサイト上に表示され、コメントができるという仕組みのメディアなんですが。まあつまり某ニューズピックスと同様の仕組みというか、「ファッション版ニューズピックス」な訳です。上記のニュースが流れてきたので「盛り上がってるのかな?」と思い、超久しぶりにサイト覗いてみたのですが、、
記事にコメントできない…。なんとアプリからだと記事を「HOOK」できないしコメントする事もできません。(以前からほとんど誰もコメントしてませんでしたが…)PCから試してみると、一応記事をHOOKする事は可能で、そのタイミングでのみコメントは入れる事ができました。
が、タイムラインに表示されません。。
で、マイページにだけ記録されています。だからHOOKしても誰の目にも止まらないような仕様になっています。これじゃただのニュースメディアだ…。あと、ファッションメディアなのにHOOKはどんな記事でもできますので仮にタイムラインに表示されても大変な事になりそうな気がします。各ソーシャルのフォロワーは下記の通り。
Twitter 215
Facebook 260
Instagram 3,044(フォロー6,999)
恐らくメディア始まって2年近く経ってるはずですがこういう状況です。当初はファッション系のインフルエンサー集めて盛り上げようという動きもあったようですが、恐らく実現しなかったので今の状況になっていったのかと。差別化要素である「コメントができる」という点が無い今、次の一手が上記の「F-magazine」になるのでしょうか。個人的にファッション系のwebメディアはいつも観測していますので、競合になりそうなところをいくつかピックアップしておきます。(雑誌系、スナップ系、スタイル提案などのメディアは除きます。)※計測は全て2018年7月8日です。
ファッション系のウェブメディアと言えば真っ先に出てくるのがファッションスナップドットコム。国内外のニュースはどこのメディアも取り扱っていますが、ファッション系ブロガーの記事の転載が他メディアと違う点でしょうか。最近では繊研新聞やIDなど、他メディアの転載も見られますので、ここ見てたら大概のニュースはおさえられるかと。元々はスナップ写真を掲載していたメディアのようで、まだこのコンテンツも残ってはいます。コレクションの動画も流してくれるので便利ですね。
近々のセッションは140万セッション。
Twitter 1,851,605
Facebook 152,461
Instagram 223,000
LINE 1,000,300
NP 9,748
ニューズピックスにもアカウントがあるのでFUKROOのHOOKに付加価値がなくなるのも頷けます。僕の周りの若い子達はメディア名をちゃんと認識していないのですが、Twitterでフォローしているというケースが多い。なのでLINEの数字が多いのはちょっと驚きですね。
リーチで言えば実はダントツトップのファッションプレス。独自のコラムなどは無く、普通に見てるとニュースが流れてくるだけのようにも見えますが、
各月のイベントをまとめてくれていたり、
スナップ写真も豊富にあったり、
ショップ情報も豊富です。
個人的に一番使うのは上記のブランド検索。知らなかったブランドを「fashionpress ブランド名」で検索すると大体説明文が載っているので重宝しています。そのまま取り扱いショップも検索できるので、こういうところでトラフィック稼げるのも強い。
近々のセッションは580万セッション。
Twitter 3,142,590
Facebook 80,349
Instagram 679,000
トラフィックは何とファッションスナップの4倍。各ソーシャルのリーチ見てますと、こちらの方が年齢層が若そうな印象。
○WWD
30代アッパーの僕ら世代はどちらかというと紙面の方が印象強いWWDさん。って言ってもほとんど業界人しか見ない紙媒体の発行部数は少なそう。
上記のようにニュースの要約を載せてくれるのはわかりやすいですね。社内外のファッション系ライターが記事を書いているので、その方々の考察なんかも記事中には含まれています。
ライターさんで絞り込みもかけれます。
近々のセッションは77万6000セッション。
Twitter 256,437
Facebook 173,007
Instagram 109,000
LINE 71,634
NP 1,501
リーチは上記2メディアに劣りますが、Facebookのリーチが一番強いところを見ると、男性読者で年齢層が高いと予測されます。業界のおじさんたちに人気なのでしょうか。
○繊研新聞
紙面でナンバー1の業界紙と言えばおなじみの繊研新聞。ファッション業界に特化してはいるものの発行部数はなんと20万部。古くからあるアパレル企業も大体購読しているので、業界の幹部層からの支持があつい。他の業界紙と違う点は製造関連の記事もしっかりおさえているところでしょうか。あまり人の事は言えませんが、昨今のゾゾスーツのニュースで製造関連に弱い人間が業界に多数いる事が露呈されています。同じファション業界でも畑が違うとキャズムが中々すごいですね。。
近々のセッションは22万8000セッション。
Twitter 5,213
Facebook 22,061
他社と比較するとwebの弱さが際立ちますね。体感的には影響力は他社に負けない(というより強い)印象はあるのですが。中の人の話を聞いていると、webに割くリソースが社内にあまり無いようで、ソーシャルの運用も不十分だとの事。確かにサイトにソーシャルのリンクも貼られていない。
ちなみに僕も繊研で連載しておりますので、よければご覧になってください!(宣伝)
主要なメディアは上記になります。どこもそれぞれ強みがあり、既にシェアを大きく獲っているので新しく参入するメディアは差別化要素を考えないと難しそうです。上記以外で規模感は劣りますが僕が個人的にチェックしてるメディアは下記になります。
メンズファッションジャーナル「SHALE」は、トレンド情報やファッションニュースを伝えるものではなく、ファッション好きなライター達が、自らの、コーディネートを考えるときの考え方や、アイテムを買うときに意識していることを詳しく語る、といったコンセプトで運営されています。2019年5月からスタートしてわずか二ヶ月で10万PVを達成したという急成長中のメディアです。
初心者に優しいコンテンツが多く、これからファッションをもっと勉強してみたい!という方におすすめですね。メンズのメディアで影響力強いところも珍しいので今後の拡大に期待大です。
世界三大通信社のひとつであるafp通信が配信するwebメディアで、その中のファッション分野にあたるのがこちらの「MODE PRESS」です。海外の事例を用いた独自記事なんかは参考になります。
○DiFa
「テクノロジー×ファッション」というわかりやすい独自の切り口で差別化しているDiFa。開始当初は尖った記事も多かったんですが、最近ちょっと影が薄いような。。。
伊勢丹の資本が入っているファッションメディア。伊勢丹はここ育ててECに繋げるのかなーと思っていましたが、全くそんな動きも無く、差別化要素もなく、数年経ってもリーチがあまり伸びていない印象。
やけにリッチコンテンツで、ヴィジュアル見てるとクリエイティブな要素強めな印象を受けるメディア。7万セッションと大手メディアにはトラフィックで劣るものの、Facebookのフォロワーが40万を超えていてここだけ極端にリーチがあります。
と挙げればきりが無くなってきますね。個人的な印象ですが、やはりファッション系はクリエイティブの要素が強くてビジネスが弱いです。もっとゴリゴリのファッションビジネス関連メディアがあれば嬉しい限りなんで、差別化要素として「ビジネス特化型」のメディアをどこかやってくれないかーと思ったり。自分でやろうかな…。
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