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道州制について思うこと

道州制をうたっていた地域政党の元代表の型の発言が一部界隈で物議をかもしているので、表題について思うことをつらつらと書く。

私は生まれてこの方首都圏のあちこちに住んでいたのでその目線で書きます。私自身は地域振興は大事だと思っています。首都圏の成長の原動力は地方からの人口流入が一つにあるからです。地方が衰えたら巡り巡って首都圏の力も落ちるわけです。これも時間の問題となってきました。

かつて、首都移転や首都機能分散という話がありましたが、前者はともかくとして後者もほとんど実績をあげていません。

地域振興を求める立場であり、また首都圏一極集中の怖さは311の時にあらためて感じましたが、さりとて表題の道州制導入にはこれっぽっちも魅力を感じません。

なぜかといえば、道州制という器を作ってもそれをこなせるだけの体力が今の地方自治体にあるかと言えばノーと言わざるを得ないからです。

私は即物的な町おこしや地域振興にはノーのスタンスです。一過性の効果は或いはあるかもしれませんが基本的には継続性が見込めないからです。

地域振興をする上で必要なのは人口を増加させることです。人口を増加させるに必要なことは魅力的な条件の仕事をまとまった数引っ張ってくること。それさえあれば、ほっておいても地域は発展します。ある県の県庁に勤めていた時にある町の事例を教えてもらい、まさにこれだよなと思ったわけです。

道州制という器を作ったら仕事が増えるか。そんなことはありませんね。まだ経済特区の方が可能性があります。これはこれで簡単にいかないみたいですが。というか、核心部分に切り込めないのでしょう。

道州制を回すためには行政の能力もさることながら確固たる税収が必要。それなのに本社回りは東京や大都市に集中しているわけです。これではどうにもならないのです。

本気でやるのならば、首都機能分散と法人税の操作で地方に本社機能を誘致する必要があると思うのですが、一国民の立場でそれが行われる様子はまるで見られません。

また、地域に仕事を作るというので手っ取り早いのは工場の誘致ですがこれも産業空洞化がすすみ、おいそれと行きません。本来は金融やIT産業がそれを受け皿にしたいところですが工場労働者よりも従事者の職業訓練がはるかに必要なのでなかなかそれも進みません。そもそも高齢化が進みあらゆる産業で人手不足な現在ですが、ミスマッチが酷くどこも人は欲しくとも受け皿になりえていないという、地域以前に日本全体としての問題もあります。

疲れたのでこの辺で。

さて、どうするんでしょうね。

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