新型コロナシリーズ⑳(変異株/FLiRT・フラート)
FLiRT・フラート/米国で新規感染者が増加
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
を引き起こすウイルスSARS-CoV-2は、
新型を生み出し続けている。
最新のものはKP.2とKP.1.1の2つで、
変異ウイルス「FLiRT・フラート」
と総称される。
KP.2は、直近米国で急速に感染拡大
している。
米国疾病予防管理センター(CDC)の
データによれば、KP.2は現在、米国
における新型コロナウイルス(COVID
-19)感染者の25%近くを占めるという。
一方で、KP.2の変異型であるKP.1.1も
症例数を増やしており、現在、米国内
の新型コロナウイルス感染者の7.5%が
これに該当する。
では、FLiRTの変異型は何なのか?
そしてどの程度懸念すべきなのか?
FLiRT変異株、KP.2とKP.1.1とは?
FLiRT変異株とは、KP.2とKP.1.1の
総称。
これらは、先日まで米国で最も多く
見られた変異型、JN.1.11.1の子孫
株である。
米感染症学会(IDSA)によれば、
「FLiRT」という名前は、スパ
イクタンパク質における変異の
位置から名付けられ、これらは
オミクロン株の下位変異株で
兄弟のようなものである。
KP.2はJN.1と比較して、スパ
イクタンパク質に3つの変化が
ある。
スパイクタンパク質とは、SARS
-CoV-2が細胞に取り付いて感染
させるためのタンパク質である。
FLiRT変異株の感染力は?
KP.2による感染者が増加している
一方で、他の亜種による感染者が
減少していることは注目に値する。
このことはKP.2が他の変異株より
ウイルスにとって有利な点がある
ことを示唆している。
KP.2はJN.1より感染力が弱いが、
免疫回避力は強い。
そのため流行が拡大していると
考えられる。
今のところ、FLiRT変異株が他の
最近の新型コロナウイルス(COVID
-19)変異株よりも多くの人にとって
懸念すべきものであることを示唆
するものはないとされるが、感染症
の専門家はKP.2がこれまでのコロナ
ワクチンに比べ、ワクチンによる
防御を突破する可能性を示す、
最新のデータがあることを指摘して
いる。
「SARS-CoVー2は常に新しい亜種を
生み出している」と、
感染症の専門家は言う。
FLiRTを他の亜種と見分けるには?
FLiRTを他の亜種と見分ける
ことは難しい。
他の新型コロナウイルス変異株
とFLiRT変異株を明確に区別する
要素は、自分自身や医師が気づく
範囲では到底ない、
と専門家は言う。
FLiRTのKP.1.1とkP.2の症状は?
今のところ、まだはっきりと分かって
いないが、専門家はこれまでの変異株
の症状とそれほど違いはないという。
CDCによると、新型コロナウイルス
感染症の最も一般的な症状は以下の
通りである。
①発熱・悪寒、
②咳、
③息切れ・呼吸困難、
④疲労感、
⑤筋肉や体の痛み、
⑥頭痛、
⑦味覚や嗅覚の低下、
⑧喉の痛み、
⑨鼻づまりや鼻水、
⑩吐き気、嘔吐、
⑪下痢。
「味覚や嗅覚の損失は、現在では
あまり見られないようだ。」
これはウィルス自体の変化か、
もしくは予防接種や感染によ
って免疫力が高まった可能性
があるとのこと。
現在、FLiRT変異株が他の変異株
よりもコロナ発症のリスクを高め
るという兆候はないものの、時間
が経てば変わる可能性もある。
まとめ
FLiRT変異株は、SARS-CoV-2
から出現した新しい変異株である。
まだ研究の最中であるが、以前の
変異株よりも感染力が強い可能性
が考えられる。
新型コロナウイルス感染症の症状が
ある場合、医師たちが推奨するのは、
セルフキットで検査し、ウイルスの
拡散を防ぐために最善を尽くすこと。
特に重篤な合併症のリスクが高い人
たちと一緒に過ごす場合は、最新の
注意が必要だ。
5類になったせいか、コロナの
重症度を徐々に過小評価する
ような傾向が出て来ている。
最新のコロナガイドラインを
入手し、陽性と判定された場合
は他の人を守るためにも、きち
んとフィットしたマスクを着用
することが重要となる。