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警察からの電話。

 息子の趣味は狩猟である。空気銃を持っている。アパートに銃のロッカーを置かねばならず、それには警察の許可が必要だ。
 引っ越ししたので、実家であるうちに素行調査の電話がかかってきた。必要以上に丁寧でちょっと薄気味が悪い。警察が人をどう見ているかがわかった気がしたので、質問事項を並べてみる。
「ふだんの素行はどうか」
「喧嘩っ早くないか」
「学生時代に問題はなかったか」
「アルコールは飲むか」
「アルコールを飲むとどうなるか」
「ギャンブルはしないか」
「借金はあるか」
「親との付き合いはあるか」
「どこに住んでいるか知っているか」
「いつから住んでいるか」
「そこに確かに定住しているか」
「行ったことはあるか」
「クスリを飲んでいたり、自殺の可能性はないか」
「会社には毎日通っているか」「生活ぶりは派手ではないか」
「暴力団と関係はないか」
「長期間家を空けることはないか」
「息子さんが空気銃を持つことにお父さんはどう思うか。賛成か」
 ざっとこんな感じだったと思う。人の素行を疑うときの参考になりそうな質問集だ。

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深川岳志
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