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短文バトル222-1「いちばん辛かった徹夜」

 1995年はパソコン雑誌が興隆している時期だった。
 私は各誌に連載したり、特集に寄稿したりして忙しかった。そんなとき、生まれてはじめて取説の仕事が来た。リクルートの顧客管理ソフトだった。あっという間に〆切りが来て、悪いことに風邪を引いてしまった。発熱がある。
 明日、送付しないといけないが、つい椅子からずり落ちてしまう。体を紐で椅子に縛り付けて書いた。書き終わったら日が上がっていた。ちょうどWindows95の発売日だった。

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深川岳志
新作旧作まとめて、毎日1編ずつ「朗読用ショートショート」マガジンに追加しています。朗読に使いたい方、どうぞよろしくお願いします。