短文バトル「本の読み方」
まず眼鏡をかける。老眼なので眼鏡なしには本が読めない。読書用に目の前20センチで焦点が合う老眼鏡を作った。
膝の上に本を置いたのでは、文字がぼやけて読めない。
机の上に置いてもまだぼやける。
ベッドに寝て、iPhoneやiPadを眼に近づけるとちょうどいい。
電子書籍用ベッド横臥型老眼鏡。用途がニッチすぎる気がしないでもないが、私の日常ではこの状態の時間が長い。
図書館で紙の本を借りた時にも同じように本に目を近づけて読む。文庫本だとちょうどいいが、単行本だと視界が大きすぎる。我慢して読むしかない。
昔はいつでもどこでも本を読めたが、最近は無理。夜、寝床の中でしか本を読めない。寝る準備をして部屋の明かりを消して、もうほかになにもすることがないという状況にしないと本に集中できない。SNSやPDFなら机に座っても読めるのに不思議なことである。
準備が整ったらあとはただページをめくるだけ。基本的に小説しか読まないので、メモはとらない。気に入った文章はハイライトするが、それがあとで役だったことはあまりない。
本を読んだら読んだという印をアウトプットしておきたい。読んだはしから内容を忘れてしまうからだ。そのために半公開日記を書いている。しかし、あらすじを書いたり、オチを書いたりしたらあとから読む人が不愉快だろう。なにを書いていいのかよくわからない。ブックレビューは難しい。それでも一言二言感想を書いて、ようやく読書が完了する。
新作旧作まとめて、毎日1編ずつ「朗読用ショートショート」マガジンに追加しています。朗読に使いたい方、どうぞよろしくお願いします。