【平塚市】 梅屋さん、約60年の歴史に幕を閉じる。(令和4年9月25日)
【梅屋さんとは】
『㈱梅屋』自体は明治40(1907)年に小間物、化粧品を扱う小売店創業された株式会社で、今は濱田八千代が社長を務める平塚市の代表的な株式会社のことです。
昭和26(1951)年に法人組織とし、商号を「㈱梅屋」に変更されました。
『ユーユー(YouU)梅屋本館』は株式会社梅屋によって昭和38(1963)年から令和4(2022)年まで58年間営業された、平塚駅北口の顔とも言える施設でした。(昭和38年の開館時点では店名は『梅屋百貨店』)
同館についてタウンニュース平塚版のNo.1795の記事「駅前の顔、営業に幕」では「1963年に梅屋百貨店本館として新築され、約60年にわたって営業を続けてきた」と紹介されています。
梅屋について、平塚市明石町の明石町会の50周年を記念して記念誌作成委員会によって作成され平成29(2017)年に明石町会より発行された「明石町会創立50周年記念誌」に開店すぐのユーユー梅屋本館について、「30年頃は、銀座通りには「梅屋、長崎屋、志澤、十字屋」とデパートが4件もあり・・・」と当時の様子が語られています。
(補足)当時の国鉄平塚駅周辺には衣料品スーパー「長崎屋(昭和28(1953)年、開店)」やスーパー「十字屋(大正12(1923)年、創業)」、百貨店「志澤」(昭和31(1956)年、開店)など平塚にゆかりがある店舗が多くあり、一大商圏を形成していた。しかし、後に藤沢市や厚木市などに大型店ができたことで商圏は縮小し昭和53(1978)年には志澤が経営再建のために閉鎖、平成17(2005)年には十字屋クロスティが、平成20(2008)年には長崎屋サンショッピングセンター平塚店本店が閉店したそうです。
【イトーヨーカドーと梅屋】
昭和56(1981)年、梅屋前社長の関口寛快氏がお亡くなりになりました。その関口氏の弟子として、イトーヨーカ堂元社長の伊藤雅俊氏は梅屋で修行しており、関口氏はそれにより伊藤氏の恩師に当たるらしいです。その関係もあり伊藤氏は「梅屋」の会長職を務めている。
伊藤氏はその恩返しとしてイトーヨーカ堂を平塚には出店しない方針を貫いていたそうです。
【平成23年の閉館】
平成23(2011)年8月に老朽化や経営難により梅屋百貨店は閉館。後に耐震補強をしたうえで、同地に衣料品チェーン店やスーパーなどが入居する専門店ビル『ユーユー梅屋本館』として平成24(2012)年に再オープンしました。
【小説に登場した梅屋】
また市民に愛されてきた一例として、遠坂カナレ氏著作の「笹に願いを!~子ぎつね稲荷と『たなばたキッチン』はじめました~」という小説では、梅屋は「浜屋」と記されて「浜屋というのは、駅前にある商業施設のことだ。昔は百貨店だったけれど、今はテナントビルになっている」という紹介がされています。
【ユーユー梅屋本館の閉館】
そんな梅屋も、開館から58年を過ぎ、遂に令和4年9月25日に閉館を迎える事となります。
タウンニュース社の発行する「タウンニュース平塚版」の2020年(令和4年)9月29日(木)号 No.1795では見出しを「駅前の顔、営業に幕」と大々的に奉じ、「平塚駅北口の「ユーユー梅屋本館」が、9月25日に閉館した。58年間にわたり営業を続けた駅前の顔ともいえる施設の最後を見届けようと、営業終了の午後8時には多くの人々が紅谷パールロード商店街に面した店舗前に詰めかけた」と閉店を悲しむ記事が掲載されました。
ユーユー梅屋本館は、今まで愛し愛されてきた平塚市民によってその60年の歴史の最後を見送られたのでした。
同日、同館にて営業していた相鉄ローゼン平塚梅屋店も17時に閉店の挨拶を行っています。平成27(2015)年11月25日に開店した相鉄ローゼンもこの日、閉館に伴い閉店を迎えました。
閉館の理由は施設の老朽化で、老朽化したビルへの下りエスカレーター新設や空調設備更新などの設備投資は予算的に困難と判断しての事だった。時代の流れに逆らう事の出来なかったユーユー梅屋本館。梅屋はそれを理由に営業継続を断念し、隣接するユーユー駅前館を残し閉館しました。
閉館した令和4(2022)年9月25日は、2012年のテナントビル化から奇しくも丁度10年目の日のことでした。
閉館後の土地利用については、土地と建物の権利はマンション事業を中心に手がける不動産会社が所有しているとされ、今後の土地利用はその所有会社によって決まるとされています。
【年表】
1907年 梅屋創業
1951年 商号を「㈱梅屋」に変更
1963年 『梅屋百貨店』開店
1981年 前社長・関口寛快氏死亡
2011年8月31日 『梅屋百貨店』閉店
2012年9月25日 元百貨店の建物に『ユーユー梅屋本館』開店
2022年9月25日 『ユーユー梅屋本館』閉店
ユーユー館梅屋本館の公式ホームページ
http://www.e-umeya.co.jp/
たまにですが、記事の編集者の私も梅屋をよく利用させて頂きました。梅屋さん、本当にありがとうございました。
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