ホンダ株急落、鴻海は経産省にホンダ日産連合を要求？
2024/12/20
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日産ゴーン氏逃亡事件の真相
本田が経営危機に陥った日産に救済の手を上げた。経産省が、シャープを買収してボロボロに潰そうとしているフォックスコン鴻海精密工業が、ルノーに対して日産株を譲れと要求している話を知り、本田に日産を助けてもらいたいと働きかけ、経営統合するという記事が出ている。
話がどこまで進んでいるのかは まだ本当のところは分からないが、いろんなことが言われている。ゴーン氏のせいで日産がおかしくなり、その傷跡から日産は立ち直れて いないという報道が多いが、冷静に考えればゴーン氏のせいで日産がおかしくなったわけではない。
日産１９９０年代から赤字が何年も続き、本当にダメになりそうだった。倒産寸前だったのである。それだからゴーン氏が来て大規模なリストラをやり、何とか経営再建を果たしたのだ。
日本の経営人ができなかったことを外国人のゴーン氏がやったのだが、これは日本人が従業員の首を切る時によくやる手法だ。日本の大企業は自分が首を切ると自分が悪者になるので、外資のコンサルタントを呼んできて首を切れと言われたと悪者に仕立て上げ、この悪い人が、皆の首を切ると言ってアリバイを作る。これは日本の大企業の手法の一つなのである。自分たちできちんとレイオフして整理すればよかったものを、悪者になりたくないから、外国人を呼んできてそれをやらせた。そもそも日産に責任感のある人はいなかったのである。
日産はすでに１９９０年代にダメだった。それを立て直したのがゴーン氏だったが、お金を使い込んでいたということで２０１８年に追い出されてしまった。お金を使い込んだと言っても、すべて取締役会の決議を取っている。日本人の経営人がカルロス・ゴーン氏にお金使ってもいいという皆で決議を取っているのに、ゴーン氏だけを悪者にした。恐ろしい会社である。使ってはいけないことにお金を使っているのなら、取締役会の決議で反対しなければいけない。それをやらずにゴーン氏が使い込んでいると通報した。
うまく行ったのは全部自分のおかげ、悪いことは全部外国人のせいにする。日産はもともとダメだった。自分で切りたくないから人に切ってもらい再生を果たし、お金を使ってもよいと取締会で印をついた。銀行も損失補填をやってはいけない。こんなことは金融機関に入る新入社員が最初の3ヶ月以内に必ず習うことだ。それを銀行がやっておきながら、銀行も取締役も罪に問われずに、なぜかカルロス・ゴーン氏だけが罪に問われた。一番悪いのは金融機関だ。
ゴーン氏だけに罪を着せられて、楽器の箱に入って国外逃亡して行った。もう日本人として見ていて恥ずかしくなる事件だった。この国はかなり腐っていると思える事件だった。やるのだったら取締役と金融機関も公平に罰しないといけない。
本田株急落、日産株急騰の理由
なぜ本田株が急落して日産株が急騰したのか。日産株急騰の理由は簡単だ。倒産寸前だった。もう資金繰りが詰まっていることは決算発表で見えていた。財務諸表を見れば、手持ちキャッシュがやばい、しかも格付けも下がっているので資金調達も苦労するだろうなと数秒で分かる。本当に誰でも分かるほど手持ちキャッシュが危険な状態になっていた。
倒産すると言われている中で、旧村上ファンドや香港のアクティビストファンドが買い上げているのでジワジワと株価は上がっていた。そこにフォックスコンがルノーの保有する株式を売って欲しい、そして経産省が本田に日産の救済を依頼したという報道がほぼ同時に出た。このタイミングも少しおかしいと思うが、この日産にとってこの2方向からの救済の報道が流れたことによって株価が高騰した。
ルノーにとってはどちらでもいい。日産株を日本政府をバックにした本田が買おうが、フォックスコンが買おうが、株の取り合いをしてくれた方が、株価が釣り上がってしめしめというのが普通のビジネスパーソンの感覚だ。日産がどうなるかなど知ったことではないわけだ。
そして本田株がなぜ急落したのか。本田自体も絶好調というわけではないのに倒産寸前のお荷物を経産省から背負わせられるような合併報道が出ると、本田株は急落する。翌日にはやはり本田・日産の経営統合は本当にうまく行くのかという懸念のニュースが出てきている。業界の人間からすると、やはり厳しいのではないかと思う。
疫病神の日本政府
日本政府が絡んだ経営統合でうまく行ったケースがほぼ無い。経産省が絡んで経営統合をすると経産省から天下りの役人が何人も入り込んできて派閥を作る。経営などやったこともない人たちが人事権を握る。経営統合で国のお金を引っ張ってくる時に、関東財務局などに人事権を握られてボロボになるのだ。
これが半導体業界で起こった。日本の半導体産業がダメになった。それは国際競争力がなかったからではない。経産省が関わったことでダメになったのが実態なのだ。今回も半導体の助成金が出ると言っても、もらったら経産省や関東財務曲の役人に食い物にされてボロボロになって捨てられる。どこも恐くて助成金を受けることができなかった。
日産の経営悪化の原因
経産省が関わるとロクなことがないというのが第一点。そして第二点は実は本田も日産と同じようにＥＶで苦戦している。今年からＥＶの逆境が強烈なのだ。テスラですら売れていない。今年4月に決算発表したＢＹＤは絶好調だと言われているが、その他にＥＶで儲かっているところは聞かない。
本田はＥＶに強みが無い。日産もＥＶに強いわけではない。本田が強いのはガソリン車なのだ。２輪のガソリンがすごく売れていて、利益は２輪が出している。４輪部門でもガソリンやハイブリッドが利益を出していて、ＥＶ自体は苦戦している。
それを日産も本田もＥＶ乗り遅れたから売上が伸びないのだと勘違いをしている人がいるが、ＥＶ市場は限界がある。やはり売れているのはハイブリッドやガソリンの内燃期間の方が強い。それにＥＶに競争力があるわけでもないのに注力しても勝てない。
日産の業績が悪かったのは、ハイブリッドやガソリンなどの従来売れていたモデルに開発力を注いでいなかったことにある。ＥＶと自動運転という強みから最も遠いところに力を入れていたからである。それでは売れるものも売れない。今年は世界中で車がよく売れているのに、そこに新車を投入できなかったことが、今年の日産の敗因である。そしてＥＶ、自動運転への過剰投資が足を引っ張った。
本田も2輪や4輪のガソリンで稼いだお金をＥＶや自動運転にせっせと貢いでいる。本田の内部も不満たらたらの状態である。そのような２社が統合したら、本田と日産 のまさに弱者連合になる。本田もソフトウェアに強いわけではない。やはり本田や日産はメカニカルな内燃機関に強い会社なので、そういう会社がＥＶに舵を切って、車の価値をどうやって作るのか。
車はアップデートで価値を上げることはできない
ソフトウェア・ディファイド・ビークル（ＳＤＶ）は、ソフトウェアがアップデートさ れることで車の価値をいつまでも高めて行くという考えで提唱された概念で、ネットワーク経由で車のソフトウェアをアップデートすれば、車の価値が上がる構想があるが、スマホのように車もソフトウェアのアップデートで価値を上げることができる など無理である。そもそもスマホもパソコンもソフトウェアが常にアップデートされているが、ハードウェアはどんどん劣化していく。数年経ったら捨てられる運命である。
そういうことを考えるとソフトウェア・ディファインド・ビークルとかＥＶの分野に力を入れて、今から本田や日産がどうこうなるとは考え難い。
台湾フォックスコンの狙い
そしてフォックスコンは日産をすぐに買収できなくてもいいと考えている。日産がダメになったのは、インテルがダメになったのと同じなのだ。インテルは内部にかなりスパイを抱え込んでいた。それはアルテラという会社を買収してしまったことが原因だ。アルテラに入っていた大量の中華系スパイが、インテルに買収され統合されたことでインテルの中に入ってしまった。それでインテルの内部がボロボロになってしまった。
日産の中にもお金を使いまくった人たちがいる。本田が日産をボロボロにした人たちをそのまま受け入れてしまったらどうなるのか。経産省の勧めで本田が日産・三菱と弱者連合で経営統合したら、また業績が悪くなり、そうなればフォックスコンが名乗りを上げ、やはり日本人はダメだ。台湾は旧世主だから日本を救ってあげると、丸ごとパクっといただこうと考えている。フォックスコンはその目論見で経産省にロビー活動をしている。
もう本当に日本は一体どうなるのだろうか。守ろうと思えば守れるのだが、経営統合などせずに産業革新機構が出てきて数千億円を日産に注入するしかない。その方がまだマシな展開が待っている。
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