【萩生田・高市】NTT株を売って台湾半導体利権支援策発表?
2024/11/13
//www.youtube.com/watch?v=zeKlLEosZqY&t=4s
不覚にも、油断を衝かれた。自民党政権の失速により「NTT法廃止論」もたぶん失速していくだろうと期待していた矢先、11月1日にこんな報道が各社から出てしまった。
◆政府、ラピダス支援に「つなぎ国債」発行へ 財源にNTT株など想定(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASSC144BBSC1ULFA025M.html
【記事引用】半導体産業への支援について、政府が新しい国債を発行して資金を調達し、企業向けの補助金に使う計画を立てていることがわかった。
最先端半導体の量産を目指す「ラピダス」などが対象で、複数年にわたって支援する体制を作る。月内にもまとめる総合経済対策で示し、来年の通常国会で関連法案の提出をめざす。支援の原資として「つなぎ国債」を発行。償還の財源には、国が保有しているNTT株の配当金などを想定している。一般会計とは分けることで、財政健全化の指標となる基礎的財政収支の計算からは外れる。半導体産業への支援を巡っては、政府はこれまでラピダスへの9200億円を含めて計3.9兆円の支援を決めた。だが、いずれも補正予算を充てており、しかも、そのお金は目的が異なる三つの基金に積まれてきた。財政制度等審議会(財務省の諮問機関)では「中長期的な計画や基本原則をつくって支援をしていくべきだ」などと指摘されていた。
やはりNTTの国有株狙いか!と、思わず顔が歪むほど怒りが走った。まだ確定はしていないものの、数兆円規模の国債発行をする担保に国有のNTT株(の売却益)を使う計画がどうやら裏で進められていたようなのだ。
村上総務大臣はどちらかといえばNTT株売却に消極的だったと筆者は認識していたのだが、その一方で経産省が、NTT株を売るのではなく「担保にして」国債を発行しようとしていたのだ。担保付き国債とは国債が償還できない場合、例えば国債発行目的のプロジェクトが頓挫して償還できなくなった時に担保を差し出して補填する仕組みだ。つまり今回支援対象のラピダスが頓挫すれば、担保にされるNTT株が極めて高い可能性で売られてしまう流れが仕組まれていたのだ。
【編注:NTT法廃止とNTT株の国有分売却が日本にとってどれほど危険かは、文末の資料をご参照ください】
この企みは一体どう進むのだろう。NTT法を改正・廃止せずに国有のNTT株売却は不可能なはずだ。そうなると記事中「関連法案の提出を目指す」の「関連法案」とは何なのかが大変気にかかる。NTT株を売却はしないが担保として提供し、売却はしないが担保として取られるのはOK、といった言わば抜け穴的な法改正を狙っているのではないかと筆者は危惧している。
そして一度はNTT法廃止論が下火になったように見えたこの時期、すぐにこのような報道が出たのもおかしい。まだ決まった話ではないのに、いかにも決まったかのような「飛ばし記事」を各社が一斉に報道したという事は「総合経済対策で示そうとしている」動きを「それなりの地位の何者か」がリークしたからだ。
それは各社に飛ばし記事を書かせることで、「何者か」がNTT法廃止に反対する人たちを諦めさせようとしたからではないのか。
「何者か」とは誰なのか、報道の裏を推察してみると、元大臣クラスが動いていないと出来ない事、そしてコーポレートサイドの発想である事が分かる。コーポレートサイド、すなわち民間の大企業や金融機関の「アセットバック(資産担保)債券」の発想である。資産担保債券を買った人は、債券の償還日に(企業の倒産などで)お金が返ってこなければ、担保(アセット)として入っていたものを自分たちに寄越せとコールでき、それで償還借金と相殺する仕組みだ。今迄さんざん無担保の赤字国債を発行してきた政府が、わざわざこういう仕組みを持ち込んで来た背景には、政府に関わっているある種のハゲタカ系金融機関からの教唆があったのではないかと深く疑っている。
次に、元大臣クラスが動いていると考える理由。そもそも経産官僚が「NTT株を担保に資金調達」などというやり口を言いだすわけがない。となれば「どうしてもNTTを潰したい、乗っ取りたい」と思っている一派で、官僚サイドにこんな仕組みをねじ込めるのは経産大臣か総務大臣の経験者しかいないからだ。
菅義偉衆院議員は元総務大臣であり、総務族として知られている筆頭だが、菅氏は事実上「バイデン化」が進行していると言われているので可能性は低い。すると後は高市早苗元総務大臣か、ラピダス立ち上げの時にIBMからの技術ライセンスの話をまとめに行った萩生田光一元経産大臣などが怪しいのではないか。筆者にはそう思えたのである。
萩生田氏も高市氏も半導体支援には少なからず関わってきていた。ところが甘利明元経産大臣が今回の衆院選で落選されたことで、半導体支援策の資金調達が難しくなってきたのではないかとの観測が出だしていた。それを打ち消すように今回の記事が11月1日に出た。やはりあの二人、浙江財閥の利益のために色々な事をしてきたあの二人が、非常に怪しいのではないかと思う。
ただし今はまだ調査を続けている段階で、絶対にそうだとは断言できない。ただ、担保付きラピダス国債発行がまだ決まったわけでもないのに、さも決まったかのようにリークしている裏には、そう国民に信じ込ませて既成事実を作ろうとしている一派がいるという事だ。となると、今まだ影響力がある高市氏あたりが動いている可能性があるのではないか、と言われているのである。
いっぽう、非公認ながら再当選を果たした萩生田氏もまだまだ元気である。
◆<萩生田氏”ダブル裏金”問題>”大番頭”の政策担当秘書に不起訴不当の議決「不記載の2728万円は極めて高額」都連がらみでも地検が捜査か
https://shueisha.online/articles/-/252133
このダブル裏金問題、政策担当秘書だけが不起訴不当で、萩生田氏は不起訴相当、すなわちお咎めなしというのだからすごい。本当にまだまだ実力者だ。彼がこれからどう動くのか、高市氏を応援することによって浮上しようとしているのか、こちらも今後が見ものである。
【参考】
◆萩生田光一議員の本命はNTT40兆円資産私物化利権
https://note.com/fukadamoet/n/ne4023d0b9fae
◆嘘つき総務大臣、萩生田の為にNTT40兆円利権推進
https://note.com/fukadamoet/n/nd72925a2101a
◆「NTT法廃止で日本は滅ぶ」かや書房
https://amzn.asia/d/1NAr9Z8
ITはもはや民間が軍事を超え、IT技術を制する者が世界を制すという国際マフィアと国際政治の世界。
深田萌絵メルマガ「世界とITのヤバい話」では、日米中のニュースを中心に、IT起業家と元アナリストの視点から多角的に解説。
他にも、紙面ではなかなか取り上げられにくい幅広いお話ができればいいなと思っています。
よろしければ、ぜひご購読ください。
■ 深田萌絵ブログ
http://fukadamoe.blog.fc2.com/
■ X(旧:Twitter)
https://twitter.com/Fukadamoe
■ Facebook
https://www.facebook.com/moe.fukada.35
■ youtube
https://www.youtube.com/channel/UCJD2JwJNPzi1qcLizxmxbJA
■ 深田萌絵note
https://note.com/fukadamoet