NTT法廃止法案反対、国会議員に抗議しよう!
2024/04/07
https://www.youtube.com/watch?v=j5OGBnv9sRg
4月4日木曜日にNTT法廃止に向けたNTT法改正案が、総務委員会を通過し、おそらく8日の本会議でこのまま決まってしまうという展開になっている。
NTT法改正案の内容について、議員の先生方がどこまで一体理解しているのか、そして、この法案が廃止されたら、政府がNTT株を売却してしまい、通信インフラを失ってしまう危険性について気づいているのかどうかを、地元の議員先生に確認をしてくださいと話をした。
ある先生がそれに対して次のコメントを出されていた。
「NTT法改正案ですが、議員会館と地元の事務所にファックスや電話で反対するような要請が多数きました。でも、おそらくこの人たちはきちんと法案の条文を読んでいません。この法案は、NTT法を廃止する法案ではありません。ネットで出回っているような外資が乗っ取るという話でもありません。NTTの責務から研究の推進と研究成果の普及を外し、外国人役員を三分の一まで認めるなどを内容とする法案です。」
研究の推進研究成果の普及を外すということは、確かに議論されているが、それに伴う政府側の説明が虚偽であると私は主張している。
「おそらくNTTをユニバーサルサービスの義務などの公的役割から解放して、自由自在の経営をさせたい特定の政治勢力と、その他の通信会社との競争環境を保ちたい政治勢力の世代の中で作られた法律なのでしょう。」
「そして、この本案の附則に、政府は日本電信電話株式会社等の法律の廃止を含め、制度のあり方について検討を加え、その結果に基づいて令和七年に開催する国会の常会を目処として、日本電信電話会社と株式会社等に対する施政の見直しを含む、電気通信事業法の改正等必要な措置を講じるための法律案を国会に提出するものとするという条文が規定されています。」
「言うまでもなく、国会は立法府であり、国権の最高機関である憲法に掲げられていますが、その立法府で行政府が来年の国会に法律を提出するなどという規定を認めるのは、自らを否定するようなものです。ましてや来年なのですから、政府が提出するなら、今年の改正分も含めて検討を尽くしてまとめて法案を作るのが筋でしょう。法案内容以前の問題です。法案自体も政治的妥協の産物で作られたものであるため滅茶苦茶。私たちの会派に対する説明で、総務省の官僚のも答弁に苦慮していましたから、賛成しようがありません。こんなクソみたいな法案に賛成する野党第一党、第二党の気がしれません。来年の国会で政権交代に挑む気があるなら、このような附則を持った法案に賛成するはずがありません。情けないものです。」
二点だけ突っ込むポイントがある。その一点は、この先生は法案を読んでいるのだけど、現行法を読んでいない。そして二点目は、君達は法案を読んだのかと上から目線でおっしゃっているが、そもそも国民に公開されていない。国民に対して法案を隠蔽せずに、きちんと政府が公開して議論をするような姿勢を示していただきたい。
NTT現行法の第四条
「政府は、常時、会社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。」
NTT法を廃止すれば、この第四条がなくなり、株式を売ることができてしまう。そのことについて触れないのはなぜか。
同法第14条(重要な設備の譲渡等)
「地域会社は、電気通信幹線及びこれに準じる重要な電気通信設備を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。」
通信インフラを総務大臣の許可なしに売ってはならないという法律である。
NTT法を廃止するということは、国民資産を守るこの二つの法律が無くなるということだ。
国会は立法府で、国の最高機関であると憲法に規定されている。行政府よりも立法府の方が大事なのである。権限は内閣に府集中しがちなので、きちんと分権してパワーバランスをとるというのが憲法の三権分立の思想で、立法府が法律を作り、そしてその法律が憲法に矛盾しないかを司法で確認し、最高裁が確認をし、そして行政の長である内閣はそれを執行すると分権している。
ところがこのNTT法改正案は、政府はNTT法の廃止も含めた改正案を来年、令和七年に開催される国会に法律案を提出すると書いてある。それはおかしい。
立法府から出てくる法律案の中に、来年は行政の方から法律案を出して、それを通すと附則に書いてある。立法府が、行政府さん来年法律よろしくという法案に賛成することは自己否定である。自分たち国会議員の存在意味が無いと言うも同じである、とこの先生は指摘している。
他にもYouTubeで、公開されている秘密でも何でもないのに、こんなものを読まない馬鹿がいると言っている先生もいたが、国民に対しては公開されていない。それを読めと言うのだったら、自分のブログに全部載せればよい。それすらもせずに民主主義国家の国会議員みたいな顔するのはやめてくれ迷惑だ。
現行法の第四条と第十四条が廃止されれば、外資に乗っ取られることを危惧している。それをあたかも存在しないと勘違いかのように言うのは議論のすり替えだ。それで君たちの勘違いだというのは、国民を見下している。
この「日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改める法律」は公開されていない。それなのに読んでいないのか、と言うのはおかしいだろう。民主主義国家なのに法案を審議する場で、その法案内容が公開されていない。
欧米の人に言うと笑われる。中国と同じぐらいのレベルのひどい国だと言われる。日本はよくそれで民主主義国家だと言えるねと馬鹿にされる。
しかし、馬鹿にされて当然の国である。情報開示、透明性、トランスペアレンシーという民主主義の根幹である情報の透明性が全くなってない。こんな国が自分たちのことを民主主義だと言うのはおかしい。
ぜひ地元の議員事務所に行っていただきたい。そして関東近郊にいらっしゃる方は、議員会館の先生の事務所を訪問して、NTT法改正案に反対してくれ。そこに含まれているのは、外国人の経営者が参加できるようになるとか、その研究成果の普及責務を外すとかだけの議論ではない。
第四条、第十四条に含まれる政府がNTT株を保有する。通信インフラを売却する時には、総務大臣の許可が必要であるという国民の通信インフラを守る情報も含まれている。
それが廃止されることによって、いかに国民生活にネガティブなインパクトがあるのか、有事の際に国民が自分の身を守れなくなるのか。通信というのは防衛インフラの最前線なのだ。そういった認識をお持ちいただきたいと、お伝えいただければと思う。
議員会館は基本的にアポ無しでも訪問できる。陳情とか挨拶で入館することができるので、話をしたいと思う議員先生、誰でもいいので訪問してください。チラシの一枚ぐらい受け取ってくれる。
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