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石破総裁誕生の影に萩生田の裏切りか?

2024/09/29

//www.youtube.com/watch?v=1tmS8PQOhXI

誰もが予想だにしなかった石破茂新総裁の誕生だ。正直、私は高市早苗氏が勝つと思っていた。なぜなら、報道もすごいし、ネット上の世論も圧倒的だった。右派の論壇も総動員されており、非常に強力だったからだ。5~6年前は左派が世論形成に積極的に動員していると感じていたが、この4〜5年は右派の動員力が高いと感じていた。その動員力を発揮して、高市氏が有利だと思っていた。

もちろん、コアな支持者には何らかの利害関係を持つ者が多かったが、周囲の支持者は純粋に高市氏が最もまともだと感じていた。高市氏と萩生田光一氏は長年犬猿の仲であることが指摘されていた。その中で通販右翼が、萩生田氏が麻生太郎氏と組んで高市氏に付いたという飛ばしニュースをやっていた。そういう面もあったのだろうと考えている。この情報を伝えたのは産経新聞の阿比留氏だ。阿比留氏が報じているということは、保守派の議員から何らかの情報を得ていたのではないかと思う。

私自身、少し過激なツイートをしてしまった。先週の話だが、「萩生田さんは高市早苗さんにしがみつくっぽい」とツイートをしたら、萩生田事務所に「事実無根か」と尋ねた人がいた。萩生田事務所側は「ぽいって何ですかね。事実無根です。」とリツイートし、高市さんを応援するのは事実無根と否定していた。

しかし萩生田氏のブログを見てみると、9月27日の投稿では石破新総裁の誕生を祝う内容だった。そして、決選投票では高市氏と石破氏の一騎打ちとなり、地方の47票と367人の国会議員による大接戦の末、石破氏が新総裁となったと書かれていた。そして、「私は高市氏を支持しました」と記載されており、事実無根と述べていたこととの矛盾している。

ネット上では、高市氏を裏切った者探しが始まっており、萩生田氏が最初から高市氏を応援していたかのような態度を取っているのは奇妙だ。二枚舌っぽい感じが、いつもの萩生田氏を感じている。これがいつもの萩生田氏の通常運転である。皆に良い顔をして、皆から愛されようと努力する八王子の八方美人、それが萩生田氏である。

それと、日経から28日に面白いニュースが出ていた。日経は「菅VS反菅」の闘いと報じていた。しかし、実際には「菅VS麻生」であった。菅義偉氏が嫌いな人は麻生太郎氏に、麻生氏が嫌いな人は菅氏に付いた形である。この時点で、もはや石破VS高市の戦いではなく、菅VS麻生の構図になっていることを指摘されている方はたくさんいる。

しかしこの構図について少し疑問を感じた。菅チームでは小泉進次郎氏と石破氏が石破氏に投票し、岸田チームでは林芳正氏や上川陽子氏が石破氏に投票していた。麻生チームでは高市氏や小林鷹之氏、茂木敏充氏、河野太郎氏が高市氏に投票していた。しかし、9名の候補者それぞれが持っていた票の割り振りが決戦投票の決め手となった。特に、加藤勝信氏の陣営には矢印がついていないのが興味深い。加藤氏に最初に投票した者が、決戦投票では石破氏と高市氏に分かれて投票した。加藤氏が裏で二手に分かれて、敗北時の傷を最小限に抑える戦略を取っていたことが見える。

旧安倍派が意外にも石破氏に入れていたことも注目すべきであり、加藤氏の支持者も石破氏に投票していた。これにより、非公表組の動きが怪しいと感じる部分がある。加藤氏と萩生田氏は仲が良く、共に行動していたのだ。菅グループのHKTとは、萩生田氏、加藤氏、武田良太氏の3人組である。この中で、萩生田氏は麻生氏にも接近していたため、高市氏を表向きは応援していたが、内心では嫌っていた可能性が高い。

安倍晋三氏に可愛がられていた議員の中で、萩生田氏と高市氏はライバル関係にあったため、高市氏の勝利は萩生田氏にとって面白くない状況だったと思われる。多くの人がそう思っているようだ。Twitterを見ていると、「実は萩生田氏は高市氏のことを嫌っていた」と言っている人が多い。そして、加藤氏は萩生田氏と仲が良いため、自分を応援してくれた人を二手に分け、自分の傷を浅くする戦略を取ったようだ。萩生田氏の八方美人戦略をそのまま行ったのだろう。

今回の総裁選で、安倍派の裏切り者は萩生田氏が中心だったのではないかと思う。なぜなら、菅氏が強くなければ萩生田氏は失脚するからだ。次の衆院選で、菅氏が力を持っていれば、公明党の力を借りて萩生田氏が再選できるが、高市氏が新総裁になると公明党との関係が修復不可能になる可能性がある。そのため、萩生田氏は菅氏が勝たなければならないと考えたのではないか。

東京新聞の記事「総裁選の裏で、麻生太郎氏と菅義偉氏、キングメーカーの座争奪戦」とあったが、最終的に麻生氏が失脚したと見られている。自民党の長老政治が終わったとの声も上がっている。岸田文雄氏が初めて総裁選に出た際、安倍派の応援を得たと思っていたが、麻生氏に挨拶する前に古賀誠氏のところに行ったため、麻生氏が激怒し、菅氏に付いてしまったことで、岸田氏は敗北した。その後、岸田氏は麻生氏に挨拶を済ませ、総裁になった際には古賀氏にお礼をし、二階俊博氏に引導を渡した。

2年前に安倍氏が暗殺され、今回岸田氏が辞任する際、麻生氏と差し違えて去った。菅氏を勝たせ、麻生氏を失脚させた岸田氏の行動には感心する部分もある。これが「自民党の長老政治は終わった」と言われる背景である。安倍氏、古賀氏、二階氏、麻生氏という4大長老がいなくなり、森喜朗氏もご高齢であり、菅氏も健康不安問題を抱えている。そのため、長老政治は終焉を迎えたと感じる人も多いだろう。

力を持っていた長老たちがいなくなると、自民党は戦国時代に突入するだろう。中堅議員たちが権力闘争を繰り広げることになる。今後の展開が注目されるが、萩生田氏は菅氏が残っているため、公明党の力を借りて東京24区で有田芳生氏と戦い、当選を果たす路線を歩むのではないかと思う。

麻生氏の失脚により、NTT利権がどうなるかは不透明だ。NTT法廃止を進めているのは萩生田氏で、その裏でサポートしているのは甘利明氏だ。NTT廃止に反対してきたのは麻生氏の事務所だが、麻生氏が関与した背景には甘利氏の動きがあると考えられる。NTT法廃止運動に圧力をかけてきたのは、麻生事務所である。麻生氏が失脚したことは、NTT法廃止利権において、我々にまだ希望が残されていると言える。


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