【雑感】昔の男
今朝は新聞を読んでから、ふと、20歳のころ面白いと思った作家のことを思い出した。
この人たち、いま何歳なんだろうと思ってみたら、いい年齢になっていた。
最近は、何を書いているのかなと思って、最近のコラムを読んでみたけど、なるほど、25年前は時代とあっていたけど、今はこの人たち時代とズレてるなと思った。
読書と恋愛していた自分からすると、いつの間にか読まなくなった作家のコラムと何十年ぶりかに再会するのは、昔惚れた男と数年ぶりにあったら、なんてことはない普通の人だったみたいな感覚だ。
結局、定期的に読み返したくなる作家に惚れてるんだよな。
という点では、岡本太郎がずっと面白いと思う。
洗練されずにプリミティブであること。
ゴタク並べるより、本能。
作品は売らず、生活のために執筆していた。
でも、現代アートや抽象画はコンセプトが一番大事だね。
芸術の評価は新しい技巧、テクニックを生み出すこと。
新しい視点を見る側に与えられるかどうか。
そして、受け手の魂が揺さぶられるかどうか。
そういう意味では、飽きてしまった作家はテクニカルで、その時は時代に遭っていた。
岡本太郎には、自分の何かを揺さぶられた。
それは彼が論評でなく、何かを生み出し続けたということに尽きるのかもしれない。