【ロシア軍】オデッサ港攻撃穀物輸出合意後 トルコが仲介に入るワケ!?
2022/07/25
https://www.youtube.com/watch?v=uj17Cqp-2j4
■ 穀物輸出合意の直後の攻撃
ロシア軍がオデッサ港を攻撃 穀物輸出合意の直後だった。そしてトルコがなんと仲介にはいった。
ロシアがオデッサを攻撃したことで、ニュースが昨日からかなり話題になっている。
ちなみにロシアとウクライナのどっちの味方をするのだというのは勘弁してください。どちらが正しいとか、正しくないとかということは、各自の判断にお任せする。
これまでの経緯だが、7月の22日にロシアとクライナの間で北海からの穀物輸出再開に向けた合意がなされていた。そして仲介役に出たのが国連のグテーレス事務総長、トルコのエルドアン大統領だった。
この穀物輸出合意に至った訳は、穀物が輸出されてこない。ウクライナは安い穀物を世界中に輸出しているのだが、その安い食料品が手に入らなくて、食料インフレ、穀物の価格が上がっていることで、各国の国民の不満、世論の不満が高まっている。
そして、とにかくインフレが起こると、国民の生活が揺らぐので、そうすると政治に対する不満が、矛先がもう直に政治に向かう事態になっているので、なんとかその穀物だけでもウクライナが輸出できるようにしてくれないかというのが欧州の希望だった。
この様な事態になった経緯は、ロシアはそのあたりのことをちゃんと判っていた。
ウクライナが穀物を輸出できなければ、欧州連合の各国は、インフレに耐えられなくなるということをちゃんと計算に入れて揺さぶりをかけていた。
ところが合意があった翌日の23日、ロシアがウクライナを攻撃するというニュースが出ていて、ロシア側の発表、こちら毎日新聞だが、『ロシア「ウクライナ軍艦と倉庫を破壊」港へのミサイル攻撃発表』というニュースが出ている。
ロシア軍は24日、ウクライナ南部オデッサの港に停泊していたウクライナの軍艦と、米国が供与した対艦ミサイルハープーンの倉庫をミサイルで破壊したと発表した。ロシアの国防総省が通信アプリ、テレグラムで明らかにした。オデッサ港などではロシアによる侵攻後に、穀物輸出が滞っており、国連の仲介でロシア、ウクライナ、トルコが22日穀物の海上輸送の再開に向けた合意文書に署名した 。
しかし翌23日ウクライナ側はオデッサの湾岸施設がロシア軍のミサイル攻撃を受けたと明らかにしており、国連や米国などがロシアを批判したニュースが流れている。
■ アメリカと中国の責任のなすり付け会い
今回の合意に、やはりアメリカも動いている。アメリカは世界的な食糧危機はそのウクライナの穀物が輸出できないことにも一因があるということで、中国を批判していた。
中国は積極的に穀物をいろんな国から買って、何億人もの人々が食糧不足になっているというのに、自分たちは穀物を溜め込んでいる。今のこの穀物高に中国がひと役買っていると中国を批判していた。
しかも今年の4月に、やっとウクライナから出荷された穀物の40%を、中国がちゃっかり抑えているので、アメリカは中国を批判していた。
逆に中国は、穀物高はアメリカのせいだ。穀物価格を吊り上げているのはアメリカだ。アメリカが相場を操縦している。すごく無責任だと発表して、アメリカと中国のこの穀物価格高の原因は、お互いお前だお前だと責任の擦り付け合いをして、もう殴りあっていた状況なのだ。
それを解決できる鍵は、ウクライナの北海に面したオデッサ港からの穀物の輸出さえ再開できれば、今の穀物価格の高騰は一段落するだろうというのがアメリカの考えだった。
その直後にロシアがオデッサ港にあるアメリカのミサイル倉庫を破壊したので、アメリカはそれでまた怒っているというわけだが、どっちもどっちだろう。
■ G7に対抗するBRICS
ウクライナのゼレンスキー大統領は、穀物輸出に関する合意を結んだ直後にオデッサの港を攻撃したことに対して、ロシアは対話の機会を破壊したと避難している。そして停戦交渉には応じられないという姿勢を見せた。
ロシアの言い分は、標的は軍事施設だけで、穀物輸出の合意に反していないという立場だ。しかし少し微妙かなと思う。そして仲介に入った国連とトルコ。この二者の対応も面白いが、国連はロシアを批判している。トルコは軍事施設だけだから穀物は輸送できると言っている。
トルコとロシアはそれほど仲が良かったのかと思うと、(画像)左がエルドアン大統領で、右がプーチンなのですが仲良くソフトクリームを食べている。そういう写真。これがなんかトルコとロシアの首脳が会っている姿には見えない。なにかイタリアマフィアの会合に見えるかも知れないが、これは各国首脳だ。
それに対してロシアのラブロフ外相は、このように言っている。
時事通信社のニュース
『対ロシア制裁の解除要求=トルコと穀物輸出の安全確保』
ロシアのラブロフ外相は24日、ロシア産穀物の輸出に関する欧米の制裁解除を求めた。アフリカ諸国歴訪の最初の訪問国エジプトで、シュクリ外相と会談後の記者会見で語った。AFPやインタファクス通信によると、ラブロフ氏は「グテレス国連事務総長は米国と欧州連合が課した金融とサプライチェーンに対する不法な制限を解除する責任を負う」と指摘している。またウクライナ産穀物の輸出にあたっては「ロシアとトルコが安全を確保する」と主張した。
ここでなぜエジプトなのかということも、明日以降の深田萌絵テレビで話をするので見えてくると思う。とにかく今回の穀物輸送に関してもトルコはかなりロシアに協力的である。それはロシアとトルコが実は仲良しで、新しくBRICSという経済構想を通じて、彼らはここからG7に対抗できるだけの経済圏を築き上げようとしている状態にある。
■ トルコがロシアを助けるメリット
今回トルコが非常に重要な役割を担っているのは海峡問題もある。今欧州は食料品やエネルギーのインフレで、ロシアがどうこうとか、ウクライナがどうこうとか構っていられない。お尻に火がついている状態なのだ。
とにかくインフレで各国の首相や閣僚が辞任に追い込まれるような状態になっていて、とりあえずエネルギーはともかく、穀物ぐらいは安いものが欲しいというニーズが高まっている。
トルコのエルドアン大統領もその辺は結構心得ていて、穀物さえ届けばいいのだろうというメッセージで欧州を懐柔して、裏でロシアを助けている。
オデッサ港を出た後は、このトルコのボスポラス海峡とダーダネルス海峡の二つの海峡を越えて外に出て行く。このようにトルコは地政学的に非常に重要なポジションにあって、穀物の輸送が再開することによって、トルコは運河利用料で儲かる構図になっている。
それだけではなくてトルコはロシアを助けることによって得られるメリットが実はまだまだある。この続きは明日話をする。
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