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「ごめん」が嫌いになった日
両親が離婚した日のことを今でも覚えている。
当時10歳になったばかりの女の子だった私は、お母さんが大好きで、お父さんはちょっと怖い。毎日学校に行くのは楽しかったし、夏休みは家族旅行も行ってた。
正月。元旦の日だったと思う。休みの日の朝のように、毎年の通りお母さんが起こしに来てくれた。起きて、ダイニングに行くと毎年並んでいるはずのお節料理がない。あの丸い両方細くなってるお箸も並んでない。
お母さんがリビングに行ってしまった。後ろ姿はかろうじて見える。お父さんが私の近くに座った。
お父さんが話す。「お父さんとお母さんはリコンすることになった」と
”リコン”がわからない。意味がわからない。お父さんとお母さんの話をしているのにお母さんが近くにいない。何かがおかしい。お父さんが何か言ってる。意味がわからないことを言ってる。
気づいたら私は泣いてた。わからないのに涙が止まらない。わからないのに悲しい。
もうお母さんと一緒にいられないんだと感じたんだと思う。
お父さんの話が終わり、私はお母さんのところに行って、「なんで?なんで?」と繰り返し言った。
返ってきた言葉は「ごめんね。ごめんね・・・・」だけだった。
そんな言葉が聞きたかったじゃないんだ。
「ごめんね」なんて嫌いだ。