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ケインズの乗数効果~マクロ経済学を味見しよう~
注:この記事は、いわゆる乗数効果についてのざっくりとした説明である。間違いなどあれば指摘は歓迎である。
不景気のときに、減税しろ、あるいは公共事業を増やせなどということを聞いたことがあるかもしれない。当記事は、それがどのような理論によって裏付けされているかをざっくりと解説しよう。数学の知識はとりあえず中学数学の範囲内でオッケーだ。
乗数効果とは
なんか投資が増えると所得が増えて、消費も増えて、だから投資が増えて~といったサイクルのことを意味している。なお、今回は1国の国内のサイクルについて説明する。
まずはこの2つの数式からご覧いただきたい。
①GDPについての式
Y=C+I+G
Yが国内の総生産額、いわゆるGDP。
Cが支出、Iが企業などの投資、Gが政府の支出である。
国内総生産は支出と企業と政府の出費の合計である。ということだ。
こいつは所得恒等式とも言われる。
②家計の消費についての式
C=βY
ところで、Yは総生産額なのだが、これは企業⇒給料⇒家計という巡りで、総消費額ととらえることが出来る。
で、家計は所得Yのうち一定の割合βを支出する。
(βは当然0≦β≦1の範囲である)
③結論
このふたつの式を一つにまとめると、こうなる。
Y=(1/1-β)(I+G)
この式から、Gの値を、つまり政府の支出をX円上げてみると、どうなるか。
Y=(1/1-β)(I+G+X)
⇒Y=(1/1-β)(I+G)+(1/1-β)X
つまり、X円の政府の支出で(1/1-β)X円分GDPが増えるよ、やったね!というのが乗数理論である。
④・・・え?結局どうなるのか分からないって?
では具体化してみよう。
政府支出を1000円増やすとする。
この国の家計は、所得の8割を支出に回すとする。
すると・・・(1/1-0.8)1000円=5000円分社会の総生産が増える。
消費の サイクルって すげー!
以上が乗数理論についての大雑把な説明であり、理論経済学の片割れであるマクロ経済学の出発点だ。興味がある人は書店に行き、読みやすそうな
「マクロ経済学入門」の本を手に取ってみてほしい。手に取れる環境にない人のために、読みやすいもののリンクもひとつおいておくとしよう。
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