右足首にピンポン球 ※閲覧注意
午後8時過ぎ、異変は急に訪れた。
その日は、前日から体調が優れず、仕事を休み、一日横になっていた。夫が帰宅し、シャワーを浴びている間に、荒れていた部屋を少し片付けていた時だった。しゃがんだ体勢で床に散らかっている物を片付けていたら、右足首が急に痺れてきた。大した時間しゃがんでいたわけでもないのに、やけに痺れるなと思い、右足にふと目をやると、くるぶしの前あたりにピンポン球くらいの腫れが出来ていた。ビックリして、浴室の夫に助けを求めた。
夫は、すぐに救急相談センターに電話してくれ、相談すると、夜間にやっている整形外科、皮膚科を紹介された。しかし紹介された病院はわりと家から遠く、すぐに行けるわけではないため、受診を迷った。とにかく夕飯をまず食べてしまおうと、夫が買ってきてくれたご飯を食べたが、あまり喉を通らなかった。食べ終わり、今度は夫がファストドクターに電話をしてくれた。
東京消防庁救急相談センター
ファストドクター
簡単に夫が状態を説明すると、問診担当から折り返し連絡するとのことで、連絡先を聞かれ、私の連絡先を伝えたため、電話を変わり、説明をした。急に腫れて、痛みはないが、腫れの周辺が痺れている。
生年月日や住所も伝え、折り返しを待つ。待つ間に検温とおくすり手帳の準備を指示され、準備して、待つこと約45分。待ちくたびれた頃、着信アリ。問診担当からの電話で、一応往診希望の旨を伝えた。
症状を伝えると、急を要する物ではないとの判断で、一安心。往診では、痛み止めなど応急処置しかできず、溜まった液体を抜くなどの外科的な処置は難しいため、翌日以降に整形外科を受診した方が良いと言われた。生活の中で気をつけた方がよいことを聞くと、とにかく安静に、とのこと。病名を聞くと、診断はできないが、ガングリオンではないか、とのことだった。
今日明日でどうにかなるわけでないとのことで、ひとまず少し安心して、一旦横になった。寝る前に、トイレと歯磨きをと立ち上がり、歯磨きをしていると、なんだか腫れが大きく固くなり、その分皮膚がつっばり、痺れが大きくなった。また不安が募る。
しかし今は朝を待つしかない。大人しく寝ることにした。しかし夜中に何度も起きてしまい、結局あまりよく眠れなかった。
夜が明け、右足首を見ると、腫れは落ち着いているように見えた。
様子を見ながら、洗顔、歯磨きを行う。しばらく立って動いた後、足を見ると、今度は腫れの周辺に青痣ができていた。
ただ腫れ自体はある程度落ち着いており、とりあえず、整形外科を受診することにした。
受診受付の際は腫れが落ち着いており、少し受診するか迷ったが、このまま放置して、また腫れてきても怖いので、思い切って受診した。医師に昨日の写真と、今の状態を見せると、「不安になりますよね」と優しく言ってもらえて、少し安心する。滑液包炎ではないかとのことだったが、念のため、レントゲンとCTをとることに。
まずはレントゲン。両足首を撮影。そしてCT。右足を撮影。また診察へ。結果としては骨や関節に異常はなく、何らかの液が溜まって腫れてしまったことがわかった。滑液包炎か血腫かはっきりさせるため、溜まった液を注射器で採取。血液だとわかり、血を抜いた方が早く戻ると言われて、血を抜いてもらおうとしたが、血が固まっていてあまり抜けず、あとは自然に戻っていくのを待つことになった。一応足首固定のため、包帯を巻いてもらい、その後、出勤。通常営業をこなした。
仕事中は、包帯を巻いた足で、会う人たちにピンポン球の写真を見せては驚かれた。「ピンポン球はさすがに盛ってるだろと思っていた」とか「俺だったら仕事休む」とかいろんなことを言われた。
1日終えて、包帯をとくと、ピンポン球はすっかりつぶれて赤くなり、その周辺の青痣は勢力を増していた。
ピンポン球は一夜で消えたけど、しばらくはこのピンポン球跡地との付き合いが続きそうだ。